
はじめに
「PCのユーザー名を変えたい」
「フォルダの名前が前のままで気になる」
──そんな相談をよくいただきます。
Windowsの“ユーザー名”には、実は 2種類 あります。
それぞれの性質を理解せずに変更すると、アプリが起動しなくなったり、OneDriveが同期エラーを起こす原因になることもあります。
この記事では、安全にユーザー名を変更するための手順を、初心者でも迷わず進められるように解説 します。
1. 「ユーザー名」には2種類ある
変更の前に、まずは“どの名前を変えたいのか”をはっきりさせましょう。
| 名称 | 変更場所 | 影響 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 表示名(アカウント名) | ログイン画面や設定に表示される名前 | 軽微(アプリ動作に影響なし) | ★☆☆☆☆ |
| プロフィールフォルダ名(C:\Users\のフォルダ) | 実際のユーザーデータの場所 | 大(アプリ・同期エラーの可能性) | ★★★★☆ |
💡 まずは「表示名だけ変更」で十分な場合がほとんどです。
2. 表示名だけを変更する方法(安全・推奨)
▶ Microsoftアカウントを使っている場合
- スタートメニュー → 設定 → アカウント
- 「Microsoftアカウントの管理」をクリック(ブラウザが開きます)
- 「あなたの情報」→「名前の編集」へ進む
- 新しい姓・名を入力し、「保存」をクリック
- 一度サインアウトして再ログイン
→ 表示名が新しいものに更新されます
※ Outlook・OneDrive なども同じアカウント情報が同期されるため、統一して変更されます。
▶ ローカルアカウントを使っている場合(Home/Pro共通)
- Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開く
netplwizと入力して Enter- ユーザー一覧から変更したいアカウントを選び、「プロパティ」をクリック
- 「フルネーム」欄に新しい名前を入力し、「OK」を押す
- 再起動で反映完了!
✓ この方法ではフォルダ名(C:\Users\)は変わりません。アプリ設定やパスはそのままです。
▶ Windows 11 Pro限定:ローカルユーザー管理から変更
- Windowsキー + R →
lusrmgr.mscと入力 → Enter - 「ユーザー」→ 該当アカウントを右クリック → 「名前の変更」
- 新しい名前を入力 → OK → 再起動で完了
※この方法は「Pro」エディション専用です。Homeでは利用できません。
3. プロフィールフォルダ名(C:\Users\)まで変更したい場合
ここから先は“中級者向け”です。
作業を誤るとログインできなくなることもあるため、慎重に進めてください。
手順①:バックアップと復元ポイントを作成
- USBメモリや外付けSSDに重要ファイルをコピー
- 管理者でPowerShellを開き、以下を実行します
Checkpoint-Computer -Description "Before-UserRename"
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- 重要ファイルのコピー用に1本あると便利です。
USBメモリ(大容量)はこちら
手順②:一時的な管理者アカウントを作る
- 設定 → アカウント → 家族とその他のユーザー → 「新しいユーザーを追加」
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」→「ローカルアカウントを追加」
- 名前例:
AdminTempなどにして作成し、管理者権限に変更
手順③:旧アカウントをサインアウト → AdminTempでログイン
- 変更したいアカウントを「サインアウト」
- AdminTempでログインし、エクスプローラーで
C:\Usersを開く - 対象フォルダを右クリック → 「名前の変更」
- 新しいフォルダ名に変更(例:hanako →
hanako-new)
手順④:レジストリでパスを修正
- Windowsキー + R →
regedit→ Enter HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileListを開く- サブキー(長い英数字のSID)を順にクリックし、「ProfileImagePath」の値を確認
- 該当ユーザーの値を「C:\Users\新フォルダ名」に書き換える
- レジストリエディタを閉じて再起動してください
👉🔷なぜ設定を変えると再起動が必要なの?Windowsの素朴な疑問に答えます
手順⑤:旧アカウントで再ログイン
- 正常にサインインでき、デスクトップが元どおりなら成功です。
- 必要に応じて、AdminTempアカウントを削除して終了。
4. よくある失敗と解決法
| 状況 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| デスクトップが空になった | 新しいパスが正しく設定されていない | レジストリのProfileImagePathを再確認 |
| OneDriveが同期できない | 旧パスを参照している | OneDriveを一度解除し、再サインイン |
| 「アクセスが拒否されました」と出る | 所有権が旧ユーザーにある | フォルダ右クリック → プロパティ → セキュリティ → 詳細設定で所有者を自分に変更 |
5. フォルダ名変更が難しい場合の“安全ルート”
リスクを避けたい場合は、「新しいユーザーを作成してデータを移行」するのが最も安全です。
- 新しいアカウントを作成
- 旧ユーザーのフォルダ(ドキュメント・ピクチャ等)をコピー
- 必要なアプリを再インストール
- 問題なければ旧アカウントを削除
この方法なら、システム破損の心配はほぼありません。
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- 外付けSSD:データを一括コピーして安全に保管
- USBメモリ:レジストリ修正前に復元ポイントも保存
- FIDO2セキュリティキー:Microsoftアカウントの2段階認証を強化
6. まとめ
- 表示名変更 → 安全・即反映
- フォルダ名変更 → 要バックアップ・慎重に
- トラブル時は「新規アカウント移行」が最も確実
フォルダ名変更は確かに時間がかかりますが、「気になる部分をきれいに整理しておきたい」 という方には、後悔しない作業です。
焦らず1ステップずつ進めていきましょう。
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