Windowsのセキュリティ更新プログラム「KB5007651(バージョン 10.0.27840.1000)」をインストールしたにもかかわらず、何度も同じ更新を求められるというトラブルが多く報告されています。
この記事では、この更新ループの原因と具体的な対処法を、初心者にもわかりやすく解説します。
よくある症状

- 「KB5007651」が何度も更新履歴に出てくる
- インストールは成功と表示されるが、次の日にも同じ更新が出現
- Windows Updateの画面が「再起動の必要あり」で止まる
- Windowsセキュリティが「アプリに問題があります」と表示
原因は?なぜこのような不具合が起こるのか
原因 | 内容 |
---|---|
サービスの不具合 | Windows Security Platform に一時的なバグがあることで、更新が繰り返されることがあります。 |
更新の整合性エラー | レジストリや更新履歴の情報に不整合があると、正常に更新されたと認識されず再実行されることがあります。 |
ファイル破損 | セキュリティ関連の構成ファイルが破損していると、更新が毎回失敗または未完了になるケースがあります。 |
キャッシュ残存 | 更新キャッシュが残っていることで、インストール済みであっても「未インストール」と誤認識されることがあります。 |
上記のように、システムが正しく更新を認識していないことが主な原因です。
対処法①:更新履歴のキャッシュをクリアする
- 管理者としてコマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを順に入力
これで更新のキャッシュがクリアされ、再取得が正しく行われます。
対処法②:PowerShellで更新の強制削除と再適用
- PowerShellを管理者として起動
- 以下のコマンドで「KB5007651」の状態を確認
存在すれば削除(非表示)する
※念のため、バックアップを取ってから実行しましょう。
対処法③:Microsoft公式修復ツール「SetupDiag」を使う
Microsoft公式の「SetupDiag」は、更新失敗の詳細ログを解析してくれます。
【裏技】Windows Securityの再登録
「Windows セキュリティ プラットフォーム」に何らかの構成異常がある場合、再登録によって解決することがあります。
- PowerShell(管理者)で以下を入力
【さらに詳しく】KB5007651が何度も出るときの追加対策
基本的なキャッシュ削除やPowerShell操作で解決しない場合は、以下のような追加の対処法も検討してみてください。少し専門的になりますが、効果のある手順です。
1. Windows Updateコンポーネントの完全リセット
Windows Updateの仕組みそのものがうまく機能していない場合、以下の手順で更新コンポーネントをリセットすることで改善することがあります。
【手順】
- 管理者としてコマンドプロンプトを開きます
- 以下のコマンドを順に実行
- エクスプローラーで C:\Windows\SoftwareDistribution\Download フォルダを開き、中身をすべて削除します(フォルダ自体は削除しないでください)
- 再びコマンドプロンプトで以下を実行
これで、Windows Update関連のキャッシュが一新されます。
2. .NET Frameworkの修復
KB5007651が適用される背景には、.NET Frameworkの更新が関係しているケースもあります。
もし .NET Framework 3.5 や 4.8.1 の更新が失敗している場合、Microsoft公式の修復ツールを使用することで問題が解決する可能性があります。
3. 問題のある更新を一時的に非表示にする
更新プログラムのエラーが繰り返される場合、「一時的に非表示」にすることでインストールを回避できます。
以下のツールを使って「KB5007651」を非表示設定にできます。
↑いきなりダウンロードページに飛びます。安全性は確認されているようですが、心配な方はMicrosoft公式から「wushowhide.diagcab」と検索してダウンロードしてください。
(ただ・・公式からでもこのダウンロードになかなか飛べないんですよね・・)
注意:この方法は根本的な解決ではなく応急処置です。いずれは再表示される可能性があります。
4. Windowsの修復インストール
どうしても解決しない場合は、上書きインストール(修復インストール)を行う方法があります。
個人データやアプリを保持したまま、Windowsシステムのみをリフレッシュできます。
- 使用ツール:Windows 11 または 10 のメディア作成ツール
- 修復インストールの詳しい手順
Microsoft サポート – 修復インストールの方法
5. ドライバやハードウェアの互換性をチェック
KB5007651が繰り返される原因として、お使いのPCのドライバが最新のWindowsアップデートに非対応な場合もあります。
以下の対策を検討してみましょう。
- デバイスマネージャーを開いて、ドライバに警告マークがないか確認
- PCメーカーの公式サイトから最新のチップセットやLANドライバを入手して更新
- BIOS/UEFIが古い場合はアップデートの確認(注意して実施)
補足:これらを行う前に…
どの手順も、システムに影響を与える可能性がある操作です。必ず復元ポイントやバックアップを取ってから試すようにしましょう。
再発を防ぐには?
- 更新完了後は必ず再起動を実施
- 「ストレージセンサー」などで不要ファイルを定期的に削除
- Windows Updateの品質更新を一時停止(7日)して様子を見る
よくある質問(FAQ)
Q. アップデートを非表示にできますか?
A. 「wushowhide.diagcab」というMicrosoftのツールを使うことで一時的に非表示にできます。
Q. セキュリティに問題はないの?
A. 今回のバグは表示や重複更新に関するもので、実際のセキュリティ機能が停止するわけではありません。ただし、更新が正常に完了しないまま放置すると脆弱性が残る可能性があります。
更新プログラムの繰り返しインストール」は、見た目は地味な不具合でも、放置しておくとシステムの動作に影響を及ぼす可能性があります。とはいえ、すぐに重大なエラーになるわけではないため、まずはこの記事で紹介した手順を、ひとつずつ落ち着いて試してみてください。
手動でのキャッシュ削除やPowerShellの操作が不安な方は、Windowsの復元ポイントを作成してから行うことで、万が一の際も元に戻せるようにしておくと安心です。
どの方法でも改善しない場合は、Microsoft公式サポートに問い合わせるか、更新プログラム自体の修正を待つという選択肢もあります。無理に操作せず、ご自身のスキルに合った範囲で対応していきましょう。
まとめ
何度も表示される「KB5007651」は放置せず対応を
Windowsセキュリティの更新プログラム「KB5007651」が何度も繰り返し表示される現象は、多くのユーザーが直面しているトラブルです。
この問題は、単なる表示の不具合ではなく、更新が正しく適用されていない可能性もあるため、放置するとセキュリティ上のリスクを抱えることになります。
記事内で紹介したように、まずはWindows Updateのキャッシュを手動で削除することが基本の対処法です。それでも解消しない場合は、PowerShellによる手動アンインストールや再登録の手順を試してみてください。
一時的に非表示にする方法もありますが、それはあくまで応急処置であり、根本的な解決にはなりません。
Windowsは今後も定期的にアップデートが提供されます。繰り返し起こる更新ループに対処できるように、この記事で紹介した方法をひとつひとつ試しながら、ご自身の環境に合った解決策を見つけてみてください。
特に、初心者の方はバックアップを取りながら慎重に操作することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
安全で快適なWindows環境を維持するために、今回のようなセキュリティ更新ループにも柔軟に対応できる知識を身につけておくことが大切です。
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