【2025年版】「このアプリは保護のためにブロックされました」SmartScreenの仕組みと解除方法

Windowsでアプリを起動しようとした際、

「このアプリは保護のためにブロックされました」

という警告が出てしまい、作業が進まなくなることがあります。

これはSmartScreen(スマートスクリーン)機能によるもので、悪意のあるアプリからユーザーを守る目的で設けられたセキュリティ機能です。


しかし、正規のアプリでもブロックされてしまうケースがあるため、困ってしまうユーザーも多いようです。そこで今日は、SmartScreenの仕組みから、通常の対処法、そして通常の方法では解決しない場合の上級者向けの裏技まで、詳しく解説したいと思います。

SmartScreenとは?

smart screenイメージイラスト

SmartScreenは、Microsoftが提供するクラウドベースのセキュリティフィルターです。主な役割は以下の通りです。

  • 信頼できないアプリやファイルの実行を警告・ブロック
  • フィッシングサイトや悪意のあるダウンロードを防止
  • Microsoft Edgeやアプリ実行時、メール添付ファイルなどで機能

▶︎SmartScreenはWindows Defenderの一部として統合されており、Windows 10以降の標準機能となっています。

よくある警告メッセージの例

警告文表示される場面
このアプリは保護のためにブロックされました管理者が許可していないアプリを実行したとき
WindowsによってPCが保護されましたSmartScreenが不明なアプリを検出したとき
このファイルの発行元を確認できません署名されていない実行ファイルをダウンロードしたとき

これらのメッセージはすべて「未確認アプリ」または「ユーザーの操作によって害が及ぶ可能性がある」と判断されたときに出現します。

基本的な対処方法(初心者向け)

● 「詳細情報」をクリックして「実行」

  1. エラー画面が表示されたら、「詳細情報」をクリック
  2. 「実行する」ボタンが表示されるのでクリック

これはSmartScreenが「怪しいけれど自己責任なら許可する」という状態にあるときのみ有効です。

● 管理者権限での実行

  1. 該当アプリを右クリック
  2. 「管理者として実行」を選ぶ

これにより、SmartScreenではなくUAC(ユーザーアカウント制御)側の判断に委ねられるケースもあります。

【補足】※ユーザーアカウント制御(UAC)とは、Windowsが不審な操作やシステム変更を検知した際に警告を表示し、ユーザーの許可を求める仕組みです。SmartScreenとは別に、PCの安全を守る役割を担っています。

● SmartScreenの一時的な無効化(※安全確認済みの場合のみ)

  1. 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」
  2. 「アプリとブラウザー コントロール」→「SmartScreen」
  3. 「Microsoft Defender SmartScreen」を「オフ」に設定

注意:この設定はセキュリティリスクを伴います。操作後は必ず元に戻してください。

通常の対処では解決できない場合(実例)

最近では、以下のような「詳細情報を押しても実行できない」「そもそもボタンが出ない」という事例が報告されています。

● 原因の一例

  • WindowsのグループポリシーでSmartScreenが強制オンにされている
  • 管理者権限ユーザーでも実行制限がかかっている
  • アプリのファイル属性に「ブロック」がついている

上級者向けの裏技・回避法(自己責任で!)

ここからは、通常の方法では解決できなかった方に向けた少し高度な対処法をご紹介します。これらはあくまでも“自己責任”で行うことを前提としており、操作を誤るとシステムに影響を与える可能性もあるため、事前のバックアップや慎重な確認を強くおすすめします。

● ファイルのブロック解除(プロパティから)

  1. 実行したい .exe ファイルを右クリック
  2. 「プロパティ」を開く
  3. 「全般」タブの「セキュリティ」欄に「ブロックの解除」チェックボックスがあれば、チェックを入れて「適用」

● グループポリシーでSmartScreenを無効にする(Pro以上のエディション)

  1. 「gpedit.msc」でローカルグループポリシーエディターを起動
  2. 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「Windows Defender SmartScreen」
  3. 「SmartScreenフィルターを構成する」をダブルクリックして「無効」に設定

● レジストリでSmartScreenを無効化(Homeエディション向け)

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\System]
“EnableSmartScreen”=dword:00000000

※レジストリ編集は非常にリスクが高いため、バックアップを取ってから慎重に行ってください。

それでも改善しない場合の最終手段

  • アプリをZIPに圧縮して別の環境で展開
  • USB経由で他PCに移動し、署名された別の環境で動作させる
  • Microsoft Storeまたは正規の配布元から最新版をダウンロード
  • 管理者権限+互換モードでの実行(Windows 7など)

ここまで試しても問題が解決しない場合、無理に回避しようとせず、一度立ち止まって『本当にそのアプリが必要か』『正規の手段で提供されているか』を見直すことも大切です。とくに業務用途や重要なデータに関わるアプリであれば、開発元への問い合わせや、代替手段の検討も視野に入れるべき段階かもしれません。

まとめ

SmartScreenは、Windowsユーザーをマルウェアやフィッシング攻撃などの脅威から守るための重要なセキュリティ機能です。しかし、すべてのアプリケーションがMicrosoftの基準を満たしているわけではないため、正規のソフトウェアや個人開発のツールでもブロックされることがあります。

状況対処法
初回のみ警告が出る「詳細情報」→「実行する」でOK
毎回ブロックされるアプリのプロパティで「ブロック解除」
SmartScreenが強制されているグループポリシー or レジストリで制御(要注意)
通常方法で解決しないZIP圧縮、他環境、または開発元へ確認

今回ご紹介した対処法は、「一時的な回避」から「恒久的な無効化」まで幅広く網羅しています。ただし、セキュリティを下げる操作(SmartScreenの無効化やレジストリ編集など)は慎重に行う必要があります。操作後は設定を戻すことも忘れないようにしましょう。

また、SmartScreenが反応する背景には、アプリに対する信頼スコアや、Microsoftに収集された使用実績データの欠如などが影響しています。そのため、新規作成されたアプリや知名度の低いツールは、危険性がなくても警告対象になる可能性があります。

万が一、どの方法でも実行できない場合は、アプリの配布元に確認を取ったり、署名付きのバージョンが提供されていないか確認するのも有効です。

「便利だから」「よく使っているから」といって安易に警告を無視するのではなく、アプリの出所や実行内容を見極めながら、安全と効率のバランスをとることが大切です。

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