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はじめに|「RPCエラー」とは?(2025年版)
Windowsで突然音が出なくなり、「オーディオサービスが開始されていない」とともにRPC(Remote Procedure Call)関連のエラーが表示されることがあります。これは多くの場合、Windows Audio系サービスの停止・依存関係の不整合・ドライバーの互換性が引き金です。
特にWindows 11 24H2以降(2025年現在)は、メモリ整合性(HVCI)や脆弱ドライバブロックリストの強化により、古い/不適合なオーディオドライバーや拡張(APO)が読み込まれず、結果的にAudioサービスやRPC経由の呼び出しがこけるケースが増えています。本記事ではサービス→ドライバー→セキュリティ機能の順で、確実に復旧させる手順を整理します。
よくある原因
原因 | 説明 |
---|---|
オーディオサービスの停止 | Windows AudioサービスやRPC関連のサービスが停止している |
Realtekドライバの破損 | アップデートや競合によりオーディオドライバが正しく動作していない |
Windowsの更新不具合 | 累積的アップデート後に一部構成ファイルが破損している |
オーディオ設定の異常 | 既定のデバイス設定やサービス依存関係に問題がある |
2025年に入ってからは、特にWindows 11 バージョン24H2アップデート後にRealtek Audioの自動更新による不具合も報告されています。更新前のバックアップや手動管理が重要です。
基本対処ステップ(確実版)
次の順番で進めると、原因の取りこぼしが少なく確実性が上がります。
ステップ1:Audioサービス群と依存関係の復旧
- services.mscを開く → 次の状態を「実行中/自動」に揃える
・Remote Procedure Call (RPC)
(自動、停止不可のはず)
・Windows Audio
(Audiosrv)
・Windows Audio Endpoint Builder
(AudioEndpointBuilder)
・Plug and Play
(PnP、念のため確認) - 動かない場合は再起動。それでも無理なら、管理者PowerShellで以下を順に実行
net stop audiosrv
net stop audioendpointbuilder
net start audioendpointbuilder
net start audiosrv
(サービスがエラーで起動しないときは、ドライバー側の問題に進みます)
ステップ2:ドライバーの健全化(削除→再導入)
デバイス マネージャーで「非表示のデバイスの表示」を有効化し、Realtek / Nahimic / A-Voluteなど音関連の古い/重複デバイスを削除→再起動します。加えて、管理者PowerShellで残骸を可視化:
pnputil /enum-drivers | findstr /i "realtek nahimic avolute hda"
列挙された旧パッケージは、型番に合わせたOEM配布の最新オーディオパッケージで上書き導入(Windows Updateの汎用ドライバーは機能拡張が欠けやすい)。
※Microsoft StoreでAudio Consoleが見つからない場合は、OEMパッケージ同梱のUWPセットアップ(例:AudioConsoleSetup.exe
)で導入。
ステップ3:セキュリティ機能によるブロックの切り分け
- メモリ整合性(HVCI):設定 > Windows セキュリティ > デバイス セキュリティ > コア分離の詳細→一時的にオフ→再起動→導入→再度オン。
- Smart App Control:導入時に一時オフ→導入後オンへ。
- 署名の確認:デバイスのプロパティ→ドライバーの詳細→デジタル署名者が不明/古い場合は更新必須。
※どうしても導入できないときだけ、Secure Bootを作業時のみ一時的に無効化→導入後に必ず有効化。恒久オフは非推奨。
ステップ4:既定デバイスとエンハンスメントの見直し
Realtekでは、サウンドの強化機能(エンハンスメント)によって逆に音が出なくなることがあります。
- サウンド設定→「出力デバイス」でHDMI/USBが既定になっていないか確認(内蔵ジャックが無音の典型)。
- スピーカーのプロパティ→拡張(Enhancements/エンハンスメント)→「すべてのサウンド効果を無効にする」を一時適用して挙動確認。
一部の環境ではこれで音が復活することもあります。
BIOSでのオンボードオーディオ再有効化(ハードウェア由来の不具合)
WindowsではなくBIOS側でオンボードオーディオが無効になっているケースもあります。
【対応方法】
- 再起動時にF2やDelキーなどでBIOS/UEFI画面を開く
- 「Advanced」→「Integrated Peripherals」などの項目で「HD Audio」や「Azalia Audio」を「Enabled」に変更し、再起動してください。
別ユーザープロファイルでの確認
ユーザープロファイルの破損により、特定のアカウントでのみ音が出ない場合もあります。
一時的に新しいローカルアカウントを作成してサインインし、音が出るかどうかを確認してみてください。新規ユーザーで正常なら、元アカウントの設定やレジストリに問題がある可能性が高いです。
旧型ドライバを意図的に使う(例:2017~2019年製)
一部のユーザー報告によると、Realtekの新しいドライバよりも古い安定バージョン(HDA用)の方がエラーを起こしにくいことがあるとの情報がありました。そこで
- 「Realtek High Definition Audio(HDA)」を明示的に指定してインストール
- 例:Win10用の古いドライバを手動でインストールし、署名エラーを回避する手順もあり(やや上級者向け)
が有効な場合もあります。
再発防止と上級テクニック
1)Windows Updateによる置換の抑止
安定版に戻してもWUで置換→再発が多い場合は、次のいずれかで抑止します(上級者/企業向け)。
- グループポリシー:特定デバイスIDのドライバー更新をブロック。
- デバイス インストール設定:ハードウェアID単位で制御。
- wushowhide(非公式配布):一時的な非表示に留め、恒久策は上のポリシーで。
2)オフライン導入で競合回避
- ネットを切る → 古い音関連デバイス/ドライバーを削除。
- 再起動後、OEMパッケージを手動インストール。
- 起動確認→必要なら更新の非表示/抑止を設定→ネット再接続。
3)外付けUSB DACという回避策
内蔵オーディオに依存せず、OS標準クラスドライバーで動くUSB DACは、トラブル回避と音質改善の両面で有効です(ゲーム/編集用途にも◎)。
よくある質問(FAQ)
Q1. オーディオデバイスが表示されない場合は?
A. BIOSで無効になっていないか確認し、Realtek Audioがデバイスマネージャーに現れない場合は「表示」→「非表示のデバイスの表示」をオンにしてください。
Q2. 他の音声出力(HDMIやUSB)では音が出るのに?
A. 既定のデバイス設定が違っている可能性があります。
「サウンド設定」→「再生」タブから正しい出力を選びましょう。
快適な音環境を取り戻すために
何度もトラブルが起きる方は、外付けオーディオデバイスを導入するのもおすすめです。USB接続のサウンドアダプタなら、OSに依存せず使えるので安定します。
また、Realtek Audio Consoleのトラブルが頻繁に起こる、あるいはPCの音質そのものに限界を感じているなら、外付けDAC(デジタル・アナログコンバーター)やアンプの導入も検討してみてはいかがでしょうか。USBで簡単に接続でき、PCの内蔵オーディオチップに依存しないため、劇的にクリアでパワフルなサウンドを実現できます。
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まとめ
対処法 | ポイント |
---|---|
サービスの確認 | RPCとAudioサービスを手動で再起動 |
ドライバの再インストール | Realtekを一度アンインストールし再起動 |
ドライバの巻き戻し | 旧バージョンで安定化を図る |
自動更新の防止 | wushowhide.diagcabを使って再発防止 |
上記の対処法は、どれか1つで直る場合もあれば、複数の組み合わせが必要になることもあります。特に最近では、Windowsの自動更新でドライバが勝手に上書きされてしまうケースが多いため、問題が再発するようであれば「ドライバの巻き戻し+更新ブロック」の併用が効果的です。
また、同様のエラーが繰り返し起こる方は、ソフトウェアだけでなくハードウェア的な故障(端子の接触不良やマザーボードのオーディオチップの不調)も視野に入れて、早めのチェックをおすすめします。
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