「バックグラウンドで更新準備中」が消えない…どのくらい待つ?原因と安全な対処法【Windows 10/11】

Windowsパソコンの画面に「バックグラウンドで更新準備中」のような進行バーが表示され、前で男性ユーザーが不安そうな表情で画面を見つめているイラスト(青系のシンプルなフラットデザイン)

Windows の「バックグラウンドで更新準備中」がいつまでも消えないと、
「これ…フリーズしてる? 」

「電源切っても大丈夫?」

と不安になりますよね。この記事では、

  • このメッセージが何をしているのか
  • どこまでが“正常”で、どこからが“異常”か
  • 具体的な対処手順(かんたん編 → 本格対処編)を、Windows 10 / 11 向けにまとめて解説します。

PR

1. 「バックグラウンドで更新準備中」とは何をしているのか

Windows Update は、表で見えている「更新プログラムをチェックしています」だけでなく、裏側(バックグラウンド)でも多くの処理をしています。

代表的なのが BITS(Background Intelligent Transfer Service) という仕組みで、アイドル時や回線に余裕があるタイミングを見ながら、更新ファイルを少しずつダウンロード・アップロードするサービスです。

「バックグラウンドで更新準備中」「インストールの準備をしています」などの表示は、

  • 更新ファイルのダウンロード
  • ダウンロード済みファイルの検証
  • インストールに向けた展開・準備

などをまとめて示している“ざっくりメッセージ”と考えてOKです。


2. 正常と異常の“境目”はどこ?

正常なケース(あまり心配いらない)

次のような場合は 数十分〜数時間続く こともあり、必ずしも異常とは限りません。

  • 月例の大きな累積更新(LCU)直後
  • Windows 11 の機能更新(22H2 / 23H2 / 24H2 / 25H2 など)を適用している最中
  • 長期間アップデートを放置していて、たまった更新を一気に適用している

この場合、

  • Cドライブのアクセスランプがチカチカしている
  • タスクマネージャーで 「Windows Modules Installer」「サービス ホスト: Windows Update」 などが動いている
  • 1〜2時間のあいだ、進捗バーが少しずつ動いている

といった状態なら、しばらく待つのが正解なことも多いです。
(多くのトラブル解説でも、まずは 30〜120分程度の待機を推奨しています。)

異常が疑われるケース

次のような状況なら、単なる待ちではなく“対処”が必要です。

  • 半日〜1日以上、ずっと同じ状態で進まない
  • 起動のたびに「バックグラウンドで更新準備中」と出るのに、更新履歴が増えない
  • Windows Update の画面で、同じ更新(同じ KB 番号)が何度も失敗している
  • CPU / ディスク使用率が 0〜数%程度で、明らかに何も処理していない状態が続く
  • 途中で「Windows の準備をしています」から先に進まない/再起動ループになる

こういった場合は、以下の手順でトラブルシューティングしていきます。


PR

3. まずはここから:かんたんチェック & 対処法

手順 1:Windows Update の状態を確認する

  1. [スタート]→[設定] を開く
  2. [Windows Update] をクリック
  3. 上部のステータスと、下部の [更新の履歴] を確認

ポイント:

  • どの更新で止まっているか(例:累積更新 KB50xxxxx)
  • 「失敗しました」「再試行します」などのメッセージやエラーコードが出ていないか

エラーコードが出ている場合は、そのコード(例:0x800f0922 など)で個別に調べると原因が絞り込みやすくなります。


手順 2:PCを“ちゃんと”再起動する(シャットダウンではなく)

Windows 10 / 11 には「高速スタートアップ」という仕組みがあり、シャットダウン → 電源オン では完全にリセットされないことがあります。

  1. スタートボタン を右クリック
  2. [シャットダウンまたはサインアウト]→[再起動] を選ぶ

これでカーネル部分まで含めて再起動されるため、軽い不具合ならこの時点で解消することもあります。


手順 3:更新を一度“一時停止”→再開してみる

更新のキューが変に詰まっているだけのケースでは、一度「一時停止 → 再開」でリセットされることがあります。

  1. [設定]→[Windows Update]を開く
  2. [更新の一時停止] で、1〜5日程度 一時停止
  3. いったん PC を再起動
  4. 再度[Windows Update]を開き、一時停止を 解除
  5. [更新プログラムのチェック] をクリックして、再ダウンロードさせる

手順 4:Windows Update トラブルシューティングツールを実行

Windows には、Update 用の診断ツールが用意されています。PCホスピタル

  1. [設定]→[システム]→[トラブルシューティング]
  2. [その他のトラブルシューティング ツール] をクリック
  3. 一覧から [Windows Update]→[実行] を選択
  4. 指示に従い、「この修正を適用します」が出たら適用

完了後、PCを再起動し、再び更新を試してください。


4. Cドライブの空き容量をチェック・整理する

大型アップデートや累積更新には、数GB〜10GB以上 の空き容量が必要になることがあります。ディスク容量不足は、「Windows の準備をしています」などが終わらない原因としてもよく挙げられています。

空き容量の確認

  1. エクスプローラーを開く(Win + E)
  2. 左の[PC]をクリック
  3. ローカルディスク(C:) の空き容量を確認

目安:

  • 最低でも 20GB 以上 空けたい(特に機能更新時)

不要ファイルの削除(ディスク クリーンアップ)

  1. [スタート]を右クリック → [実行]
  2. cleanmgr と入力して Enter
  3. ドライブに C: を選択
  4. 一覧から
    • 一時ファイル
    • 一時インターネット ファイル
    • 旧 Windows Update ファイル 等
      をチェック
  5. [OK]→[ファイルの削除]

※「以前の Windows のインストール」などを消すと、過去のバージョンへ戻すことはできなくなるので、そこだけ注意です。


5. Windows Update コンポーネントをリセット(中級者向け)

更新関連のコンポーネントが壊れていると、いくら待っても「バックグラウンドで更新準備中」から進まないことがあります。その場合は、SoftwareDistribution フォルダなどをリセットすると復旧するケースが多いです。

⚠ 操作ミスを防ぐため、「コピーして貼り付けて実行」するのがおすすめです。

①[スタート]を右クリック → [ターミナル(管理者)]または[Windows PowerShell(管理者)]

②以下のコマンドを 順番に 入力(または貼り付け)→ Enter


net stop wuauserv
net stop bits
net stop cryptsvc
net stop msiserver

ren %systemroot%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren %systemroot%\System32\catroot2 catroot2.old

net start wuauserv
net start bits
net start cryptsvc
net start msiserver


③コマンド完了後、PCを再起動

④[設定]→[Windows Update]で再度「更新プログラムのチェック」を実行


6. DISM と SFC でシステムファイルを修復する(本格対処)

システムファイルの破損があると、更新の準備処理そのものがエラーになり、結果として「バックグラウンドで更新準備中」から動かないことがあります。

手順

①[スタート]を右クリック → [ターミナル(管理者)]

②まず DISM を実行

DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth

 ※回線やPC性能によっては 10〜30分以上 かかることがあります。

③完了したら、続けて SFC を実行

sfc /scannow

④「検証 100% が完了しました」表示後、PCを再起動

再度 Windows Update を試してください。


7. セーフモードで最近の更新をアンインストールする

特定の更新プログラム自体に問題があり、それが原因で更新がループしているケースもあります。多くのトラブル解説でも、「セーフモードにしてから problematic な更新を削除」という手順が紹介されています。

セーフモードで起動する(例:Windows 11)

  1. [設定]→[システム]→[回復]
  2. [今すぐ再起動](詳細スタートアップ)をクリック
  3. 再起動後、
    • [トラブルシューティング]
    • [詳細オプション]
    • [スタートアップ設定]→[再起動]
  4. 再起動後に出る一覧から [4)セーフモードを有効にする] を選ぶ

更新のアンインストール

  1. セーフモードでサインイン
  2. [設定]→[Windows Update]→[更新の履歴]
  3. 一番下の [更新プログラムをアンインストールする] をクリック
  4. 最近入った更新(特に、問題が起き始めた日時と近いもの)を選び[アンインストール]

再起動後に Windows Update を実行してください。


8. 大型アップデートで詰まっている場合は「手動アップグレード」

もし、

「Windows 11 25H2 への更新」

「機能更新プログラム」

などの 大型アップデート のところで止まっている場合は、Windows Update ではなく、Microsoft 公式の インストール アシスタント で直接アップグレードしてしまった方が早いケースもあります。

Windows 11 インストール アシスタントを使う流れ

  1. Microsoft 公式の「Windows 11 のダウンロード」ページにアクセス
  2. 「Windows 11 インストール アシスタント」で[今すぐダウンロード]
  3. ダウンロードした Windows11InstallationAssistant.exe を管理者として実行
  4. 画面の指示に従い、互換性チェック → ライセンス同意 → インストール
  5. 何度か再起動を挟んでアップグレード完了

この方法でアップグレードに成功すると、以降の累積更新もスムーズになることがあります。

[PR]

▶ スクショや資料を高速保存に最適な外付けSSDはこちら

9. セキュリティソフト・常駐ソフトの影響も確認する

サードパーティ製のウイルス対策ソフトや、ディスク監視ツール・チューニングツールなどの常駐アプリが更新処理をブロックしているケースも指摘されています。

  • 一時的にリアルタイム保護を OFF
  • 自動バックアップ・チューニング系ソフトを終了
  • その状態で Windows Update を再度実行

問題が解消したら、そのソフトの設定見直しやアップデートを検討してください。


10. それでもダメなときの判断基準

ここまでの対処を試しても、

・「バックグラウンドで更新準備中」状態が数日続く

・再起動のたびに「Windows の準備をしています」→ループ

・セーフモードにも入れない

といった状況なら、システム側の損傷やストレージの物理トラブルの可能性も出てきます。このレベルでは、

  • 重要データのバックアップを最優先で確保
  • メーカー/販売店・サポート窓口、または PC 修理業者に相談

場合によっては「クリーンインストール」やストレージ交換も検討といった、“データ保全を第一”にした対応が必要になってきます。


まとめ:焦らず「待つ → 軽い対処 → 本格対処」の順で

「バックグラウンドで更新準備中」が消えないときは、

  1. まずは 30分〜2時間ほど待つ(特に大型アップデート直後)
  2. 再起動・一時停止&再開・トラブルシューティングなど、軽い対処を試す
  3. それでもダメなら、
    • Cドライブ空き容量の確保
    • Updateコンポーネントのリセット
    • DISM / SFC でのシステム修復
    • セーフモードでの更新アンインストール
  4. 大型アップデートが絡んでいるなら インストール アシスタントで手動アップグレード
  5. それでも改善しない場合は、データ保護を優先して専門家に相談

…という流れで進めるのが安全といえるでしょう。

おすすめ関連記事

再インストール不要の“インプレースアップグレード”という選択

空き容量があるのに「ストレージが不足しています」と表示される原因と対処法

OneDriveの空き容量が減らない?削除しても5GBが戻らないときの原因と対策