Windowsアップグレード中、アプリがアンインストールされる?なぜ起きるのか

Windowsのアップグレード後、「いつも使っていたアプリが消えてしまった…」という声が少なくありません。実際、Windowsアップグレード時には、一部のアプリが自動的にアンインストールされることがあります。

この記事では、その理由と具体的な例、そして事前の対策・復元方法について詳しく解説します。

なぜアプリがアンインストールされるのか?

Windowsアップグレードでは、システムの互換性や安定性を保つために、以下のようなアプリが自動的に削除されることがあります。

● 非互換なアプリ

• アップグレード先のWindowsバージョンと互換性のないアプリは、削除対象になります。

• 例:Windows 11では、32bit専用や古いドライバに依存するソフトが互換性なしと判定される場合があります。

● 古いセキュリティソフトやユーティリティ

• 古いウイルス対策ソフトや、カーネルに深く関与するユーティリティは、アップグレード後に不具合を起こす可能性があるため、自動的に削除されることがあります。

● 不明な発行元のアプリ

• Microsoftが「信頼できない」と判断したサードパーティ製アプリ(特に公開されていない署名なしソフト)は、安全のためにアンインストールされることがあります。

消える可能性がある代表的なアプリ一覧

カテゴリ削除される可能性があるアプリ例主な理由
セキュリティ系古いMcAfee、Norton、未更新のAvast、Comodo FirewallなどWindows Defenderと競合・旧バージョンで非互換
システム管理系CCleaner(旧版)、Advanced SystemCare、古いドライバ更新ツールシステム干渉が強く、互換性・安定性に問題
カスタマイズ系Classic Shell、StartIsBack、Rainmeter(旧版)スタートメニューやUIの変更が原因で不具合発生
仮想ドライブ系Daemon Tools(旧版)、Virtual CloneDrive古いドライバの署名が無効、OSとの互換性問題
バックアップ系Acronis(旧バージョン)、EaseUS Todo Backup(旧版)ドライバ互換性の問題や一部バージョンでの不具合
メディア系一部のDVD再生ソフト、古い音楽プレイヤーコーデックやライセンスの問題
ドライバ系古いプリンタ・スキャナの管理ソフト、Bluetoothユーティリティ新OSとの非互換ドライバが含まれている

Windowsが「削除」判断をする基準とは?

Microsoftは、アップグレード中に以下の項目をチェックし、アプリ削除の判断を下します。

  • システムファイルやレジストリへの深い関与があるか?
  • ドライバが旧式であるか?
  • 既知の互換性問題の記録があるか?
  • セキュリティリスクが報告されていないか?

これらの条件に該当するアプリは、アップグレード後のトラブル防止のために削除されることがあります。

対策:アップグレード前に確認・保存すべきこと

● 互換性チェックを事前に行う

  • 「PC Health Check」ツール や 「Windows 11 インストールアシスタント」 を使って、システムとアプリの互換性をチェックしましょう。

● 必要なアプリはリストアップしておく

  • 削除されても再インストールできるよう、インストーラーやシリアル番号を保管しておくのがおすすめです。

● アプリ設定のバックアップ

  • 一部のアプリでは、設定ファイル(.iniやXMLなど)を個別に保存しておけば、再インストール後に元の状態に戻せます。

アップグレード後にアプリが消えてしまった場合の対応

● 手動での再インストール

  • 多くのアプリは、開発元の公式サイトから再ダウンロードできます。

● バックアップから復元

  • アップグレード前にシステムバックアップや「ファイル履歴」を作成していた場合、そこから復元可能です。

■ ファイル履歴からの復元方法(個別ファイルやフォルダを戻す)

  1. スタートメニューから「コントロールパネル」を開く
  2. 「システムとセキュリティ」→「ファイル履歴」を選択
  3. 左側の「個人用ファイルの復元」をクリック
  4. 復元したい日時を選んで、フォルダやファイルを選択
  5. 「緑色の復元ボタン」をクリックすれば元の場所に復元されます
     → 別の場所に保存したい場合は右クリック→「復元先を選択」を選びます。

■ システムバックアップからの復元方法(PC全体を元に戻す)

※この操作はPC全体を以前の状態に戻すため、アップグレードも巻き戻されます。

  1. 「設定」→「システム」→「回復」を開く
  2. 「PCの起動をカスタマイズする」から「今すぐ再起動」をクリック
  3. 青い画面の「オプション選択」から「トラブルシューティング」→「システムイメージの回復」を選択
  4. 作成していたシステムイメージを選び、指示に従って復元を開始

【補足

  • ファイル履歴は定期的に自動保存されている場合があります(外付けHDDなどが必要)
  • システムバックアップは手動で作成していないと利用できません

● 互換モードの利用

  • 削除されたアプリを再インストールしても動作しない場合は、Windowsの互換モードでインストールすることで動作することもあります。
■ 互換モードでインストール・実行する方法(Windows 10 / 11 共通)

手順1】インストーラーやアプリ本体を右クリック

  • .exeファイル(実行ファイル)を右クリックして「プロパティ」を選択します。

手順2】「互換性」タブを開く

  • プロパティウィンドウの中にある「互換性」タブをクリックします。

手順3】「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェック

  • チェックボックスをオンにすると、プルダウンメニューが表示されます。
  • 例:Windows 7 や Windows 8 を選択すると、その環境をエミュレートして起動できます。

手順4】「適用」→「OK」をクリック

  • 設定を保存したら、改めてその .exe ファイルをダブルクリックして起動してください。
■ 補足:うまく動かない場合の追加設定
  • 「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れると、より安定して動く場合があります。
  • 古いアプリはインストーラー自体が起動しないこともあるため、その場合は仮想マシンで旧OS環境を作る方法も検討しましょう。

この設定をすれば、古いアプリでも新しいWindows環境で動作する可能性があります。ただし、すべてのソフトが確実に動くわけではない点には注意が必要です。

まとめ

Windowsアップグレード中にアプリがアンインストールされるのは、システムの安定性とセキュリティを維持するための措置です。

特に古いユーティリティやドライバ系ソフトは要注意です。アップグレード前に「何が必要で何が不要か」を確認し、万一の備えをしておきましょう。

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