
Caps Lockが勝手にONになるのはなぜ?
「Shiftを押したつもりなのに、全部大文字になってしまった」
「パスワードが通らないと思ったら、Caps LockがONだった」
――誰しも一度は経験があるはず。最近は、「何もしていないのにCaps Lockが勝手にONになる」という相談も増えています。本記事では、主な原因・対策・裏ワザ・再発防止まで、初心者にもわかりやすく解説します。
Caps Lockってそもそも何?
Caps Lock(キャプスロック)は、英字をすべて大文字で入力するためのトグル型キーです。1回押すとON、もう一度押すとOFF。便利な一方で、トグルゆえに「知らないうちにON」になりがちなのが悩みのタネです。
よくある原因と対策
よくある原因をまとめると、物理(キーボード)・接続(BT/USB/リモート)・ソフト(OS/IME/設定)の3系統に分かれます。
原因 | 内容 | 対策 |
---|---|---|
誤操作 | Caps Lockが左小指の近くで押しやすい | PowerToysで無効化 or 別キーへ再割当 |
外付け/BTの状態保持 | 接続復帰時に前回の状態(ON)が復元 | BT再接続・ドライバ更新・専用ユーティリティで無効化 |
リモート接続の同期ズレ | RDP/仮想環境でホストとゲストの状態が不一致 | 双方でCapsを同じに/両側で2回押し・RDP設定見直し |
BIOS/UEFIの初期状態 | 起動時にCapsがON初期化の機種設定 | BIOS設定で初期状態をOFFへ |
Windows側の不具合・IME競合 | 稀に更新/設定で状態が保持される | 更新履歴の確認・ロールバック・IME設定見直し |
物理不良 | キーの戻り不良やチャタリング | オンラインのキーテスト/清掃/キーボード交換 |
特に近年は、外付けキーボード・Bluetooth・リモートワークの利用で「状態の同期ズレ」による誤作動が増えています。まずは簡単な切り分けから始めましょう。
【手順1】Caps Lockを完全に無効化(最も安全:PowerToys)
確実に誤操作を防ぎたい人は、Microsoft公式の無料ツール「PowerToys」がおすすめ。GUIで安全に設定できます。
- Microsoft Storeで「PowerToys」をインストール
- PowerToysを起動 → Keyboard Manager
- Remap a key(キーの再マップ)を開く
- 「+」→ 左にCaps Lock、右にUnassigned/Disableを選択
- 保存して完了(即時反映・環境により再起動)
※「Disable」が見つからない場合は「Unassigned(未割り当て)」を選べば同じ効果です。Caps Lockが反応しなくなります。
【手順2】Caps Lockを別キーに置き換える(Ctrl/Escなど)
多用するショートカットの効率UPに、Caps→CtrlやCaps→Escは定番です(Vim/エディタ作業や開発者に人気)。
- PowerToys → Keyboard Manager → Remap a key
- 「+」→ 左:Caps Lock/右:Ctrl(Left) または Esc
- 保存(即時反映)
左小指の移動が減り、誤押下も解消。疲労軽減にもつながります。
【手順3】レジストリで無効化/再割り当て(上級者向け:正しいScancode Map)
※誤操作は起動不能や入力不能のリスクがあります。必ずバックアップを取り、内容を正確に入力してください。
- Win+R →
regedit
でレジストリエディター起動 HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout
を開く- 右ペインで「バイナリ値」新規作成 → 名前:
Scancode Map
- 以下の値を入力 → 再起動
■ Caps Lockを無効化(Caps=0x3A を「何にも割り当てない」)

■ Caps → 左Ctrlに変更(Ctrl=0x1D)
※Scancode Map
は「ヘッダー(8バイト)→ エントリ数(終端含む)→ マップ(宛先→元)×n → 終端(4バイト0)」という構造です。よくあるミスはバイト数不足と順序(宛先⇄元)逆なのでご注意を。
【手順4】再発を防ぐチェックリスト
- 外付け/BTキーボード:一度電源OFF→再接続/最新ドライバへ更新/メーカーの専用ユーティリティ(Options+、Synapse等)で無効化設定
- リモート/仮想環境:ホスト/ゲスト双方でCaps状態を合わせ、反応が変なら両側でCapsを2回押しして同期。RDPのキー割り当て設定も確認
- BIOS/UEFI:Boot時のCaps初期状態設定がある機種はOFFへ
- IME競合:IMEのショートカット/入力切替を見直し(Capsで入力切替を割り当てていないか)
- 可視化:Caps Lock Indicator/TrayStatus等でタスクトレイ表示→ON/OFFを即確認
【補足】ログイン時のトラブルを防ぐ
- パスワード入力前にCapsを一度押してOFFへ(不安なら目のアイコンで表示確認)
- 反応が怪しいときはShiftを押しながら英字を1文字打って大文字/小文字を確認
トラブルの見きわめ:どこから手を付ける?
- 最短の切り分け:別アプリ/別ユーザー/別キーボード/別端末で再現するか? → 再現範囲で物理/接続/ソフトの層を特定
- 一時しのぎ:PowerToysで即無効化(戻すのも簡単)
- 恒久対策:BTやRDPの同期問題を潰す/レジストリで確実に封印(上級者)
よくある質問(FAQ)
Q. 画面で「Capsの状態」を常時見たい
→ 無料アプリCaps Lock Indicator/TrayStatusでタスクトレイに表示。外付けキーボードのLEDでも確認可能。
Q. ノートPCで勝手にON…壊れてる?
→ 物理不良の可能性も。オンラインのキーテストで押していないのに反応が出るか確認。出るなら修理/交換が確実。
Q. Windowsアップデート後に始まった
→ 既知の不具合や設定の持ち越しが原因のことがあります。更新履歴を確認し、該当パッチの一時アンインストールやドライバのロールバックを検討。
まとめ
- 原因は1つではない:物理/接続/ソフトのどこかで起きる
- 最短解:まずはPowerToysで無効化 or 再割り当て
- 再発防止:BT・RDPの同期、BIOS設定、IME競合を見直す
- 上級者:レジストリの正しいScancode Mapで恒久対策
小さな不具合に見えても、日常のストレスは大きいもの。今日できる対処から始めて、誤操作ゼロの快適環境を手に入れましょう。
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