※本記事では、Windows 11 バージョン24H2における「Windows Updateのスキャンが進まない・フリーズする問題」に限定して解説しています。同バージョンでは他にも、入力不具合や仮想マシン、リモート接続などに関する既知の不具合がありますが、それらは本記事の対象外です。

はじめに|Windows Updateのスキャンが終わらない…その原因とは?
Windows 11 バージョン 24H2 で「更新プログラムの確認中から進まない」「Windows Update のスキャンが終わらない」という報告が続いています。通常は数秒〜数分で完了するはずの処理が、延々と “確認しています…” のまま止まるため、更新管理に支障が出るケースがあります。
まだ症状が残る場合は、未適用かキャッシュ不整合の可能性が高いため、本記事の手順で対処してください。
原因|なぜ更新プログラムの確認が停止するのか?
この問題の主な原因は、Windows 11 バージョン24H2へのアップグレード中、または直後のWindows Update関連サービスの不整合にあるとされています。
具体的には
- Windows Update関連のバックグラウンドサービス(wuauserv、BITSなど)が正しく動作していない
- Windows Updateのキャッシュが破損しており、確認処理が進まない
- 一部のアップデートが内部的にブロックされている
といった複数の要因が複雑に絡み合って、スキャン処理がフリーズする状態となっているようです。
Microsoftの推奨対策|KB5062660を手動で適用
マイクロソフトはこの不具合について、次のいずれかの更新プログラムを手動でインストールすることを推奨しています。
これらのパッチを適用することで、Windows Update関連の処理が正常に戻り、スキャンが完了するようになるケースが報告されています。
.24H2 かどうかの確認
設定 → システム → バージョン情報 → Windows の仕様 → バージョン:24H2 であることを確認。24H2 以外の場合、本記事の対象外です。
対処法①|KB5062660 を手動適用(24H2の更新信頼性改善)
まずは 2025/7/22 の累積更新 KB5062660 を手動適用
24H2向けの累積更新で、更新の信頼性や堅牢性の改善(SSU同梱)が含まれています。.msu なら WU が固まっていても適用可能なので、最初に試す価値があります。適用後に再起動→「更新の確認」を再実行してください。
【手順】
- Microsoft Update Catalog にアクセスします。
- 検索ボックスに「KB5062660」と入力し、検索します。
- 自分の環境に合ったバージョン(例:x64版)を選び、「ダウンロード」ボタンをクリック。
- 表示されたリンクから.msuファイルを保存します。
- ダウンロードが完了したら、ファイルを実行してインストールを開始します。
- PCを再起動します。
Windows Updateが機能しない場合でも、手動インストールは有効です。
ダウンロードは アーキテクチャ(x64 / ARM64 等) に合うものを選択してください。適用後は再起動し、再度「更新の確認」を行います。
対処法②|Windows Updateトラブルシューティングツールを実行
スキャン停止が改善しない場合は、Windows標準のトラブルシューティングツールを使用して修復を試みることも有効です。
【手順】
- 「設定」→「システム」
- 「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティングツール」へ進みます。
- 「Windows Update」の横にある「実行」ボタンをクリックします。
- 自動的に検出・修復が行われます。完了後は再起動してください。
修復が完了してもキャッシュの破損が残る場合があるため、次の方法(手動キャッシュ削除)も有効です。
対処法③|Windows Updateキャッシュの手動リセット(上級者向け)
根本的な修復を試みる場合は、以下のコマンドを「管理者として実行したコマンドプロンプト」で実行してください。
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren %windir%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren %windir%\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
推奨は「削除」ではなく リネーム です(復旧が容易)。GUI で実施する場合も、先にサービス停止→削除/リネーム→サービス開始の順で行ってください。
- すべて成功した場合、特にエラーは出ず、「サービスは正常に停止しました/開始されました」と表示されます。
- 「フォルダ名が見つかりません」などの表示が出た場合は、すでに空だったか以前に実行済の可能性があります(その場合も特に問題なしです)。
この操作により、更新プログラムのキャッシュフォルダをリセットできます。
⚠️ 注意: この操作はシステム内部に影響するため、実行前に復元ポイントの作成やバックアップをおすすめします。
予防策|今後同じ不具合を防ぐには?
このような不具合を未然に防ぐために、次のような予防策が有効です。
- 新しいバージョンへアップグレード後は、早めに累積更新プログラムを適用する
- Windows Updateに異常が見られる場合は、放置せずにすぐ再起動や修復を行う
- 定期的に「ストレージセンサー」で不要な一時ファイルを削除しておく
- 更新が進まない場合、VPN/プロキシ/メーター接続 を一時的に無効化して再試行すると改善することがあります。
- 「更新の一時停止」を使って一旦負荷を下げ、KB5062660 の手動適用→再スキャンの順で整えると復旧が早まります。
また、トラブル発生時に備えて、システムの復元ポイントをあらかじめ作成しておくこともおすすめです。
サービス(services.msc)から Windows Update 関連を再起動
もし、累積更新プログラム(KB5062660)を手動インストールしても改善しない場合は、次のような裏技的な方法も試してみてください。
コントロールパネルから「Windows Updateサービス」を手動再起動
一部のユーザーは、「サービス」の画面からWindows Update関連のサービスを再起動するだけで改善したと報告しています。
- Win + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、services.mscと入力
- Windows Update(wuauserv) と Background Intelligent Transfer Service(BITS) を右クリック
- それぞれ右クリック→「再起動」
これだけでも、スキャン処理が再開される場合があります。
※ 本操作は上の「対処法③(キャッシュリセット)」の前段切り分けとして有効です。
■その他の応急対応策(すぐ試せる対処法)
KB5062660 の適用やキャッシュのリセットを行っても改善しない場合は、以下の「軽めの応急処置」も試してみてください。途中で止まったスキャン処理が再開されることがあります。
- ① Windows Updateサービスの再起動
Win + R → services.mscを開き、Windows Update(wuauserv) と BITS(Background Intelligent Transfer Service) を右クリック →「再起動」。 バックグラウンドで止まっている処理が再開し、スキャンが進む場合があります。 - ② SoftwareDistributionフォルダのリセット(簡易版)
コマンド操作が苦手な場合は、以下の順番で「更新データの一時ファイルだけ」を安全にリセットできます:
① services.msc で wuauserv / BITS を停止
②C:\Windows\SoftwareDistributionフォルダを SoftwareDistribution.old にリネーム
③ PCを再起動すると、新しいフォルダが自動生成されます。 - ③ 更新の一時停止 → 再開で負荷をリセット
「設定 → Windows Update → 更新の一時停止」で一度スキャンを止め、再起動後に再開すると処理が正常化するケースがあります。 何度も更新を連打するより安全で、Microsoftも公式に推奨している方法です。
上記はいずれも システムに大きな変更を加えない“安全な応急処置”です。うまくいかない場合は、次の手順(キャッシュ完全リセットや DISM/SFC)に進んでください。
「SoftwareDistribution」フォルダをGUIで手動削除する
※GUI での SoftwareDistribution 操作(安全化)
Win + R → services.msc を開き、wuauserv と BITS を停止
C:\Windows\SoftwareDistribution を開き、中身を 削除 もしくは リネーム
wuauserv / BITS を開始 → 再起動 → 更新の確認
知っておきたい!Windows Updateが止まるときの「安全な一時停止」
トラブルが起きている最中に、むやみに何度も再試行を繰り返すと、余計にシステム負荷がかかってしまうこともあります。そういう場合は、一時的に以下の方法で「更新の一時停止」を設定することも有効です。
- 「設定」→「Windows Update」→「更新の一時停止」から1週間だけスキャンを止める
- 落ち着いてから再度チェックし、KB5062660を手動で適用する
このように、焦って何度も操作せず一旦落ち着いて対処することも、トラブル回避には重要です。
〈2025年11月追記〉最新状況メモ
- 25H2が一般提供(2025/9/30)。本記事は24H2の“スキャン停止”に特化しています。まず [設定]→[システム]→[バージョン情報] で 「バージョン:24H2」 を確認してください。
また、WinREのUSB入力が効かなくなる不具合(KB5066835の影響)は、OOBのKB5070773 で修正済み。復旧系で困っている場合は最新更新を適用してから再試行してください。
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まとめ
| 原因または状況 | 対処方法 | 効果の目安 |
|---|---|---|
| 更新プログラムの確認が終わらない | KB5062660を手動インストール | ★★★(最優先) |
| Windows Update サービス不具合 | WU・BITSを再起動 | ★★ |
| キャッシュ破損 | SoftwareDistribution削除 | ★★★ |
| トラブル未解決 | トラブルシューティング実行 | ★★ |
| 再試行のしすぎ | 更新の一時停止を設定 | ★ |
スキャンが止まる時は手動インストールも検討を
Windows 11 バージョン24H2での「更新プログラムの確認が終わらない」不具合は、現在進行形で発生している問題です。スキャンが止まったままでは、セキュリティ更新も適用されず、リスクが高まります。
問題の根本的な解消には、2025年7月22日以降に配信されたKB5062660のインストールが推奨されます。Windows Updateの画面から「更新の確認」を手動で実行するか、Microsoft Updateカタログからダウンロードしてください。
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