
「今まで使えていた顔認証が反応しない」
「アップデート後から失敗する」
「暗い部屋だと必ず落ちる」
——2025年春以降、このような相談が増えています。しかし、この問題の多くは設定・環境・ドライバーのいずれかで改善できます。
そこで今回、公式の案内や実際の解決例を踏まえ、最短で直す手順をまとめました。
まず知っておくべき前提
- 暗い場所では動かないケースが増えた
2025年4月以降のセキュリティ更新で、可視光カメラとIRの組み合わせ確認が強化され、暗所だと認証しづらく(場合によっては不可)なりました。これは不具合ではなく仕様変更に近い挙動です。 - 機種差・環境差が大きい
同じ「認識しない」でも、IRカメラ/ドライバー/BIOS設定/外付けカメラ有無で原因が異なります。手順は上から順に試しましょう。
最短チェック
- 画面上部のカメラを拭く/覆いを外す/角度を正す。
- 照明ON(暗い部屋はNG。正面からの強い逆光も避ける)。
- 一度PINでサインイン→再度ロックして顔認証を試す。
※公式も「カメラの清掃」「照明」「装飾品の影響」を最初に案内しています。
本格トラブルシューティング
Step 1:Windows Helloの状態を確認
- 設定 → アカウント > サインイン オプション → 顔認証(Windows Hello)
ここで「セットアップ」や「削除」が表示されるかを確認してください。表示されない場合は、Windows Hello Face(オプション機能)が外れている可能性があります。
Step 2:オプション機能「Windows Hello Face」を確認/再インストール
- 設定 → アプリ > オプション機能 → 検索で「Windows Hello Face」
なければインストール、あればアンインストール→再インストール。そして、再起動後に再テストでチェックしてみてください。
Step 3:カメラ/生体認証ドライバーを再セット
- デバイス マネージャーを開く
- カメラ(IR/Depth/Hello対応)と生体認証デバイスを展開
- カメラ側をアンインストール(ドライバー削除は基本オフ)→再起動
- 再起動後、自動インストールされなければメーカーサイトから取得
- 注意:「Windows Hello Software Device」は削除しないでください。(削除で初期化が必要になる機種があります)
Step 4:顔データのリセット&再登録
- サインイン オプション → 顔認証 → 削除 → 改善または再セットアップ
- 眼鏡の有無/ヒゲ/髪型が変わった場合は複数照明で再登録すると成功率がUPします。
Step 5:サービスとデータベースを点検(中級)
- Windows Biometric Service(services.msc)を再起動
- 改善しなければ、WinBioDatabaseを初期化
① Biometric Service を停止 →
②C:\Windows\System32\WinBioDatabase
の中身を削除 →
③ サービスを開始 → 顔の再登録。
※管理者権限推奨・自己責任でお願いします。
Step 6:プライバシー/カメラ権限・ポリシーの確認
- 設定 → プライバシーとセキュリティ > カメラ:アプリとWindows Helloの使用を許可
※企業/学校管理端末はポリシーで制限されていないかも確認してください。
Step 7:BIOS/UEFI・ファームウェア更新(上級)
メーカー提供のIRカメラ/システムファーム更新で復旧する例があります。
・最新化→再テスト。VAIO ソリューションズ
この方法で更新した後、確認してください。
よくある原因と対処の対応表
症状 | 可能性 | 重点対処 |
---|---|---|
暗い部屋だと必ず失敗 | 仕様強化で可視光必須のケース | 照明ON/位置調整。仕様理解を。INTERNET Watch+1 |
セットアップ自体が出ない | オプション機能欠如/壊れ | Windows Hello Faceの再導入。Microsoft Learn |
以前はOK、最近NG | 更新/ドライバー不整合 | Step 3/5で再構築、再登録。Microsoft Learn |
たまに成功する | 照明/角度/影 | 公式推奨の照明/姿勢改善と再学習。Microsoft サポート+1 |
外付けIRカメラで不安定 | USB/ドライバ相性 | ポート変更/ドライバ再導入/ファーム更新。incipe.dev |
裏ワザ/応急策(安全第一で)
- 「とりあえず入れる」手堅い運用
顔認証が不安定な期間は、PIN/指紋を併用しましょう(公式も推奨)。 - 暗所を乗り切るコツ
デスクライトを真正面やや上から当てると精度が安定します。逆光や顔の影は失敗の原因になるのでご注意ください。 - (上級)Webカメラ無効化でIRのみ運用※自己責任・短期間の回避策。
デバイス マネージャーでWebカメラを一時的に無効化すると暗所で通るケースが報告あります。ただしセキュリティが下がる可能性と、会議アプリでカメラが使えない副作用に要注意です。
それでも直らないときのチェックリスト
- ▢ Windows Update/メーカーアップデートをすべて適用したか
- ▢ Windows Hello Faceが入っているか(Step 2)
- ▢ カメラ/生体認証ドライバーを入れ直したか(Step 3。※Software Deviceは削除しない
- ▢ WinBioDatabaseを初期化して再登録したか(Step 5)
- ▢ 照明・角度・装飾品(帽子・厚手マスク・濃いメイク等)を見直したか
- ▢ 企業/学校のポリシーで制限されていないか
もしすべて試しても直らない場合は、システム側の問題やハードウェアの不具合が関係している可能性があります。特に、Windows Helloの処理を担う「IRカメラ」や「センサー」部分が故障していると、設定を何度やり直しても認識できません。
メーカー(例:Surface・NEC・富士通など)のサポートサイトで最新ドライバーやファームウェア更新を確認し、提供されているアップデートを適用してみましょう。それでも改善しない場合は、カメラの故障診断やWindowsの修復インストール(Repair Install)を検討してもよい段階です。
また、同様の症状がMicrosoft Q&AやRedditなどでも報告されています。
一時的な不具合や仕様変更が原因のケースもあるため、最新情報を確認しながら待つのも一つの選択肢です。
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対応PCを探すときの参考:メーカー公式 on Amazon
※購入の推奨ではありません。Windows 11 要件(第8世代以降CPU / TPM 2.0 / セキュアブート対応 など)を必ずご確認のうえご判断ください。 価格・在庫・キャンペーンは随時変動します。
よくあるQ&A
Q. 以前は真っ暗でも通っていたのに、いまは失敗します。
A. 2025年春のセキュリティ強化で、暗所で通りにくい/通らない挙動が広がりました。仕様寄りの変更のため、基本は照明を確保して使いましょう。
Q. ドライバーを削除しまくったら余計に悪化しました…
A. Windows Hello Software Deviceは削除しないのが安全です。メーカーも注意喚起しています。
Q. 「セットアップ」ボタン自体が出ません。
A. Windows Hello Face(オプション機能)が欠落している可能性。再インストールして再起動→顔の再登録を。
まとめ:いまの“正しい期待値”
- 2025年以降、暗所での顔認証は弱くなった(安全性を優先した結果)。
- そのうえで、オプション機能/ドライバー/データベース/照明を整えると、多くのケースは復旧します。
- 不安定な時期はPINや指紋の併用が現実解。外付けIRやUSBポート変更、ファーム更新も検討を。
Windows Helloの顔認証が突然使えなくなると、不安になりますが、ほとんどは設定や環境が原因です。
とくに2025年以降は照明条件(暗所での制限)やドライバーの不整合によるトラブルが増えています。
もし認識しないときは、
- 「Windows Hello Face」機能の有無を確認
- カメラと生体認証ドライバーを再セット
- 顔データを削除して再登録
- 照明と角度を調整
と、順番に見直せば高確率で復旧します。
どうしても改善しない場合は、PINや指紋認証を併用しながら様子を見ましょう。
今後の更新で改善されることも多く、焦らず丁寧にチェックしていくのがポイントです。
参考:公式ガイド/ベンダー資料
- Windows Hello 一般的な問題とヒント(Microsoft)Microsoft サポート
- Surface 向けトラブルシューティング(Microsoft)Microsoft サポート
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