
Windows の「バックグラウンドで更新準備中」がいつまでも消えないと、
「これ…フリーズしてる? 」
「電源切っても大丈夫?」
と不安になりますよね。この記事では、
- このメッセージが何をしているのか
- どこまでが“正常”で、どこからが“異常”か
- 具体的な対処手順(かんたん編 → 本格対処編)を、Windows 10 / 11 向けにまとめて解説します。
- 1 1. 「バックグラウンドで更新準備中」とは何をしているのか
- 2 2. 正常と異常の“境目”はどこ?
- 3 3. まずはここから:かんたんチェック & 対処法
- 4 4. Cドライブの空き容量をチェック・整理する
- 5 5. Windows Update コンポーネントをリセット(中級者向け)
- 6 6. DISM と SFC でシステムファイルを修復する(本格対処)
- 7 7. セーフモードで最近の更新をアンインストールする
- 8 8. 大型アップデートで詰まっている場合は「手動アップグレード」
- 9 9. セキュリティソフト・常駐ソフトの影響も確認する
- 10 10. それでもダメなときの判断基準
- 11 まとめ:焦らず「待つ → 軽い対処 → 本格対処」の順で
1. 「バックグラウンドで更新準備中」とは何をしているのか
Windows Update は、表で見えている「更新プログラムをチェックしています」だけでなく、裏側(バックグラウンド)でも多くの処理をしています。
代表的なのが BITS(Background Intelligent Transfer Service) という仕組みで、アイドル時や回線に余裕があるタイミングを見ながら、更新ファイルを少しずつダウンロード・アップロードするサービスです。
「バックグラウンドで更新準備中」「インストールの準備をしています」などの表示は、
- 更新ファイルのダウンロード
- ダウンロード済みファイルの検証
- インストールに向けた展開・準備
などをまとめて示している“ざっくりメッセージ”と考えてOKです。
2. 正常と異常の“境目”はどこ?
正常なケース(あまり心配いらない)
次のような場合は 数十分〜数時間続く こともあり、必ずしも異常とは限りません。
- 月例の大きな累積更新(LCU)直後
- Windows 11 の機能更新(22H2 / 23H2 / 24H2 / 25H2 など)を適用している最中
- 長期間アップデートを放置していて、たまった更新を一気に適用している
この場合、
- Cドライブのアクセスランプがチカチカしている
- タスクマネージャーで 「Windows Modules Installer」「サービス ホスト: Windows Update」 などが動いている
- 1〜2時間のあいだ、進捗バーが少しずつ動いている
といった状態なら、しばらく待つのが正解なことも多いです。
(多くのトラブル解説でも、まずは 30〜120分程度の待機を推奨しています。)
異常が疑われるケース
次のような状況なら、単なる待ちではなく“対処”が必要です。
- 半日〜1日以上、ずっと同じ状態で進まない
- 起動のたびに「バックグラウンドで更新準備中」と出るのに、更新履歴が増えない
- Windows Update の画面で、同じ更新(同じ KB 番号)が何度も失敗している
- CPU / ディスク使用率が 0〜数%程度で、明らかに何も処理していない状態が続く
- 途中で「Windows の準備をしています」から先に進まない/再起動ループになる
こういった場合は、以下の手順でトラブルシューティングしていきます。
3. まずはここから:かんたんチェック & 対処法
手順 1:Windows Update の状態を確認する
- [スタート]→[設定] を開く
- [Windows Update] をクリック
- 上部のステータスと、下部の [更新の履歴] を確認
ポイント:
- どの更新で止まっているか(例:累積更新 KB50xxxxx)
- 「失敗しました」「再試行します」などのメッセージやエラーコードが出ていないか
エラーコードが出ている場合は、そのコード(例:0x800f0922 など)で個別に調べると原因が絞り込みやすくなります。
手順 2:PCを“ちゃんと”再起動する(シャットダウンではなく)
Windows 10 / 11 には「高速スタートアップ」という仕組みがあり、シャットダウン → 電源オン では完全にリセットされないことがあります。
- スタートボタン を右クリック
- [シャットダウンまたはサインアウト]→[再起動] を選ぶ
これでカーネル部分まで含めて再起動されるため、軽い不具合ならこの時点で解消することもあります。
手順 3:更新を一度“一時停止”→再開してみる
更新のキューが変に詰まっているだけのケースでは、一度「一時停止 → 再開」でリセットされることがあります。
- [設定]→[Windows Update]を開く
- [更新の一時停止] で、1〜5日程度 一時停止
- いったん PC を再起動
- 再度[Windows Update]を開き、一時停止を 解除
- [更新プログラムのチェック] をクリックして、再ダウンロードさせる
手順 4:Windows Update トラブルシューティングツールを実行
Windows には、Update 用の診断ツールが用意されています。PCホスピタル
- [設定]→[システム]→[トラブルシューティング]
- [その他のトラブルシューティング ツール] をクリック
- 一覧から [Windows Update]→[実行] を選択
- 指示に従い、「この修正を適用します」が出たら適用
完了後、PCを再起動し、再び更新を試してください。
4. Cドライブの空き容量をチェック・整理する
大型アップデートや累積更新には、数GB〜10GB以上 の空き容量が必要になることがあります。ディスク容量不足は、「Windows の準備をしています」などが終わらない原因としてもよく挙げられています。
空き容量の確認
- エクスプローラーを開く(Win + E)
- 左の[PC]をクリック
- ローカルディスク(C:) の空き容量を確認
目安:
- 最低でも 20GB 以上 空けたい(特に機能更新時)
不要ファイルの削除(ディスク クリーンアップ)
- [スタート]を右クリック → [実行]
cleanmgrと入力して Enter- ドライブに C: を選択
- 一覧から
- 一時ファイル
- 一時インターネット ファイル
- 旧 Windows Update ファイル 等
をチェック
- [OK]→[ファイルの削除]
※「以前の Windows のインストール」などを消すと、過去のバージョンへ戻すことはできなくなるので、そこだけ注意です。
5. Windows Update コンポーネントをリセット(中級者向け)
更新関連のコンポーネントが壊れていると、いくら待っても「バックグラウンドで更新準備中」から進まないことがあります。その場合は、SoftwareDistribution フォルダなどをリセットすると復旧するケースが多いです。
⚠ 操作ミスを防ぐため、「コピーして貼り付けて実行」するのがおすすめです。
①[スタート]を右クリック → [ターミナル(管理者)]または[Windows PowerShell(管理者)]
②以下のコマンドを 順番に 入力(または貼り付け)→ Enter
net stop wuauserv
net stop bits
net stop cryptsvc
net stop msiserver
ren %systemroot%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren %systemroot%\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start bits
net start cryptsvc
net start msiserver
③コマンド完了後、PCを再起動
④[設定]→[Windows Update]で再度「更新プログラムのチェック」を実行
6. DISM と SFC でシステムファイルを修復する(本格対処)
システムファイルの破損があると、更新の準備処理そのものがエラーになり、結果として「バックグラウンドで更新準備中」から動かないことがあります。
手順
①[スタート]を右クリック → [ターミナル(管理者)]
②まず DISM を実行
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth※回線やPC性能によっては 10〜30分以上 かかることがあります。
③完了したら、続けて SFC を実行
sfc /scannow④「検証 100% が完了しました」表示後、PCを再起動
再度 Windows Update を試してください。
7. セーフモードで最近の更新をアンインストールする
特定の更新プログラム自体に問題があり、それが原因で更新がループしているケースもあります。多くのトラブル解説でも、「セーフモードにしてから problematic な更新を削除」という手順が紹介されています。
セーフモードで起動する(例:Windows 11)
- [設定]→[システム]→[回復]
- [今すぐ再起動](詳細スタートアップ)をクリック
- 再起動後、
- [トラブルシューティング]
- [詳細オプション]
- [スタートアップ設定]→[再起動]
- 再起動後に出る一覧から [4)セーフモードを有効にする] を選ぶ
更新のアンインストール
- セーフモードでサインイン
- [設定]→[Windows Update]→[更新の履歴]
- 一番下の [更新プログラムをアンインストールする] をクリック
- 最近入った更新(特に、問題が起き始めた日時と近いもの)を選び[アンインストール]
再起動後に Windows Update を実行してください。
8. 大型アップデートで詰まっている場合は「手動アップグレード」
もし、
「Windows 11 25H2 への更新」
「機能更新プログラム」
などの 大型アップデート のところで止まっている場合は、Windows Update ではなく、Microsoft 公式の インストール アシスタント で直接アップグレードしてしまった方が早いケースもあります。
Windows 11 インストール アシスタントを使う流れ
- Microsoft 公式の「Windows 11 のダウンロード」ページにアクセス
- 「Windows 11 インストール アシスタント」で[今すぐダウンロード]
- ダウンロードした
Windows11InstallationAssistant.exeを管理者として実行 - 画面の指示に従い、互換性チェック → ライセンス同意 → インストール
- 何度か再起動を挟んでアップグレード完了
この方法でアップグレードに成功すると、以降の累積更新もスムーズになることがあります。
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サードパーティ製のウイルス対策ソフトや、ディスク監視ツール・チューニングツールなどの常駐アプリが更新処理をブロックしているケースも指摘されています。
- 一時的にリアルタイム保護を OFF
- 自動バックアップ・チューニング系ソフトを終了
- その状態で Windows Update を再度実行
問題が解消したら、そのソフトの設定見直しやアップデートを検討してください。
10. それでもダメなときの判断基準
ここまでの対処を試しても、
・「バックグラウンドで更新準備中」状態が数日続く
・再起動のたびに「Windows の準備をしています」→ループ
・セーフモードにも入れない
といった状況なら、システム側の損傷やストレージの物理トラブルの可能性も出てきます。このレベルでは、
- 重要データのバックアップを最優先で確保
- メーカー/販売店・サポート窓口、または PC 修理業者に相談
場合によっては「クリーンインストール」やストレージ交換も検討といった、“データ保全を第一”にした対応が必要になってきます。
まとめ:焦らず「待つ → 軽い対処 → 本格対処」の順で
「バックグラウンドで更新準備中」が消えないときは、
- まずは 30分〜2時間ほど待つ(特に大型アップデート直後)
- 再起動・一時停止&再開・トラブルシューティングなど、軽い対処を試す
- それでもダメなら、
- Cドライブ空き容量の確保
- Updateコンポーネントのリセット
- DISM / SFC でのシステム修復
- セーフモードでの更新アンインストール
- 大型アップデートが絡んでいるなら インストール アシスタントで手動アップグレード
- それでも改善しない場合は、データ保護を優先して専門家に相談
…という流れで進めるのが安全といえるでしょう。
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