〜復元点の作成・空き容量の確保・ドライバの控えで“いつでも戻せる”安心を整えます〜

月例のWindows更新は安全性や安定性を高めてくれますが、まれにトラブルが起きることがあります。更新前に復元点を作成しておくこと、十分な空き容量を確保しておくこと、そしてドライバの控えを残しておくことで、万一の場合でもすぐ元の状態に戻せます。この記事では、3連休中に10〜30分でできる準備をやさしく解説していきます。
1. 復元点(システムの保護)を作成
システムの保護が有効なら、更新後に不具合が出たとき数分で元の状態へ巻き戻せます。まずは有効化と手動作成を行います。
手順
- 検索ボックスで「復元」と入力し、復元ポイントの作成を開きます。
- 「システムの保護」タブで、Windowsが入っているドライブ(通常はC:)を選び「構成」をクリックします。
- 「システムの保護を有効にする」を選び、最大使用量を5〜10%目安に調整して「OK」をクリックします。
- 「作成」をクリックし、説明に「Pre-PatchTuesday(年月日)」などと入力して作成します。
手順(PowerShellでも可)
管理者としてPowerShellを開き、次のコマンドを実行します。
Checkpoint-Computer -Description "Pre-PatchTuesday" -RestorePointType "MODIFY_SETTINGS"
※システムの保護が有効でない環境では、先に上記GUIの有効化設定を行ってください。
ワンポイント:古い復元点で領域が圧迫されている場合は、同じ画面の「構成」から「削除」→「すべての復元ポイントを削除」を実行し、新規作成してください。
2. Windows Updateが“詰まらない”ように空き容量を増やす
更新には数GB単位の一時領域が必要になる場合があります。以下の順番で安全に空きを作ります。
2-1. 設定アプリで不要ファイルを削除します
- 設定 → システム → 記憶域 → 一時ファイルを開きます。
- 「Windows Updateのクリーンアップ」「一時ファイル」「配信の最適化ファイル」「サムネイル」などにチェックを入れて削除します。
※「ダウンロード」項目は必要なファイルがあれば外してから実行してください。
2-2. さらに詳しく削除したい場合(従来のディスク クリーンアップ)
- 検索で「ディスク クリーンアップ」を開きます。
- 「システム ファイルのクリーンアップ」をクリックし、一覧から「Windows Updateのクリーンアップ」などを選んで実行します。
2-3. OneDriveと“ファイルオンデマンド”でローカル容量を空けます
- エクスプローラーでOneDriveフォルダーを開きます。
- 容量の大きいフォルダーを右クリックし、「空き容量を増やす」を選びます(クラウドに残してローカルを空けます)。
- 写真・動画は「2023」「2024」など年フォルダーにまとめ、使わない年をオンデマンドに切り替えると効果が大きくなります。
2-4. 使っていないアプリ・機能を整理します
- 設定 → アプリ → インストールされているアプリから、最近使っていないアプリをアンインストールします。
- 設定 → アプリ → オプション機能で、不要な言語パックや機能を削除します。
2-5. 上級者向け(必要な方のみ)
- 休止状態を使っていない場合は、管理者のコマンドプロンプトで
powercfg -h off
を実行するとhiberfil.sys(数GB)を削除できます。
※ノートPCで休止を利用している場合や、BitLocker運用中の企業PCではオフにしないほうが安全です。
3. ドライバの“控え”を保存します(万一のロールバック用)
更新直後に特定デバイスだけ調子が悪い場合、ドライバを元に戻すことで解決することがあります。事前に控えをエクスポートしておきます。
3-1. すべてのドライバを一括エクスポートします
- エクスプローラーでバックアップ先フォルダー(例:
D:\DriverBackup
)を作成します。 - 管理者PowerShellで以下を実行します。
pnputil /export-driver D:\DriverBackup
- これで現在のドライバがすべて保存されます。
3-2. うまくいかない場合の戻し方(概要)
- デバイス マネージャーで対象デバイスを右クリック → ドライバー → ドライバーのロールバックを実行します。
- もしロールバックが表示されない場合は、「ドライバーの更新」→「コンピューターを参照してドライバーを検索」から上記バックアップフォルダーを指定して戻します。
注意:メーカー提供のカスタムドライバ(例:グラフィックス、オーディオ、無線LAN)は、メーカー公式ユーティリティ(Intel Driver & Support Assistant、AMD Adrenalin、NVIDIA App、Realtek Audio Consoleなど)で更新・復旧したほうが安定します。
4. 仕上げのチェックリスト
更新前に、次の項目を□で確認しておくと安心です。
- □ 復元点「Pre-PatchTuesday(年月日)」を作成しました。
- □ 一時ファイルとWindows Updateのクリーンアップを実行して空き容量を確保しました。
- □ OneDriveの「空き容量を増やす」で大きなフォルダーをオンライン化しました。
- □ ドライバを
pnputil /export-driver
でバックアップしました。 - □ ノートPCはAC電源に接続し、ストレージの空きは20GB以上を確保しました。
ひとこと:チェックが済んだら、更新の適用は夜間や作業の区切りに行うとトラブル時にも落ち着いて対処できます。
5. 更新後に不調を感じたときの“3手順”
- 再起動を行い、周辺機器をいったん外して挙動を確認します。
- 個別デバイスの不調であれば、デバイス マネージャーからドライバのロールバックを実行します。
- 全体に重い・不安定であれば、回復 → システムの復元から更新前の復元点へ戻します。
それでも改善しない場合は、設定 → Windows Update → 更新の履歴 → 更新プログラムをアンインストールで直近の累積更新プログラム(KB)を削除し、次の月例での再適用を待つ方法もございます。
6. 予防のコツ(ふだんからできる軽メンテ)
- ストレージは常に15〜20%の空きを目標に保つようにすると、更新・復元・仮想メモリが安定します。
- 設定 → 記憶域の「ストレージセンサー」をオンにし、不要ファイルの自動削除タイミングを毎週に設定しておくと手間が減ります。
- 大型機能更新の前後は、高速スタートアップを一時的にオフにして再起動を増やすとドライバの初期化が安定します。
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