
最近「Microsoft 障害」という検索が増えています。Outlookが開かない、Teamsの通話が途切れる、SharePointやOneDriveが重い——そんなときに大切なのは、いま本当に“広域の障害”なのか、それとも自分の環境だけの問題なのかを素早く見分けることです。この記事では、公式の確認先と自分でできる切り分け・応急対処を、手順つきでわかりやすくご案内します。
まずは落ち着いて、下の「3分チェック」からお試しください。
いま障害? まず3分チェック(ブックマーク推奨)
Microsoft 365(Outlook/Teams など)の全体状況を確認
一般公開のサービス正常性ページまたは管理センターの「サービス正常性」で、いま起きている既知のインシデントかどうかを確認します。管理センターでは自テナントへの影響範囲や対応状況が詳細に掲示されます。
ネットワーク健全性を確認
ブラウザーで「Microsoft 365 ネットワーク接続テスト(https://connectivity.m365.cloud.microsoft)」を実行し、地域・回線の遅延やボトルネックがないかを見ます(レポートは共有も可能)。
Azure(PaaS/IaaS利用時)のリージョン状況を確認
グローバルなAzureステータス/リージョン別の状況(広域インシデントのみ掲載)を確認します。より詳しい自分用の通知はAzureポータルの「Service Health」で受け取れます。
補足:Microsoft公式X(@MSFT365Status)でも、主要インシデントの要点が告知されます(詳細は管理センター参照の誘導付き)。普段からフォローしておくと把握が早まります。
X (formerly Twitter)
公式ページの見方
Microsoft 365:サービス正常性(管理センター)
管理者アカウントでサインインし、[ヘルス]→[サービス正常性]へ。対象サービス(Exchange Online、Teams、SharePoint、OneDriveなど)ごとに状態とアクティブな事象(ID: MO/EX/TE…)が並びます。影響範囲・暫定回避策・次回更新予定など、現場に必要な情報が時系列で追記されます。「いま既知かどうか」をまずここで確認しましょう。
Microsoft 365:ネットワーク接続テスト
Microsoft 365 ネットワーク接続テスト(https://connectivity.m365.cloud.microsoft/)で現在地とMicrosoftネットワークまでの経路品質をテストできます。Teams/Exchange/SharePointなど主要エンドポイントへの到達状況や推奨改善点が出ます。社外からの在宅勤務やホテル回線での切り分けに便利です。
Azure:ステータス/Service Health
Azure Statusは「広域インシデント」の速報掲示板です。自分のサブスクリプションに紐づく個別の影響・メンテ情報・RCA(事後報告)は、AzureポータルのService Healthで通知登録しておくのがおすすめです。
自分側でできる切り分け
サインイン差し替え
個人アカウント/会社アカウントで挙動が変わるか。テナント依存の問題切り分けに有効です。
回線差し替え
自宅Wi-Fi → スマホテザリング → 別事業者と順に試し、回線起因かどうかを切り分けます。
この手順はあくまで「一時的な確認」で、恒久対策ではありません。プロキシや VPN を利用している場合は、管理者の指示に従って影響を疑います。
ネットワーク診断の実測結果と合わせて判断すると確度が上がります。
端末差し替え
同一アカウントで別PC/スマホでも症状が出るか。端末固有の問題ならローカル対処が有効です。
描画リセット
Windowsでは Win+Ctrl+Shift+B を押すと、画面表示(GPU描画)が一時的に再初期化されます。Outlook や Teams で「画面が真っ白になる」「表示が崩れる」といった 表示系の不具合 が起きている場合に、改善することがあります。
ただし、クラウド側の障害やアカウント不具合を解決するものではないため、効果がない場合は再サインインや更新確認など、他の対処と併せて行ってください。
時間帯をメモ
発生時刻と操作内容をメモしておくと、管理センターの更新内容と突き合わせやすくなり、社内共有もスムーズです。
よくある“誤判定”を避けるコツ
ダウン情報サイトの数だけで判断しない
ユーザー投稿カウントは局所的な通信障害でも跳ね上がります。公式のサービス正常性やAzure Statusと自分の接続テストの三点で整合を取るのが安全です。
プロファイル破損・キャッシュ肥大
Outlookプロファイルの再作成やTeamsのサインアウト→キャッシュクリアで直るケースもあります。公式の“既知の事象”に該当しないときは、基本のローカル対処も検討しましょう。
直近の主な事例(更新のしかた見本)
・(参考)過去にも Microsoft 365 では、Outlook/Teams など複数サービスにまたがる広域障害が発生したことがあります。原因の説明や復旧の手順は、管理センターの「サービス正常性」や公式発信で順次アップデートされるため、障害時はそこを一次情報として確認するのが最短です。
業務影響を減らす準備(平時にやっておくこと)
通知の整備
Microsoft 365 管理センターの「サービス正常性」アラート、Azure Service Healthのアラートをメール/Teamsへ通知。Xの@MSFT365Statusもフォロー。
代替ルートの確保
メールはモバイル回線のOutlookアプリ、会議はTeams→電話ダイヤルインや別会議サービスへ切替える手順を運用手順書に1ページで用意。
ネットワークの見直し
会社の VPN 設定によっては、Microsoft 365 の通信が遠回りになり、「遅い」「つながりにくい」と感じることがあります。こうした場合、ネットワーク設計を見直すことで改善するケースもあります。
役割分担の明確化
情報収集(公式/ベンダー)・社内告知・暫定回避・復旧後レビュー(RCA確認)の担当を決めておくと、いざというときの初動が速くなります。Azureは過去インシデントのPIR/RCAも公開されます。
困ったときの“すぐ効く”応急処置
①Teams/Outlookが真っ白・固まる
まずはサインアウト→再サインインやキャッシュ削除といった基本操作を行います。
それでも画面表示が崩れる場合のみ、Win+Ctrl+Shift+B を押して表示を一度リセットしてみてください。
② Outlook/Exchangeで同期しない
Web版(Outlook on the web)で代替し、クライアントはプロファイル新規作成やアカウント再追加を検討。管理センターに既知の事象が出ていないか再確認します。
③ SharePoint/OneDriveが遅い
接続テストで地域の遅延を確認し、別回線で暫定運用。企業内ならネットワーク管理者へテスト結果を共有します。
まとめ:公式確認+自分の切り分けで、慌てず最短ルートへ
Microsoftのサービスは巨大で、クラウド側の広域インシデントもあれば、自分の回線や端末が原因ということも少なくありません。まずは
(1) Microsoft 365のサービス正常性/ネットワーク接続テスト
(2) Azureステータス(利用時)を確認し
(3) サインイン・回線・端末の差し替え
で切り分けてみてください。必要に応じて、管理センターの更新や公式Xを追うことで、状況の把握と社内案内が格段に楽になります。
このガイドをブックマークしておけば、次に不調が起きたときも、3分で「どこで何が起きているか」の当たりを付けられるはずです。
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