Windowsアップデート中に起きる、一部PCで発生中の不具合とその対処法
2025年4月現在、最新のWindowsアップデートを適用した一部のパソコンで、アップデートの途中にフリーズしたり、再起動後にパソコンが立ち上がらなくなるという不具合が複数報告されています。
Microsoftもこの問題を認識し、現在調査を進めているとのことですが、いち早く状況を把握しておきたいという方のために、現時点で考えられる原因と対策をまとめました。
考えられる主な原因

1. 互換性の問題
特定のメーカーや機種で使用されているハードウェアやドライバーと、今回のWindowsアップデートとの間に互換性の問題がある可能性があります。
特にグラフィックやオーディオドライバーなど、システムの中枢に関わる部分で不具合が起こると、起動自体ができなくなることもあります。
2. アップデートファイルの破損
ネットワークの不安定さや途中の中断により、アップデートファイルが正しくダウンロードされなかった場合、システムに深刻な影響を与えることがあります。破損したファイルをもとにインストールが行われると、アップデートが途中で止まる・エラーになるといった問題が起こりがちです。
3. 既存のソフトウェアとの干渉
セキュリティソフトやユーティリティソフトなどがアップデートと干渉し、正常にアップデートが完了しない場合もあります。バックグラウンドで動いているソフトが原因になることもあるため、見落としがちですが要注意です。
4. ディスク容量の不足
アップデートには意外と大きな空き容量が必要です。一時ファイルや旧Windowsのデータがたまっていると、空き容量が不足してインストールに失敗することがあります。
5. BIOS/UEFIとの相性
一部のケースでは、パソコンの基礎部分であるBIOS/UEFIとアップデート処理の間で不具合が起きることもあります。BIOSのバージョンが古いままの場合、アップデートによって想定外の挙動を示すこともあります。
このトラブルによるユーザーへの影響
この不具合が発生すると、PCが起動できなくなり、日常の業務や作業に支障をきたす恐れがあります。また、状況によってはデータの損失につながるリスクもあるため、注意が必要です。
今できる対策
■ フリーズしてもすぐに強制終了しない
アップデート中に動かなくなった場合、焦って電源ボタンを長押ししてしまうと、かえってシステムが壊れる可能性があります。しばらく待ってみるか、ご使用のPCメーカーが公式に発表している対応策に従いましょう。
■ セーフモードでの起動を試す
電源投入時にF8やShiftキーを使って、セーフモードでの起動ができれば「システムの復元」や「前のバージョンに戻す」といった回復手段を試すことができます。
【セーフモードの起動方法】
■ 方法①:Windowsが起動する場合(設定から)
- スタートメニューを開き、「設定(歯車アイコン)」をクリック
- 左メニューから「システム」→「回復」を選択
- 「今すぐ再起動」ボタンがある「PCの起動をカスタマイズする」の欄で[再起動]をクリック
- 青い画面(オプションの選択)が表示されたら、以下の順に選択
→「トラブルシューティング」
→「詳細オプション」
→「スタートアップ設定」
→[再起動] - 起動後、番号が付いたメニューが表示されます
→「4」または「F4」キーを押して「セーフモード」へ
→「5」または「F5」で「ネットワーク付きセーフモード」も可能です
■ 方法②:Windowsが起動しない場合(電源ボタンで強制起動)
※繰り返すことで回復環境を呼び出します。
- 電源ボタンを押してPCを起動し、「Windowsのロゴが表示されたらすぐ電源ボタンを長押しして強制的に電源を切る」
→ これを 3回繰り返します - 3回目の起動時に、「自動修復の準備をしています」という画面が表示されます
- その後「回復」画面に進むので、以下の順に選択
→「詳細オプション」
→「トラブルシューティング」
→「詳細オプション」
→「スタートアップ設定」
→[再起動] - 数字キー「4」または「F4」でセーフモードを起動できます
■ 方法③:インストールメディア(USB)を使う場合
Windowsインストールメディア(USB)をお持ちの場合は、そこからブートし「コンピューターを修復する」を選ぶことで、同様の「スタートアップ設定」に進むことができます。
この3つの方法のいづれかを使って、セーフモードで起動を試してみるのも良いかもしれません。
■ PCメーカーの情報を確認する
NEC、富士通、Lenovoなどのメーカーは、不具合の発生状況や対処法をサポートページに掲載していることが多いです。自分のPCの型番をもとに、最新情報をチェックしておきましょう。
■ データのバックアップを取っておく
今後のアップデートに備えて、重要なデータは外付けHDDやクラウドなどに定期的にバックアップしておくことが非常に大切です。
【パソコンが起動する場合のバックアップ方法】
■ 方法①:USBメモリや外付けHDDにコピーする(最も簡単)
1. 外付けHDDやUSBメモリをパソコンに接続
→ 容量は「保存したいデータ量+余裕」があるものを選びましょう。
(例:写真や動画が多い場合は500GB~1TBの外付けHDDがおすすめ)
2. バックアップしたいデータを探す
以下のフォルダに大事なデータがあることが多いです:
- ドキュメント(C:\Users\ユーザー名\Documents)
- デスクトップ(C:\Users\ユーザー名\Desktop)
- ピクチャ(C:\Users\ユーザー名\Pictures)
- ミュージック、ビデオなど
3. データをコピーして貼り付ける
コピーしたいファイルやフォルダを右クリック→「コピー」
→ 外付けHDDやUSB内で右クリック→「貼り付け」
■ 方法②:Windowsの標準機能「バックアップと復元」を使う
1. スタートボタンをクリックし、「コントロールパネル」と入力
→ 「コントロールパネル」を開く
2. 「システムとセキュリティ」→「バックアップと復元(Windows 7)」をクリック
3. 「バックアップの設定」をクリック
4. 保存先に外付けHDDなどを選択
5. 「自分で選択する」を選び、バックアップしたいフォルダを選択
(または「Windows に任せる」でもOK)
6. 「スケジュール設定」は「今すぐ実行」でも、「毎週○曜日」でも設定可能
7. 「設定を保存してバックアップを開始」ボタンを押せばOK!
【パソコンが起動しない場合のバックアップ】
■ セーフモードや回復モードで起動できた場合
→ 上の方法①と同様に、USBに手動でデータをコピーするのがベストです。
■ 起動できないがデータを救いたい場合の例
- 他のパソコンに接続して、HDDの中身を取り出す(上級者向け)
- データ復旧業者に相談する(費用が高額な場合も)
【ポイント】
- 重要なデータは2箇所以上に保存するのが理想です(例:USB+クラウド)
- 写真・動画・WordやExcelなどの仕事データは必ずバックアップしましょう
- 定期的にバックアップする「習慣」をつけるのが一番の防御です!
今後の見通し
Microsoftからの正式な声明や修正プログラムの提供が待たれる状況です。それまでは、慌ててアップデートを進めず、可能であれば一時的に「更新の一時停止」を設定しておくことも検討してください。
最後に
今回のトラブルは、誰にでも起こりうるものです。正しい知識と冷静な対応で、大切なPCとデータを守りましょう。今後も引き続き、最新情報が入り次第、こちらでお知らせいたします。