
はじめに
Windows 10や11をアップグレードしようとした際に、次のようなエラーが表示されたことはありませんか?
互換性のないアプリケーションが原因で、アップグレードできません。
このエラーは、パソコンにインストールされているアプリケーションやドライバが、新しいWindowsバージョンと互換性がない場合に発生します。
困ったことに、多くの場合 「どのアプリが原因なのか表示されない」 ため、解決に時間がかかることもあります。
本記事では、エラー「0xC1900208」の原因と、実際に解決に役立つ手順をわかりやすく解説します。
エラーコード「0xC1900208」とは?
このエラーは主に 互換性のないアプリケーションやドライバ が存在する場合に表示され、アップグレード処理が中断されます。
代表的な原因となるソフトやドライバには以下のものがあります。
- 古いセキュリティソフト(Avast、McAfeeなど)
- VPNクライアント(CheckPoint VPN、Cisco AnyConnect)
- バックアップソフト(Acronisなど)
- メーカー製PCにプリインストールされた独自アプリやカスタムドライバ
よくある原因
原因 | 詳細説明 |
---|---|
サードパーティ製アンチウイルスソフト | Windows Defenderと競合し、アップデートをブロックすることがある |
古いドライバソフト | プリンタやグラフィックボードなどの古いドライバが互換性問題を引き起こす |
古いバージョンのアプリ | 特定のユーティリティやカスタマイズソフトが新しいOSに対応していない |
不要なスタートアップアプリ | 常駐ソフトが干渉し、アップグレードが中断されることがある |
これらの原因は一見ささいなソフトやドライバでも発生することがあります。
特に古いセキュリティソフトや長期間アップデートしていないドライバは、エラー0xC1900208の代表的な要因です。
まずは現在インストールされているソフトや常駐アプリを見直し、必要のないものをアンインストール、ドライバはメーカー公式サイトから最新バージョンへ更新することをおすすめします。
また、常駐アプリが多い環境では一時的にクリーンブートを行い、不要なソフトを停止させることでアップグレードに成功するケースもあります。
エラー0xC1900208の解決方法(5つの対処法)
対処①:Media Creation Toolでアップグレードを試す
Windows Update経由では原因が表示されないことが多いですが、Media Creation ToolやISOファイルを使うと、互換性のないアプリがポップアップ表示されることがあります。
メリット
- 問題のアプリ名が表示される可能性あり
- Windows Updateより詳細な互換性チェックが可能
手順
- Microsoft公式サイトからMedia Creation Toolをダウンロード
- 実行後「このPCを今すぐアップグレード」を選択
- エラーが出た場合は、表示されたアプリを削除して再試行
対処②:互換性チェックログを確認する
Windowsはアップグレード時にログファイルを生成します。そこから原因を調べる方法です。
確認するファイル
- C:\$WINDOWS.~BT\Sources\Panther\CompatData*.xml
- C:\$WINDOWS.~BT\Sources\Panther\ScanResult.xml
ポイント
- BlockingType=”Hard” と記載がある箇所を探す
- DriverPackage や Appraiser のタグ内に問題のソフト名が記録されている場合がある
対処③:DISMとSFCでシステム修復
システムファイルの破損が原因の場合は以下のコマンドで修復します。
🔧 DISMを使った簡単な修復手順
もし詳しい解説を読む時間がない場合は、次の手順を順に実行してください。
- 「スタート」メニューを右クリック → Windows Terminal(管理者) を選択
- 次のコマンドをコピー&貼り付けて実行
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthsfc /scannow
- 完了後、PCを再起動してアップグレードを再試行
この2行のコマンドで、Windowsのシステム破損が修復されるケースが多く報告されています。
対処④:クリーンブートで不要な常駐アプリを停止
バックグラウンドで動作するアプリが干渉する場合があります。
手順
- 「Win + R」でmsconfigと入力
- 「スタートアップをすべて無効に」+「Microsoft以外のサービスを無効」
- 再起動後にアップグレードを再試行
対処⑤:非互換アプリをアンインストール・最新版へ更新
原因が判明したアプリは、アンインストールまたは最新版へ更新してください。
アンインストール後は、メーカー公式の削除ツールを使うと関連ファイルまで確実に消せます。
よくある非互換アプリ例
非互換アプリ | 備考 |
---|---|
Check Point VPN | 古いバージョンでブロックされるケースが多い |
Acronis True Image | バックアップドライバが干渉することがある |
Canon / Epson の古いプリンタドライバ | 一部モデルで互換性問題が報告 |
無効化しただけのセキュリティソフト | 完全アンインストールが必要な場合あり |
クリーナーソフト | システムファイル改変でアップデート失敗の原因になることがある |
上記に挙げたアプリは、実際にエラー 0xC1900208 の原因として多く報告されているものです。
もしお使いのPCに該当するソフトがインストールされている場合は、まず アンインストール または 最新版への更新 を試してみてください。
また、アンインストール後も残存ファイルや関連ドライバが残っていると、アップグレードが失敗することがあります。その場合はメーカー公式の削除ツールや専用のアンインストーラーを利用すると、より確実に問題を解消できます。
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インストールUSBの作成・バックアップに必須です。迷ったらこの2つから。
【最新補足】Windows 11 24H2 でのアップグレード失敗に関する注意点
Windows 11 バージョン 24H2 にアップグレードしようとした際、「0xC1900208」が発生する原因の一つとして、特定の壁紙/カスタマイズアプリが影響していることが確認されています。具体的には、Wallpaper Engine や Bing 壁紙系のアプリが、安全対策(Safeguard)によってブロックされているケースがあります。
【2025年10月最新】アップデート失敗が続く場合は「クリーンインストール」も検討を
最近、Windows 11 24H2 アップデート以降、アップデート失敗やドライバーの競合が残るケースが増えています。特に「0xC1900208」や「0xC1900101」など、互換性エラーが繰り返し発生する場合、内部設定の断片が原因となっていることがあります。
そのようなときは、単なる再試行ではなく、クリーンインストールで環境をリセットするのが最も確実です。不要なアプリや旧設定を完全に削除し、新しいWindowsを“まっさらな状態”で入れ直すことで、互換性エラーの多くが解消します。
もちろん実行前には必ずバックアップを取りましょう。外付けSSDやUSBメモリ、OneDriveなどを併用すると安全です。
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バックアップと再インストール準備におすすめ
- 外付けSSD(1TB以上) — データ保存・移行用に
- 大容量USBメモリ(16GB以上) — インストールメディア作成に最適
※リンクはアフィリエイトを含みます。クリーンインストール前はデータを二重にバックアップしておくと安心です。
まとめ
エラー 0xC1900208 は、一見難しそうに見えますが、実際には「互換性のないアプリ」や「古いドライバ」が原因のことがほとんどです。Windows 11 へのアップグレードでは、安全性を重視したブロック(Safeguard Hold)が導入されており、ほんの一つの常駐ソフトでも処理が止まることがあります。
まずは、不要なアプリや常駐ソフトを削除し、デバイスドライバを最新版に更新してみましょう。特にセキュリティソフト、VPN、バックアップツールなどは影響が大きいため、一時的にアンインストールすることで成功率が格段に上がります。
それでも解決しない場合は、「クリーンブート」や「クリーンインストール」で環境をリセットするのが最も確実です。不要な設定や旧ドライバを一掃できるため、アップグレードエラーが繰り返される場合でも、ほぼ確実に改善します。
Windows 10 のサポート終了まで残りわずか。アップグレードを安全に進めるためにも、バックアップ・ドライバ更新・不要アプリの整理を習慣にしておくと安心です。焦らず一つずつ確認すれば、きっと次のステップへスムーズに移行できます。
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