ポイント先出し:0x800700002 は「指定されたファイルが見つかりません」の意味です。動画ファイルそのものが壊れているとは限らず、コーデック(再生に必要な部品)が不足していたり、保存場所や権限・パスに問題がある時にも出ます。まずは別プレーヤーで再生確認 → 保存場所をローカルに移動 → コーデックやアプリを整えるの順で、やさしく直していきましょう。根本原因が掴めない時はシステムの整合性修復(SFC/DISM)も有効です。0x800700002=ERROR_FILE_NOT_FOUNDであることは、Microsoftの公式資料にも載っています。

1. どんな場面で出るの?症状のイメージ
最近、Windows 11 の標準アプリ(「メディアプレーヤー」や旧「映画 & テレビ」)で、保存したはずの MP4 などの動画を開こうとすると、突然 0x800700002 が出て再生できない、という相談が増えています。他のプレーヤーでは普通に再生できるのに、標準だけ失敗する例もあります。Microsoft Q&A でも「Movies & TV で 0x80070002」という投稿が見つかっています。
ここで一つ覚えておきたいのは、0x800700002 = ERROR_FILE_NOT_FOUND(ファイルが見つからない)という、Windows 共通のエラーであること。実際の原因は「本当にファイルが無い」ケースだけではなく、必要なコーデックや内部コンポーネントが見つからない時にも同じコードになることがあります。
2. 原因をやさしく分解すると
A)コーデック不足・非対応
動画の「箱(MP4などのコンテナ)」は同じでも、中に入っている 映像・音声の圧縮方式(コーデック)が標準プレーヤーの守備範囲外だと再生に失敗します。Windows 10/11 のメディアプレーヤーは多くの形式に対応しますが、必要に応じて拡張コーデックの追加が必要になることがあります(例:HEVC/H.265、AV1、MPEG-2 など)。
参考:Microsoft 公式「Media Player のコーデック」では、追加で入れられる拡張コーデック(HEVC、AV1、MPEG-2 など)が案内されています。
B)保存場所・アクセス権・パスの問題
外付けドライブ/USB/ネットワークやクラウドに置いたまま再生しようとして、接続が切れている・アクセス権がない・パスが長過ぎる/特殊文字といった理由で「見つからない」扱いになることがあります(0x800700002 の性格上、こうした“見つからない”状況で出やすい)。
C)アプリやシステム側の不整合
Windows やアプリの更新の影響で、メディア再生に必要な内部ファイルが壊れたり欠けたりして、結果的に「見つからない」状態になることも。こういう時はアプリの修復/再インストールや、SFC/DISM での整合性修復が効きます。
D)エディション由来(Windows “N”)
欧州向けの Windows 10/11 “N” エディションは、メディア関連機能が最初から入っていません。Media Feature Pack を入れないと標準再生で困ることがあります。
3. いちばんやさしい直し方の順番(初心者向け・そのまま試せます)
下に行くほど“強め”の対処です。途中で直ったらそこで終わりで大丈夫です。
手順1:まず別の再生アプリで開いてみる(原因の切り分け)
標準プレーヤーだけで失敗しているのか、ファイル自体がダメなのかを確認します。
- 別の無料プレーヤー(例:VLCなど)で再生できる → コーデック/標準アプリ側の問題の可能性が高い
- どれでも再生できない → ファイル自体の破損や保存方法を疑う
(Q&Aでも「標準だけ失敗」のケースが報告されています)
手順2:保存場所をローカル(Cドライブ)に移す
ネットワーク/外付け/クラウド直下で再生している場合は、いったんデスクトップや「動画」フォルダーにコピーしてから開いてみます。USB の抜き差しやネットワークの待ち時間が原因でも 0x800700002 は起こり得ます。ファイル名を短め・記号少なめにして保存し直すのも効果的です。
手順3:必要なコーデック(拡張機能)を追加
動画の中身が HEVC(H.265) や AV1 の時、拡張コーデックを入れると直ることがあります。
- HEVC ビデオ拡張機能(Microsoft Store)※一部有償の場合あり。
- AV1 ビデオ拡張機能(無料/Microsoft Store)
公式「Media Player のコーデック」でも、これらの追加パックが案内されています。
Windows 10/11 “N” エディションの場合は、先に Media Feature Pack を入れて基本のメディア機能を有効化します。
手順4:メディアプレーヤーを修復/リセット/再インストール
設定 → アプリ → インストール済みアプリ →(メディアプレーヤー)を選んで、修復→ 直らなければリセット。旧「映画 & テレビ」を使っている場合は、PowerShell で一度アンインストール→ Microsoft Store から入れ直しで直ったという報告もあります(Q&Aの具体例)。
手順5:システムファイルの整合性を修復(SFC & DISM)
内部コンポーネントの欠損が疑われる時は、この2つで土台から直します。
- 管理者として「Windows ターミナル(またはコマンド プロンプト)」を開く
- 次の順に実行
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
SFCがシステムファイルを検査・修復し、DISMがWindowsイメージの不整合を補正します。Microsoftの手順でも0x800700002 とファイル欠損の関連が説明されています。
手順6:Windows Update で最新にする
メディア再生の不具合は更新プログラムで直ることがあります。OSやストア アプリ、コーデック拡張を最新にしてから再度試します。0x800700002 は「欠損ファイル」で起こりやすいため、更新+再起動は有効です。
4. それでも再生できない時の“回避策”
- 別プレーヤーに切り替える
標準アプリにこだわらず、コーデック内蔵型プレーヤーを使うと、難しい設定なしで再生できることがあります。Q&Aでも標準→再インストール/別アプリで解決の事例が見られます。 - 動画を別形式に変換する
編集ソフトや変換ツールで、H.264/AAC(MP4)など標準で強い形式に変換しておくと、以後の再生が安定します。 - 保存の作法を見直す
長すぎるパスや絵文字・記号だらけのファイル名、ネットワーク越し再生、取り外しがちなUSB直再生は失敗の元。ローカル短パス・半角英数字・バックアップ二重化で事故を減らします。
5. よくある質問(初心者の不安に回答)
Q1:ファイルが壊れているんでしょうか?
→ そうとは限りません。標準アプリが対応していないコーデックだったり、保存場所・権限の問題でも同じエラーになります。まず「別プレーヤー」「ローカル保存」で切り分けましょう。
Q2:HEVC や AV1 の拡張が必要かどうか見分けられますか?
→ ファイルのプロパティや「MediaInfo」などのツールで映像コーデックを確認できます。HEVC(H.265)/AV1なら、Microsoft Store の拡張を入れると改善することがあります。
Q3:Windows “N” って何ですか?
→ EU向けのエディションで、メディア機能が最初から省かれているタイプ。Media Feature Pack を入れないと、標準の再生や録音が不便です。
Q4:コマンド操作は怖いのですが…
→ SFC/DISM は公式にも載っている基本の修復手順です。貼り付けだけで動き、失敗しても元に戻せます。アプリの修復→ダメなら SFC/DISM → 更新の順なら安全性が高いです。
6. 予防のコツ(次から困らないために)
- 撮る・保存する時点で汎用コーデック(H.264/AAC)を選べるなら優先
- フォルダー構成は浅く、名前は短く・記号少なく
- ネットワーク越しの動画は一度ローカルにコピーしてから再生
- Windows とストアアプリ/コーデックを定期更新
- “N” エディションなら Media Feature Pack を早めに導入 を。
7. まとめ(安心して進めたい方へ)
0x800700002 は、文字だけ見ると不安になりますが、コーデック不足や保存場所の都合でも出る“よくある”エラーです。この記事どおりに切り分け → コーデック追加 → アプリ修復/SFC/DISM → 更新の順で進めれば、多くのケースで再生できるようになります。動画そのものを壊さない対処だけを紹介していますので、安心して試してください。万一うまくいかない場合は、別プレーヤーの併用や変換でしのぎつつ、原因を落ち着いて探していきましょう。
付録:必要なリンクまとめ(公式)
- システムエラーコード(0x2=ERROR_FILE_NOT_FOUND) Microsoft Learn
- Windows 10/11 “N” 向け Media Feature Pack マイクロソフト サポート
- SFC/DISM での整合性修復に関する参考(Q&A) Microsoft Learn
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最後に(編集メモ)
- 本記事は 2025年11月時点で、Microsoft公式の資料やQ&Aの最新情報を確認して作成しています(コーデック拡張/Media Feature Pack/Q&A事例など)。仕様やストアのページは変わることがあるため、適宜追記・更新予定です。
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