乳がん検診で要精密検査になった話・その②・はじめてのMRI

乳がん検診で乳腺のう胞の中に腫瘍が見つかり、要精密検査になった話の続きです。

 

「より明確に腫瘍の場所を特定するため」

私は、細胞診とマンモグラフィーをする前にMRI検査をする事になりました。より明確に腫瘍の位置を特定する為のMRI検査という事らしいのですが、私は今までMRIの経験がありません。「MRI自体、初めての経験なので・・」と先生に言うと、丁寧に説明して下さいました。

被爆を受けないMRI検査

私は、MRIはレントゲンと同じ放射線だと思っていました。しかし先生からの説明で『MRIは大きな磁石による“ 強い磁場”とFMラジオに使われているような“電波”を使って画像を撮るため、放射線による被ばくがなく安心だ』と言うことを知りました。また、

・撮影時間は約30分かかる

・造影剤を入れながら撮影する

と言うことを聞き、わずかな不安を覚えつつ、会計を済ませ病院を後にしました。この時の料金は2,660円でした。(初診料、診察、触診、エコー)


MRI検査当日

月曜日は、4時間前から絶食という事だったので、朝から何も食べず水分だけ少し摂りつつ、MRIに挑むことにしました。

予定より10分前に病院に着くと、すぐに呼ばれ、担当の先生から細かい説明と確認事項をいくつか質問されました。一連の説明の後、承諾書に署名し着替える事に。

若い男性看護師さんに連れられ、更衣室に案内されました。更衣室では指定された衣服に着替え、金属などはロッカーに入れ、とりあえずメガネだけつけて点滴の部屋へ通されました。

「どちらの腕がいいですか?」

「どちらでも大丈夫です。針を入れやすい方でお願いします」

と言うと、看護婦さんは私の両腕を見て、右腕に刺すことにしました。何か柔らかい針だそうで、最初少しチクっとしただけで、あとは大丈夫でした。

若い看護婦さんが指導員さんに教えてもらいながらだったので、針を刺してから私の腕に貼るテープが、自分の指に絡みついて焦っていました。(あんなにみんなに見られると、誰でも緊張するよーと思って見ていました)

その後、『点滴は生理食塩水だ』ということと、『途中でバイエル社のガドビストという薬剤を入れる』と説明されました。

そして、いよいよMRI検査室に入ることになりました。

まず、入口でメガネを外したため、周りは見えませんでした。看護婦さん3名が、私に付き添ってくださっていました。

私は乳房のMRIなので、ベットにうつ伏せになり、両腕を上にあげた状態でセットされました。

「これで15分撮影して、途中薬剤を入れに看護師が入って来ます。そのあと、また15分撮影します」と言って、手早く私の耳にイヤホンを付け、左手に丸い緊急ブザーを持たせて、看護師さんや医師は外に出て行きました。

すると、すぐさま大爆音が耳元で響き渡りました。

ガガガ バババ バリバリバリ ガーッ

私は心の中で『これで30分、キツいわー』と呟きました。


うつ伏せ+腕をあげたままの状態なので、次第に胸元が苦しくなってきました。

『やばいかも、咳が出ちゃうかも』と感じつつ耐えられるだけ耐えよう!と意識を他に移してみるものの、なかなかうまくいきません。

おまけに胸のあたりにある物体が、ちょうど肋骨の下を押していて、体勢もキツくなってきました。

しかし『みんな、これしてるんよね・・』と思うと、自分だけ弱音を吐くわけにはいかないと根性を発動し、ただただ耐え続けました。その時、少しだけ面白かったのは、イヤホンから聞こえて来る(ただのリズム音なのですが)ズンチャ、ズンチャ、という音でした。やたら軽快で、その場の嫌な事とは真逆のリズムだったので、かなり愉快に感じました。


長い長い15分が過ぎ、看護師さんが中に入ってきました。

「薬剤を入れますね。苦しくなったらブザー押して下さい」

と言うと同時に、冷たいものが体内に入ってくる感覚がありました。そして再びガガガーと大爆音が頭元で鳴響き『撮影が再開したんだな』という事がわかりました。

薬剤を入れてすぐに、喉に何かが溜まってきました。おそらく薬剤でしょう。(私は橋本病なので、そのせいかもしれません)喉が一気に熱くなって、むせてしまう感覚でしたが必死に耐えました。(耐える必要は無かったかもしれません)

私は「1、2、3・・・」と数字を数えることにしました。80を数えた頃、だんだんと甲状腺に溜まっていた何かが流れ始めました。点滴の生理食塩水が流してくれたのかもしれません。

しかし、今度はお腹が痛くなって下痢のような痛みになってきました。

「今度こそダメかも・・」

と思ったのですが、イヤホンから聞こえる愉快なズンチャ、ズンチャに合わせて、再び数字を数え始めました。何度も『もう無理、もう無理』と思いつつ、弱い私と戦った末

「終わりましたよー」の声が。本当に『助かった』と心の底から思いました。

看護師さんに両腕を抱えられながら立ち上がると、痺れて感覚がありませんでした。お腹の痛みもありました。看護婦さんにその症状を告げると、別室で説明を受けることになりました。

・発疹 ・かゆみ ・気持ちが悪い ・めまい ・胸が苦しい が続く場合、連絡下さい
・夜間、急変した時などは躊躇わず救急車を呼んでこの紙を渡して下さい(と一通の紙を渡されました)
しかし検査薬は尿から排泄されるので徐々に症状は落ち着いてきます
と説明を受け、その日は終了しました。MRIの料金は10,800円。即支払って、私はトイレに駆け込みました。思いっきり下痢でした。
 
続く
 
 
 
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