Windowsアップデートは、セキュリティの強化や機能改善に欠かせない重要な作業ですが、トラブルの原因になることも少なくありません。
とくに月例の「パッチチューズデー」では、急な不具合に見舞われるケースも多々あります。
そこで、以下のような事前準備をしておくと、スムーズで安心な更新作業が可能になると思い、今回の記事を作成しました。
トラブルを未然に防くための参考にしてください!

パッチチューズデーとは?
「パッチチューズデー(Patch Tuesday)」とは、Microsoftが毎月第2火曜日(日本では水曜日)に定期的に配信するセキュリティ更新プログラムのことです。
この日にあわせて、WindowsやMicrosoft Office、Edgeなどのソフトに対して重要な修正や脆弱性への対応が行われます。特に企業ユーザーや在宅ワーカーにとっては、業務に影響するトラブルを防ぐための大切なタイミングでもあります。
👉 「パッチチューズデー」の仕組みと、ネット遅延への影響と注意点
■ 7月の注目ポイント
1. Windows 11 24H2向けの本格的な修正が始まる可能性
Windows 11の次期バージョン「24H2」に関するアップデートが一部先行配信されています。7月はこの新バージョンへの対応パッチが含まれる可能性があり、互換性トラブルやパフォーマンスの修正などが注目されます。
2. ゼロデイ脆弱性の修正があるか?
6月は実際に悪用されていたゼロデイ(CVE-2025-33053)が含まれていたため、7月も引き続きゼロデイが含まれるかに注目が集まっています。
業務利用中のユーザーは、情報公開後すぐに内容をチェックすることが重要です。
3. ベースライン更新による再起動ありの月
7月はホットパッチ対象PCであっても再起動が必要な「ベースライン」更新のタイミングです。
→ 再起動タイミングを誤ると、作業中にアップデートが始まる可能性もあるので注意が必要です。
4. Defender定義ファイルの不具合再発に注意
6月には「KB2267602」などDefender更新の不具合も報告されていました。7月もDefender関連でエラーが出る可能性があるため、更新後にセキュリティセンターが正常かを確認しましょう。
5. 古いPCや非対応機種でのアップデート失敗に注意
前回(6月)は非対応CPUや旧TPM搭載機でアップデートエラー(例:0x800f0922や0xc1900101)が多数発生。7月も同様のエラーが発生する可能性があるため、事前に空き容量やドライバの更新状況を確認しておくことをおすすめします。

■ 更新の準備はできていますか?
更新前にやっておくと安心な準備は以下のとおりです。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
バックアップ | 重要ファイルは外付けHDDやクラウドに保存し システムの復元ポイントも併せて作成しておくと安心です |
空き容量の確保 | Windows 11 24H2では一時的に20GB以上必要になる場合あり |
再起動のタイミング | 作業に影響しない時間帯に設定しておく |
不具合情報の確認 | Twitter/XやRedditなど海外で先行報告を探すのも有効 |
※補足: 最近では、Windows 11の大型アップデート(24H2など)では、インストール時に通常以上のディスク容量(20GB以上)が必要となることがあります。
また、不具合情報の確認では、Microsoftの公式ブログやサポートページ以外にも、X(旧Twitter)やRedditなど、ユーザーコミュニティでのリアルタイム報告を参考にするのも効果的です。
バックアップについても、外付け保存に加えて、更新前に「システムの復元ポイント」を作成しておくと、問題が起きたときに簡単に元に戻せます。
Windowsアップデートで「途中で止まる」「再起動後にエラーが出る」「ネットに繋がらなくなる」など、予期せぬトラブルが起こることもあります。
特に、ゼロデイ脆弱性の修正など「緊急性の高い更新」が含まれている月は、できるだけ早く・確実にアップデートを終えておくことが推奨されます。
■ 更新方法の手順(Windows 11/10)
- スタートメニュー → 設定
- 「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」
- 最新の更新が表示されたら、「ダウンロードしてインストール」をクリック
- 再起動の案内が出たら指示に従う
⚠️即アップデートを控えた方がよいケース
アップデートは基本的に推奨されていますが、すべての環境で即実行がベストとは限りません。
以下のようなケースに該当する場合は、1〜3日ほど様子を見たり、更新を延期する判断も重要です。
対象者 | 理由 |
---|---|
業務で使っているPCをすぐに止められない人 | 更新後にソフトが動かなくなると仕事に支障が出るため、週末などに延期する方が安全です。 |
専用ソフトを使っている個人・企業ユーザー | 業種ごとの特化ソフト(会計・医療・建設など)は、アップデートにより互換性の不具合が出ることがあります。 |
古いPCや自作PCを使っている人 | 特殊なドライバや構成が原因で更新に失敗しやすく、不具合報告を確認してからの方が安心です。 |
ネット環境が不安定な人 | 更新ファイルのダウンロード中に接続が不安定だと、「0x8024a204」や「再起動ループ」などの深刻な不具合につながるケースがあります。 |
以前のアップデートでトラブルを経験した人 | 同様の不具合が起きる可能性があるため、状況を確認してからの適用が望ましいです。 |
※特にWindows 11 24H2では、ドライバとの互換性やセキュアブートの影響で、アップデート失敗やブルースクリーンの報告が増えています。様子見する判断も重要です。
アップデートを見送った場合の注意点と対策
アップデートを一時的に見送るのは賢明な判断ですが、その間に注意すべきこともあります。
特にゼロデイ脆弱性が含まれている場合は、攻撃対象になるリスクが高まるため、以下の対策を意識しておくことをおすすめします。
安全に見送るための3つのポイント
- 信頼できるセキュリティソフトを最新の状態に保つ
Windows Defenderを含め、ウイルス定義ファイルが最新であるかを確認しましょう。 - 怪しいファイルや不審なリンクには触れない
脆弱性が悪用される入口の多くは、メール添付や偽サイトへのアクセスです。 - 公式フォーラムやMicrosoftの発表を随時チェック
不具合情報や修正パッチの追加情報が出ていないか、定期的に確認しましょう。
- Windows Defenderだけでなく、Microsoft Defender for Endpointを使っている方は、管理ポータルで検出ポリシーが適切かも確認を
- 今月はベースライン月のため、ホットパッチ対応機も再起動が必要になる点に注意」
また、数日後に更新を適用する予定がある方は、念のため
- バックアップの再確認
- Cドライブの空き容量チェック
- 通信環境の安定性(Wi-Fiか有線か)
なども、事前に済ませておくと安心です。
■ よくある質問
Q:更新後に不具合が出るのが心配です…
A:更新前にバックアップを取っておくのが第一です。また、1〜2日様子を見てから適用するという選択肢もあります。
Q:更新が終わらない・進まない時は?
A:「更新プログラムが止まる」「ネットが切れる」などのトラブルは、以下の記事で詳しく対処法を紹介しています。
→【関連記事】
まとめ:7月は特に「緊急性の高い修正」に注意!
Microsoftの7月のアップデートでは、バグ修正だけでなく、ゼロデイ脆弱性が含まれる可能性も高く、特にセキュリティ面の対応が重視される見込みです。
特に以下の方は要注意です。
- オンライン業務を行っている人
- Microsoft 365やAzureを使用している企業ユーザー
- 古いPCや非対応ドライバを使用している環境
7月9日〜10日にかけての更新チェックを忘れずに行いましょう。