【2025年最新版】S/PDIF(光デジタル端子)から音が出ない?Windowsでの原因と対処法

「SPDIFで音が出ない?」というテキストと共に、SPDIFケーブルと音声が出ないWindows画面を示すデジタルイラスト。青い背景に明快なトラブル表現がある画像。

Windows 11のPCで、S/PDIF端子(光デジタル出力)から突然音が出なくなった…

そんなトラブルが近年増えています。とくに映画や音楽をAVアンプやDAC経由で楽しんでいるユーザーにとっては、死活問題です。

本記事では、S/PDIFを利用する環境で発生しやすい音声トラブルの原因と、2025年時点で有効な対処法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

S/PDIF(光デジタル端子)とは?

光ファイバーケーブルを使って、デジタル音声を外部オーディオ機器に送るための端子です。ノイズに強く、音質の劣化も少ないため、AVアンプや外部DACでの高音質再生に最適です。

よくあるトラブルとタイミング

  • Windowsアップデート後に音が出なくなった
  • S/PDIFが出力先として選べない
  • PCM音声は出るが、Dolby DigitalやDTSが出力されない
  • 再起動後に設定が初期化される

これらのトラブルは、2024年後半から登場したWindows 11 バージョン24H2以降で顕著になっています。

【注意】2025年のWindowsアップデートによる影響

更新プログラム報告されている影響
KB5037853Realtekドライバが自動更新され、S/PDIF出力が非表示に
KB5039312Windowsの音声設定が初期化され、光出力が無効化される

アップデート直後に音が出なくなった場合は、まずこれらの影響を疑いましょう。

原因と解決方法

① 出力デバイスの確認と変更

  • 画面右下のスピーカーアイコンを右クリック
  • 「サウンド設定」→「出力デバイス」へ
  • S/PDIF」や「Digital Audio (S/PDIF)が選択されているか確認

② 対応フォーマットの確認

  • コントロールパネル → サウンド → 再生 → S/PDIFを右クリック → プロパティ
  • 「サポートされているフォーマット」タブで、PCMが有効になっているか確認
  • 5.1ch出力が必要な場合は、AV機器側の対応状況もチェック

③ ドライバの更新またはロールバック

  • 「デバイスマネージャー」→「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」
  • 該当デバイスを右クリック → 「ドライバーの更新」または「以前のバージョンに戻す」
  • Realtek公式サイトからの最新ドライバも試す価値あり

④ BIOS / UEFIの設定を確認

一部のマザーボードでは、S/PDIF出力が初期設定で無効になっている場合があります。起動時に[DEL]キーなどでBIOSに入り、S/PDIFやHD Audio関連の項目が有効か確認しましょう。

S/PDIFが表示されない時の確認ポイント

S/PDIFが「再生デバイス」に表示されない場合は、単なる設定ミスや物理的な問題だけでなく、次のような見落としがちな原因があることがあります。

  • 音声出力デバイスの「無効化」
    一度でも誤って「無効にする」を選んでしまうと、再生デバイス一覧から非表示になります。
    → サウンド設定で空白部分を右クリックし、「無効なデバイスを表示」にチェックを入れて確認してみましょう。

HDMIとS/PDIFの混在設定

モニターにHDMI出力を使用している場合、そちらが優先されている可能性があります。特にテレビやモニターに内蔵スピーカーがある場合は、自動的にHDMI側が有効になることがあります。

Windows Audioサービスの不具合

「services.msc」で「Windows Audio」および「Windows Audio Endpoint Builder」が「実行中」になっているか確認してください。停止している場合は「開始」をクリックしましょう。

隠れエラーを見つける方法

設定をすべて見直しても音が出ない場合、Windows内部で「既定の出力処理」が正しく機能していないケースがあります。

このようなときは、以下の手順を試すことで問題の根本を探れることがあります。

  • 「イベント ビューアー」を開いて、オーディオ関連の警告・エラーが発生していないか確認
  • 「トラブルシューティングツール」(設定 → システム → トラブルシューティング → その他のトラブルシューティング)で「オーディオの再生」を実行
  • 「SFC /scannow」や「DISM」コマンドを用いたシステム修復

これにより、構成ファイルやレジストリの破損が原因で音が出なくなっていた場合でも修復できる可能性があります。

【裏ワザ】どうしても音が出ないときは?

  • USB接続の外付けDACを使って出力経路を変更
  • Linux等のOSでの動作確認(機器故障の切り分け)
  • Windowsのクリーンインストール(最終手段)

【予防策】Windowsにドライバを勝手に変えさせない方法

Windows Updateによる自動ドライバ更新を無効化することで、S/PDIFが勝手に消えるリスクを減らせます。

手順(Windows 11)

  1. 設定 → システム → バージョン情報 → 関連設定 → システムの詳細設定
  2. 「ハードウェア」タブ →「デバイスのインストール設定」
  3. 「いいえ(デバイスが正常に動作しない可能性があります)」を選択 → 保存

【2025年7月報告】スリープ復帰で音が回復する事例

一部環境では、再起動よりもスリープ → 復帰の操作でS/PDIF出力が復活する事例が増えています。特にRealtek USB AudioやASUS製マザーボードで多く報告されています。

一時的な対策として、覚えておくと便利です。

【余談】S/PDIFを使うときの音質向上のコツ

S/PDIFを通じて音楽や映画を高音質で楽しむには、Windows側の設定だけでなく、接続機器やケーブルの選び方も重要です。

  • ケーブル品質の見直し
    安価な光ファイバーケーブルでは、端子部が緩かったりノイズが混入したりすることがあります。フェルール部分がしっかりしたものを選びましょう。

不要なエフェクトの無効化

【手順】

① 画面右下のスピーカーアイコンを右クリック
② サウンド設定」→「サウンドの詳細設定」または「その他のサウンド設定」をクリック
③「再生」タブで「S/PDIF」または「Digital Audio」を選択 
④ サウンドプロパティ 、もしくは「プロパティ」をクリック

⑤「拡張」タブを開き、「すべてのサウンド効果を無効にする」にチェックを入れて「適用」

これにより、Windows側の不要な信号処理がカットされ、外部オーディオ機器本来の音質が再現されやすくなります。

排他モードの活用

「詳細」タブで排他モードを有効にしておくと、WASAPIを利用するアプリ(例:foobar2000など)でより純粋な音声出力が可能になります。

▪️また、意外と見落とされがちなのが、「ミュート状態」や「極端に小さい音量設定」です。S/PDIFでは音声がデジタル伝送されるため、PC側の音量が0になっていても、外部機器に音が届かず“無音”と判断されてしまいます。

再生アプリ(例:VLC、YouTube、Spotifyなど)側でミュートになっていないかも確認しましょう。アプリによっては個別に音量を持っており、OSとは独立して制御されていることがあります。

まとめ|S/PDIFトラブルの3ステップ確認

S/PDIFから音が出ない場合は、以下の3点を重点的に確認しましょう。

  • 出力デバイスの選択
  • ドライバの状態(更新 or ロールバック)
  • 対応フォーマットの設定

これらの設定を見直すことで、多くのトラブルが解消します。

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