
はじめに|Windows Updateのスキャンが終わらない…その原因とは?
最近、Windows 11 バージョン24H2を使用している一部のユーザーから、「更新プログラムの確認が終わらない/応答が返ってこない」といった報告が相次いでいます。
通常であれば数秒~数分で完了するはずのスキャンが、延々と「更新プログラムを確認しています…」のまま止まってしまい、PCの動作や更新管理にも支障をきたすという困った症状です。
この問題は2025年6月下旬現在、Microsoft側でも認識済みの既知の不具合となっており、特定の累積更新プログラム(KB5062324 または KB5058499)を手動で適用することで改善できる可能性があります。
原因|なぜ更新プログラムの確認が停止するのか?
この問題の主な原因は、Windows 11 バージョン24H2へのアップグレード中、または直後のWindows Update関連サービスの不整合にあるとされています。
具体的には
- Windows Update関連のバックグラウンドサービス(WUAUSERV、BITSなど)が正しく動作していない
- Windows Updateのキャッシュが破損しており、確認処理が進まない
- 一部のアップデートが内部的にブロックされている
といった複数の要因が複雑に絡み合って、スキャン処理がフリーズする状態となっているようです。
Microsoftの推奨対策|KB5062324またはKB5058499を手動で適用
マイクロソフトはこの不具合について、次のいずれかの更新プログラムを手動でインストールすることを推奨しています。
- KB5062324(2025年6月公開)
- KB5058499(以前の累積的プレビュー)
これらのパッチを適用することで、Windows Update関連の処理が正常に戻り、スキャンが完了するようになるケースが報告されています。
対処法①|Microsoft Update Catalogから該当KBを手動でダウンロード
【手順】
- Microsoft Update Catalog にアクセスします。
- 検索ボックスに「KB5062324」または「KB5058499」と入力し、検索します。
- 自分の環境に合ったバージョン(例:x64版)を選び、「ダウンロード」ボタンをクリック。
- 表示されたリンクから.msuファイルを保存します。
- ダウンロードが完了したら、ファイルを実行してインストールを開始します。
- PCを再起動します。
Windows Updateが機能しない場合でも、手動インストールは有効です。
また、ダウンロード時は、32bit / 64bit のアーキテクチャに注意してください。
対処法②|Windows Updateトラブルシューティングツールを実行
スキャン停止が改善しない場合は、Windows標準のトラブルシューティングツールを使用して修復を試みることも有効です。
【手順】
- 「設定」→「システム」
- 「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティングツール」へ進みます。
- 「Windows Update」の横にある「実行」ボタンをクリックします。
- 自動的に検出・修復が行われます。完了後は再起動してください。
修復が完了してもキャッシュの破損が残る場合があるため、次の方法(手動キャッシュ削除)も有効です。
対処法③|Windows Updateキャッシュの手動リセット(上級者向け)
根本的な修復を試みる場合は、以下のコマンドを「管理者として実行したコマンドプロンプト」で実行してください。
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
これは「①サービスを止めて → ②キャッシュをリネーム(退避)して → ③サービスを再起動する」流れになっているので、1つずつ順番に連続実行する必要がありますが、まとめて貼り付けて Enter キーを1回で実行してもOKです。
- すべて成功した場合、特にエラーは出ず、「サービスは正常に停止しました/開始されました」と表示されます。
- 「フォルダ名が見つかりません」などの表示が出た場合は、すでに空だったか以前に実行済の可能性があります(その場合も特に問題なしです)。
この操作により、更新プログラムのキャッシュフォルダをリセットできます。
予防策|今後同じ不具合を防ぐには?
このような不具合を未然に防ぐために、次のような予防策が有効です:
- 新しいバージョンへアップグレード後は、早めに累積更新プログラムを適用する
- Windows Updateに異常が見られる場合は、放置せずにすぐ再起動や修復を行う
- 定期的に「ストレージセンサー」で不要な一時ファイルを削除しておく
また、トラブル発生時に備えて、システムの復元ポイントをあらかじめ作成しておくこともおすすめです。
Windows Updateが止まるときに試したい隠れた裏技対処法
もし、累積更新プログラム(KB5062324やKB5058499)を手動インストールしても改善しない場合は、次のような裏技的な方法も試してみてください。
コントロールパネルから「Windows Updateサービス」を手動再起動
一部のユーザーは、「サービス」の画面からWindows Update関連のサービスを再起動するだけで改善したと報告しています。
- Win + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、services.mscと入力
- 「Windows Update」「Background Intelligent Transfer Service(BITS)」の2つを探す
- それぞれ右クリック→「再起動」
これだけでも、スキャン処理が再開される場合があります。
「SoftwareDistribution」フォルダをGUIで手動削除する
コマンド操作に不安がある方は、以下の手順でGUI(エクスプローラー)からキャッシュを削除することも可能です。
- C:\Windows\SoftwareDistribution を開く
- 中のファイル・フォルダをすべて選択して削除(管理者権限が必要な場合あり)
- PCを再起動して、Windows Updateを再度確認
これにより破損したキャッシュが削除され、再スキャンが可能になることがあります。
知っておきたい!Windows Updateが止まるときの「安全な一時停止」
トラブルが起きている最中に、むやみに何度も再試行を繰り返すと、余計にシステム負荷がかかってしまうこともあります。そういう場合は、一時的に以下の方法で「更新の一時停止」を設定することも有効です。
- 「設定」→「Windows Update」→「更新の一時停止」から1週間だけスキャンを止める
- 落ち着いてから再度チェックし、KBを手動で適用する
このように、焦って何度も操作せず一旦落ち着いて対処することも、トラブル回避には重要です。
まとめ
原因または状況 | 対処方法 | 備考 |
---|---|---|
更新プログラムの確認が終わらない | KB5062324 または KB5058499 を手動インストール | Microsoft推奨の修正パッチ |
Windows Update サービスの不具合 | サービス画面から WU・BITS を再起動 | 管理者権限が必要 |
キャッシュ破損の可能性 | SoftwareDistribution フォルダを削除 | 再起動後に再スキャン |
トラブルが解決しない | Windows Update トラブルシューティング実行 | 設定画面からアクセス可 |
再試行のしすぎで悪化 | 更新の一時停止を設定 | 最大1週間まで可能 |
スキャンが止まる時は手動インストールも検討を
Windows 11 バージョン24H2での「更新プログラムの確認が終わらない」不具合は、現在進行形で発生している問題です。スキャンが止まったままでは、セキュリティ更新も適用されず、リスクが高まります。
もし不具合に遭遇した場合は、Microsoftが推奨するKB5062324またはKB5058499の手動インストールをぜひ試してみてください。放置せず、早めの対応をおすすめします。
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