Windows 11を使っていて、毎回サインインのパスワードやPINを入力するのが面倒だと感じることはありませんか?
特に、自分だけが使う自宅PCなら、サインインを省略できればもっと快適に使えますよね。
この記事では、Windows 11でサインインを省略する方法を、メリット・デメリットも含めて、だれでも実践できる手順でわかりやすく解説します。
サインイン省略のメリット・デメリット
まずは、「そもそもなぜサインインを省略したいのか?」という点と、逆にデメリット(リスク)も確認しておきましょう。
サインイン省略のメリット
- 起動時にパスワードやPINを入力する手間がなくなる
- 電源を入れてからデスクトップが表示されるまでがスムーズになる
- すぐに作業を再開できるため、短時間の利用でもストレスが少ない
毎日何度もサインインしている人ほど、「地味だけど効く時短テクニック」になります。
サインイン省略することのデメリット
- セキュリティが下がる(誰でもPCを開ける状態になる)
- ノートPCを盗難・紛失した場合、即座に中身を見られるリスクが高まる
- 家族や他人と共有しているPC・仕事用PCでは原則として非推奨
そのため、この記事で紹介する方法は、「自分専用の自宅PC」「物理的な管理ができるデスクトップPC」向けと考えてください。
自分専用PCでおすすめのサインイン省略手順
ここからは、実際の手順を順番に見ていきます。
【方法1】ローカルアカウントの自動サインイン設定(netplwiz)
Windows 11では、「netplwiz」という古くからあるツールを使って、パスワード入力なしで自動サインインを設定できます。
ただし、バージョンやサインイン方法によって画面に項目が出ない場合もあるため、その対処法もあわせて紹介します。
🔧 手順
1. [Windowsキー] + [R] を押して「ファイル名を指定して実行」を開く
2. netplwiz と入力し、[OK] をクリック
3. 「ユーザーアカウント」ウィンドウが開く
4. 「ユーザーがこのコンピューターを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックを外す
5. [OK] をクリック
6. 自動ログインさせたいユーザーのパスワードを2回入力し、[OK] を押す
7. PCを再起動し、パスワードなしでサインインできるか確認します
💡 これで、電源を入れるだけでデスクトップまで自動で進むようになります。
※PCのメーカーや機種によって、表示の文言や画面レイアウトが少し異なる場合があります。
【2025年11月更新】24H2以降でチェックボックスが消えた場合
Windows 11 24H2 以降では、Microsoftアカウント+Windows Hello(PINなど)でサインインしていると、
「ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックボックスが表示されないケースが増えています。
その場合は、まず Windowsの設定側で「パスワードなしサインインの強制」をオフにする必要があります。
📝 手順
- [設定] を開く([Windowsキー] + [I])
- [アカウント] → [サインイン オプション]
- [追加の設定] の中にある
「セキュリティで推奨されるサインイン方法(パスワードなしサインイン)」
を オフ にする
この設定をオフにしたあとで netplwiz をもう一度開くと、
チェックボックスが再表示される場合があります。
レジストリ編集で自動サインインを有効化する
バージョンや環境によっては、netplwiz が使えない/うまく動かない場合があります。そのときは、レジストリに自動サインインの情報を直接登録する方法もあります。
※ パスワードがレジストリ内に平文で保存されるため、共用PCや持ち歩くノートPCでは非推奨です。あくまで「自分だけが使う自宅PC」向けと考えてください。
【手順】
1. [Windowsキー] + [R] を押して「ファイル名を指定して実行」を開く
2. regedit と入力し、[OK] をクリック(レジストリエディターが開く)
3. 次のキーに移動します
4. 右側の一覧から、次の値を確認・設定します
- DefaultUserName … 自動サインインさせたいユーザー名(アカウント名)を入力
- DefaultPassword … 自動サインインに使うパスワードを入力
(値がない場合は [編集] → [新規] → [文字列値] でDefaultPasswordを作成) - 必要に応じて、DefaultDomainName に PC名やドメイン名を設定(家庭用PCでは空欄でも動作することが多いです)
- AutoAdminLogon … 値を
1に変更
5. レジストリエディターを閉じて PC を再起動します。
うまく設定できていれば、起動時にパスワード入力なしで自動サインインするようになります。
【重要な注意点】
・DefaultPassword に設定したパスワードはレジストリ内に平文で保存されます。
・家族や同僚が簡単に触れられるPCでは、この方法は避けてください。
・設定前に、レジストリのバックアップを取っておくと安心です。
【方法2】Microsoftアカウントの「サインイン要求」をゆるくする
Microsoftアカウントでログインしている場合、完全に「無保護」にするのは難しくなっていますが、サインインを求めるタイミングをゆるくすることで、体感としてはかなり快適にできます。
【 手順 】
- [設定] を開く([Windowsキー] + [I])
- [アカウント] → [サインイン オプション]
- [追加の設定] にある
「PCの非アクティブ時間後に、再度サインインを求める」
の項目を 「しない」 または 「長めの時間」 に変更 - 必要に応じて、顔認証や指紋などのWindows Helloを設定しておくと、ロック解除が一瞬になります
この設定は、「完全な自動ログイン」ではなく「ロック解除を楽にする」イメージです。セキュリティをある程度維持しつつ、ストレスを減らしたい人に向いています。
【注意】PINの削除ができない場合
一部のPCでは、「PIN の削除」がグレーアウトして選べないことがあります。これは、
- Windows Hello を使うことが組織で必須になっている
- 職場アカウント(会社管理のアカウント)で制限されている
- デバイスがドメイン参加 / Entra ID(旧Azure AD)参加している
といった理由によるものです。
その場合は、次のような対応を検討してください。
- サインイン オプションで 「Windows Hello サインインを要求する」 をオフにできるか確認
- ローカルアカウントに切り替えたうえで、自動サインインを設定する(自宅PC向け)
- 会社・学校のPCの場合は、システム管理者に方針を確認(独自ポリシーで制限されている可能性が高いです)
安全に自動サインインするには?
サインインを省略できるようになると、毎日のPC操作がかなり快適になります。一方で、セキュリティをどこまで許容するかを自分で決める必要があります。
✔ 自動サインインが向いている人
- 自分だけが使う自宅のデスクトップPCを使っている
- PCを外に持ち出さない(ノートでも家から出さない)
- 毎回のパスワード入力がストレスで、作業時間を短縮したい
❗ 特に注意が必要なケース
- 家族や他人と共用しているPC
- 会社のPCや、顧客情報など重要データを扱うPC
- ノートPCを外に持ち出すことが多い人
これらのケースでは、自動サインインよりも、「Windows Helloで素早くサインイン」する方向で調整するほうが安全です。
また、設定を行う前に、可能であればレジストリのバックアップやシステムの復元ポイントの作成をしておくと、万が一のときに元へ戻しやすくなります。
[関連記事] 「BitLocker回復キー」の入力を求められたときの対処法よくある質問(FAQ)
Q. ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの違いは?
→ ローカルアカウントは、そのPC内だけで完結する昔ながらのアカウントです。Microsoftアカウントは、OneDriveやMicrosoft Store、設定の同期などと連携できますが、セキュリティ要件が少し厳しめです。
Q. 自動サインインを一時的に止めるには?
→ netplwiz をもう一度開き、「ユーザー名とパスワードの入力が必要」にチェックを入れれば元に戻せます。レジストリで設定した場合は、AutoAdminLogon を 0 にするか、DefaultPassword を削除してください。
Q. 自動サインインはセキュリティ的に大丈夫?
→ 「自宅の固定PC」+「物理的に他人が触れない」という条件なら、ある程度割り切って使われることも多いです。
逆に、ノートPCや仕事用PCではリスクが高いため、Windows Helloで素早くサインインする運用をおすすめします。
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最後に
この記事では、Windows 11でサインインを省略する方法を、ローカルアカウント/Microsoftアカウントの両方の視点から解説しました。
・とにかく楽にしたいなら → 自動サインイン(自宅PC向け)
・セキュリティも重視したいなら → Windows Hello で素早くサインイン
自分の使い方・PCの置かれている環境に合わせて、ちょうどよいバランスを探してみてください。
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