KB5007651(Windows Security/Microsoft Defender プラットフォーム更新)が何度も表示される“更新ループ”に困っていませんか?
多くは実際の不具合というより、更新キャッシュや履歴の不整合、Defender側の整合性崩れが原因です。本記事では、初心者でも安全にできる順序で、ていねいに解説します。まずは順に試してみてください。
よくある症状

- 「KB5007651」が何度も更新履歴に出てくる
- インストールは成功と表示されるが、次の日にも同じ更新が出現
- Windows Updateの画面が「再起動の必要あり」で止まる
- Windowsセキュリティが「アプリに問題があります」と表示
原因は?なぜこのような不具合が起こるのか
原因 | 内容 |
---|---|
サービスの不具合 | Windows Security Platform に一時的なバグがあることで、更新が繰り返されることがあります。 |
更新の整合性エラー | レジストリや更新履歴の情報に不整合があると、正常に更新されたと認識されず再実行されることがあります。 |
ファイル破損 | セキュリティ関連の構成ファイルが破損していると、更新が毎回失敗または未完了になるケースがあります。 |
キャッシュ残存 | 更新キャッシュが残っていることで、インストール済みであっても「未インストール」と誤認識されることがあります。 |
この更新ループは、一見すると「更新が壊れているのでは?」と不安になりますが、ほとんどの場合はキャッシュや履歴の不整合が原因です。つまり、実際の更新自体が壊れているわけではなく、システム側で「未適用」と誤認識してしまっているケースが多いのです。
特に KB5007651 は Microsoft Defender(Windows セキュリティ)のプラットフォーム更新に関わるため、通常の品質更新とは挙動が異なります。インストールは終わっていても、履歴や表示上では繰り返し出てしまうことがあります。
放置すると更新の再試行でシステムに負荷がかかることもあるため、この記事で紹介するキャッシュ削除・再登録・手動修復といった手順を実行して、挙動をリセットしてあげることが大切です。
対処法①:更新履歴のキャッシュをクリアする
- 管理者としてコマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを順に入力
これで更新のキャッシュがクリアされ、再取得が正しく行われます。ただし、この手順を行うと次回のWindows Updateチェックに時間がかかる場合があります。 再起動後は少し時間を置いて動作を確認してください。
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対処法②:PowerShellで更新の強制削除と再適用
- PowerShellを管理者として起動
- 以下のコマンドで「KB5007651」の状態を確認
存在すれば削除(非表示)する
※念のため、バックアップを取ってから実行しましょう。
対処法③:Microsoft公式修復ツール「SetupDiag」を使う
Microsoft公式の「SetupDiag」は、更新失敗の詳細ログを解析してくれます。
【裏技】Windows Securityの再登録
「Windows セキュリティ プラットフォーム」に何らかの構成異常がある場合、再登録によって解決することがあります。
- PowerShell(管理者)で以下を入力
Windows Security (SecHealthUI) の再登録
$manifest = (Get-AppxPackage Microsoft.SecHealthUI -AllUsers).InstallLocation + ‘\AppxManifest.xml’
Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register $manifest
実行後は「Windows セキュリティ」を開き、保護の状態が「有効」になっていることを必ず確認してください。もし「オフ」のままになっている場合は、再起動後に再度登録を試みましょう。
【さらに詳しく】KB5007651が何度も出るときの追加対策
基本的なキャッシュ削除やPowerShell操作で解決しない場合は、以下のような追加の対処法も検討してみてください。少し専門的になりますが、効果のある手順です。
1. Windows Updateコンポーネントの完全リセット
Windows Updateの仕組みそのものがうまく機能していない場合、以下の手順で更新コンポーネントをリセットすることで改善することがあります。
【手順】
- 管理者としてコマンドプロンプトを開きます
- 以下のコマンドを順に実行
- エクスプローラーで C:\Windows\SoftwareDistribution\Download フォルダを開き、中身をすべて削除します(フォルダ自体は削除しないでください)
- 再びコマンドプロンプトで以下を実行
これで、Windows Update関連のキャッシュが一新されます。
2. .NET Frameworkの修復
KB5007651はDefender(Windows Security プラットフォーム)更新です。従来のwusaアンインストールが効かない場合は、Defenderのプラットフォーム/定義のクリーン再取得が有効です(公式コマンド)。PowerShell(管理者)で
& “${env:ProgramFiles}\Windows Defender\MpCmdRun.exe” -RemoveDefinitions -All
& “${env:ProgramFiles}\Windows Defender\MpCmdRun.exe” -ResetPlatform
& “${env:ProgramFiles}\Windows Defender\MpCmdRun.exe” -SignatureUpdate -MMPC
状態確認
Get-MpComputerStatus | Select AMProductVersion, AntispywareSignatureVersion, NISEngineVersion
補足:wusa /uninstallは「Defenderプラットフォーム更新」に対しては一覧表示されないことが多く、アンインストール不可のケースが一般的です。ループ対応は上記のリセット→再更新が安全です。
※上記リンク先が開けない場合は、Microsoft公式サイトで「.NET Framework 修復ツール」と検索してください。配布ページが変更されることがあります。
3. 問題のある更新を一時的に非表示にする
更新プログラムのエラーが繰り返される場合、「一時的に非表示」にすることでインストールを回避できます。
以下のツールを使って「KB5007651」を非表示設定にできます。
↑いきなりダウンロードページに飛びます。安全性は確認されているようですが、心配な方はMicrosoft公式から「wushowhide.diagcab」と検索してダウンロードしてください。
※ wushowhideが入手できない場合は、PowerShellの PSWindowsUpdate
モジュールでも同等の「非表示」が可能です。
注意:この方法は根本的な解決ではなく応急処置です。いずれは再表示される可能性があります。
4. Windowsの修復インストール
どうしても解決しない場合は、上書きインストール(修復インストール)を行う方法があります。
個人データやアプリを保持したまま、Windowsシステムのみをリフレッシュできます。
- 使用ツール:Windows 11 または 10 のメディア作成ツール
- 修復インストールの詳しい手順
Microsoft サポート – 修復インストールの方法
5. ドライバやハードウェアの互換性をチェック
KB5007651が繰り返される原因として、お使いのPCのドライバが最新のWindowsアップデートに非対応な場合もあります。
以下の対策を検討してみましょう。
- デバイスマネージャーを開いて、ドライバに警告マークがないか確認
- PCメーカーの公式サイトから最新のチップセットやLANドライバを入手して更新
- BIOS/UEFIが古い場合はアップデートの確認(注意して実施)
補足:これらを行う前に…
どの手順も、システムに影響を与える可能性がある操作です。必ず復元ポイントやバックアップを取ってから試すようにしましょう。
修復インストールや、公式ツールの作業には、安定したネット環境とUSBメディアが必要です。
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再発を防ぐには?
- 更新完了後は必ず再起動を実施
- 「ストレージセンサー」などで不要ファイルを定期的に削除
- Windows Updateの品質更新を一時停止(7日)して様子を見る
更新ループを再発させないためにできること
いったんトラブルを解決できても、環境によっては数か月後に同様の問題が再発するケースもあります。以下のような対策を習慣づけておくと、同じトラブルを未然に防ぐことができます。
- Windows Updateは定期的に実施し、指示された再起動を必ず行う
- 「ストレージセンサー」をオンにして、一時ファイルを自動的に削除する
- オプションの更新プログラムやドライバも定期的に確認・適用する
- 大きな更新の前には、復元ポイントを手動で作成しておく
特に「復元ポイント」は、問題が起きたときにすぐ元の状態に戻せる強力な保険です。習慣として取り入れておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. アップデートを非表示にできますか?
A. 「wushowhide.diagcab」というMicrosoftのツールを使うことで一時的に非表示にできます。
Q. セキュリティに問題はないの?
A. 今回のバグは表示や重複更新に関するもので、実際のセキュリティ機能が停止するわけではありません。ただし、更新が正常に完了しないまま放置すると脆弱性が残る可能性があります。
更新プログラムの繰り返しインストール」は、見た目は地味な不具合でも、放置しておくとシステムの動作に影響を及ぼす可能性があります。とはいえ、すぐに重大なエラーになるわけではないため、まずはこの記事で紹介した手順を、ひとつずつ落ち着いて試してみてください。
手動でのキャッシュ削除やPowerShellの操作が不安な方は、Windowsの復元ポイントを作成してから行うことで、万が一の際も元に戻せるようにしておくと安心です。
どの方法でも改善しない場合は、Microsoft公式サポートに問い合わせるか、更新プログラム自体の修正を待つという選択肢もあります。無理に操作せず、ご自身のスキルに合った範囲で対応していきましょう。
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更新トラブルに備えるなら、データ保護を最優先に
KB5007651のような更新ループに備えるには、万一に備えたバックアップが安心です。
外付けSSDや大容量USBメモリがあれば、システム復旧や大事なデータ保護に役立ちます。
まとめ
KB5007651の“更新ループ”は珍しくありません。 多くは更新キャッシュや履歴、Defenderプラットフォームの整合性崩れが原因です。あわてずに、次の順番で対処すれば高確率で解消できます。
- 更新キャッシュの初期化
SoftwareDistribution/catroot2をリセット → 再起動。 - Defenderのリセットと再取得
MpCmdRun.exe
で RemoveDefinitions → ResetPlatform → SignatureUpdate を実行し、Get-MpComputerStatus
で状態確認。 - Windows Security(SecHealthUI)の再登録
PowerShell(管理者)で SecHealthUI を再登録 → Windows セキュリティを開き、保護の状態を確認。 - それでも直らなければ
一時的な非表示(応急処置)、または修復インストール(インプレースアップグレード)を検討。作業前には復元ポイントとバックアップを必ず作成。
最後に、更新が通ったあとは 再起動の実施/セキュリティ機能(メモリ整合性等)の再有効化 を忘れずに。今後の再発防止として、ストレージセンサーでの定期クリーンアップと、オプション更新・ドライバの定期確認も有効です。
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