
2025年7月、ついにこの日がやってきました。
世界中のパソコンユーザーが使っているOSのシェアにおいて、Windows 11がWindows 10を初めて上回ったのです。
長年トップの座を守っていたWindows 10。その牙城を破ったのは、意外にも“賛否両論”でスタートしたWindows 11でした。
「へぇ、そうなんだ」で終わらせるのはもったいないニュース。
この記事では、数字の背景や、なぜ今このタイミングで逆転したのか、そして私たちがとるべき行動まで、くどいほど丁寧に読み解いていきます。
【数字で見る】ついに逆転!最新の世界シェア
世界のOSシェアを毎月発表している調査会社「StatCounter」によれば、2025年7月時点でのWindows OSの内訳は以下のようになっています。
- Windows 11:52.0%
- Windows 10:44.59%
- その他(Windows 7など):3.4%前後
ついに、Windows 11が過半数を超えてトップに立ちました。
2021年10月に登場してから約3年。ようやくシェア逆転という大きな節目を迎えた形です。
なぜ今、逆転が起きたのか?
実は、Windows 11がここまで伸びた理由は「自然な人気」だけではありません。
以下のような背景が絡み合っています。
【1】Windows 10のサポート終了が迫っている
2025年10月でWindows 10のサポートは終了します。
残された期間は、あと約1年と数か月。
Microsoftもこのタイミングを意識して、Windows 11への移行を積極的に呼びかけています。
「アップグレードしませんか?」という通知を見かけた方も多いのではないでしょうか。
【2】新しいパソコンはほぼ全てWindows 11搭載
家電量販店やメーカー直販サイトで販売されているパソコンのほとんどが、すでにWindows 11を搭載しています。
つまり、買い替えた人の大半は自動的にWindows 11ユーザーになるという構造です。
【3】ついに法人も動き始めた
これまで様子見だった企業も、「そろそろ移行しないと間に合わない」という空気が広がり、組織単位での導入が進んでいます。
とくに、2024年末〜2025年初頭にかけて大手企業がこぞって移行を始めた影響は大きく、シェアを一気に押し上げる結果となりました。
でも…「乗り換えないとダメ?」と迷う方へ
ここまで読むと、「私もWindows 11にした方がいいのかな…?」と不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
でも、焦る必要はありません。
Windows 10は2025年10月までは安全
セキュリティ更新はそれまで続きますし、突然使えなくなるわけではありません。
とくに、今すぐ作業環境を変えたくない方や、古いアプリが心配な方は、ギリギリまでWindows 10を使う選択もアリです。
移行には「事前準備」がとても大切
Windows 11は見た目も設定もけっこう変わっています。
アップグレード前にやるべきこと(データのバックアップ、互換性確認など)を省略すると、トラブルの原因になります。
これから移行を考えている方は、以下のようなチェックリストを活用しましょう。
【実用コラム】移行前にチェックしておきたい5つのポイント
チェック項目 | 解説 |
---|---|
対応CPUかどうか確認 | Windows 11は対応CPUが限定されています。Intel第8世代以降が目安です。 |
バックアップを取る | アップグレード中の不具合に備えて、ファイルと設定のバックアップをしておきましょう。 |
必要なアプリが動くか調査 | 古いソフトや業務用アプリが非対応な場合があります。事前に公式情報を確認しましょう。 |
TPM2.0とセキュアブートが有効か | Windows 11ではこれらの機能が必須です。BIOS設定で有効になっているか確認しましょう。 |
時間と心の余裕を持って実行 | アップグレードには1~2時間ほどかかることも。時間の余裕がある時に行うのがおすすめです。 |
このように、しっかり準備してから移行することが安心のカギです。
今後どうなる?Windows市場のこれから
◾ Windows 12が見えてきた
2025年末〜2026年には、「Windows 12」のリリースも噂されています。
ただし、これは大幅な変更というより、Windows 11の延長線上にあるとされています。
そのため、いまWindows 11に移行しても無駄にはならないと考えて大丈夫です。
◾ Windows 10の延命制度も登場
2025年10月以降は、セキュリティ更新を有償または無料で延長できる「ESU制度」も発表されています。
詳しくは以下の記事で解説しています。
→Windows 10が無償で1年延長へ!2025年最新ESU制度解説
「Windows 11、まだちょっと不安…」という方へ
ここまで読み進めた方の中には、
「でも、やっぱりWindows 11は評判がイマイチって聞くし…」
「実際に周りでトラブルも起きてるみたいで心配…」
という声もあるかもしれません。
確かに、Windows 11はリリース当初から
「動作が重い」
「UIが使いづらい」
「細かな設定が見つからない」
といった不満も多くありました。とくに、スタートメニューの仕様変更や右クリックメニューの刷新には戸惑ったユーザーも少なくありません。
しかし、2024年以降の大型アップデートを経て、Windows 11の完成度は確実に上がってきています。多くの機能が改善され、操作感も洗練されてきました。いまは“試す価値があるレベル”に十分達しているOSです。
どうしても不安な方は、まずは仮想環境やサブPCなどで試すという選択肢もあります。
また、現在のWindows 10の環境を完全にバックアップしておけば、何か問題が起きた場合にもすぐ元に戻すことができます。
つまり、「やってみるかどうか」の選択肢を持てる時期が、今なのです。
まとめ
数字の裏側には“私たちの行動”がある
「Windows 11が世界シェアで1位に」
たった一行のニュースですが、その裏側には無数のパソコンユーザーの行動や、メーカー、企業の選択が詰まっています。
そしてそれは、これから何を選ぶか、どう動くかを考えるヒントにもなります。
Windows 10からWindows 11への移行。
それは、ただの“アップグレード”ではなく、“時代の切り替わり”かもしれません。
この週末、ちょっとだけそのことを考えてみてもいいかもしれません。
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