
はじめに
Windows には、ネットワーク、オーディオ、Windows Update、Bluetooth などの不具合を自動で診断して直してくれる 「トラブルシューティングツール」 が標準搭載されています。しかし 2024〜2025 年にかけて、
「トラブルシューティングが途中で止まる/修復できない/起動しない」
という相談が急増しています。これは、Windows 11(24H2 / 25H2)でトラブルシューティング機能が“段階的に廃止”され、Get Help アプリへ統合されつつあるためです。その結果、
- 従来の診断ツールが正しく動かない
- Update の一部モジュールが壊れてツール自体が動作不可
- WMI・DPS(診断ポリシーサービス)破損によりエラーが増加
という状況が発生しています。
この記事では、2025年の最新仕様を踏まえた「正しい原因」「有効な対処法」「裏ワザ修復」 を、初心者にもわかりやすくまとめました。同じ症状で悩んでいる人に多く読まれている記事ですので、ぜひ順番に試してみてください。
- 1 主な症状・エラー例
- 1.1 【原因①】Windows 11でトラブルシューティングが“廃止・縮小”されている
- 1.2 ✔ 対策:「Get Help」で最新の修復を使う(今はこれが最優先)
- 1.3 【原因②】システムファイルの破損(SFC / DISM で修復)
- 1.4 【原因③】Windows Update の不具合
- 1.5 【原因④】診断ポリシーサービス(DPS)が壊れている
- 1.6 【原因⑤】WMI(Windows管理インフラ)の破損
- 1.7 【原因⑥】セキュリティソフト・VPN・プロキシ干渉
- 1.8 【裏ワザ①】セーフモードで SFC / DISM を実行すると成功率UP
- 1.9 【裏ワザ②】クリーンブートで診断
- 1.10 【裏ワザ③】PowerShell で失敗した機能だけ再インストール
- 2 【最新:イベントビューアーで原因をピンポイント特定】
- 3 【最新まとめ表】
主な症状・エラー例
以下のようなメッセージが出ている場合は、このページの手順で改善できます。
- 問題を特定できませんでした
- 問題は検出されましたが自動的に修復できませんでした
- エラー 0x80070005(アクセス拒否)
- エラー 0x80070057(パラメータが無効です)
- 解決策が見つかりませんでした
- ツールが強制終了する・途中でフリーズする
【原因①】Windows 11でトラブルシューティングが“廃止・縮小”されている
2024〜2025年、Microsoftは次の方針を発表しました。
従来の「トラブルシューティング」ツールは非推奨となり、自動修復は “Get Help(サポートアプリ)” に統合していきます。そのため、Windows 11 24H2 / 25H2 環境では
- 一部の診断モジュールが削除または利用不可
- [ネットワーク診断] が Get Help にリダイレクトされる
- Update トラブルの自動修復が正常に動かない
という現象が増えています。
✔ 対策:「Get Help」で最新の修復を使う(今はこれが最優先)
Windowsキー → get help → Enter「ネットワーク」「Windows Update」「オーディオ」など症状を入力すると
Microsoft公式の診断が実行され、最新の修復手順が案内されます。
従来ツールより精度も高く、実際に“直る確率”はこちらの方が上がっています。
【原因②】システムファイルの破損(SFC / DISM で修復)
従来のトラブルシューティングは内部で
システムファイル (SFC) や Windows イメージ (DISM) を参照して動作しているため、
ここが壊れると診断そのものが失敗します。
✔ 対策 1:SFC 修復
管理者コマンドプロンプトで
sfc /scannow✔ 対策 2:SFC で直らない場合は DISM
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth→ 24H2 / 25H2 の不具合では DISM 側が壊れていることが非常に多い ため、必ず両方実行してください。
【原因③】Windows Update の不具合
(2024〜2025年ごろから、こうした相談が目立つようになってきました。)
最近の累積更新(LCU)はサイズが非常に大きく、途中で失敗したり、一部の修復モジュールが壊れたまま残るとトラブルシューティングツールが起動できなくなります。
✔ 対策:更新コンポーネントをリセット
※「管理者」として実行したコマンドプロンプトで入力してください。
net stop wuauserv
net stop bits
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
net start wuauserv
net start bits
実行後、Windows Update → 再起動 → トラブルシューティングを再挑戦してください。
【原因④】診断ポリシーサービス(DPS)が壊れている
トラブルシューティングの根幹を支えるサービスが DPS(診断ポリシーサービス) です。
突然停止している、依存関係が壊れていると、診断が開始できません。
✔ 対策:サービスを修復
管理者コマンドプロンプトで
sc config DPS start= auto
sc start DPS
サービス一覧(services.msc)から「診断ポリシーサービス」が実行中になっているか確認し、停止している場合は開始してください。
【原因⑤】WMI(Windows管理インフラ)の破損
WMI は Windows 全体の情報を集める基盤で、
ここが壊れるとトラブルシューティング全般が動作不能になります。
24H2 / 25H2 では WMI エラーが非常に増えています。
✔ 対策:WMI リポジトリ修復
管理者コマンドプロンプト
winmgmt /verifyrepository
winmgmt /salvagerepository
必要なら再構築(慎重に)
winmgmt /resetrepository
※実行前に復元ポイントかバックアップを推奨します。
【原因⑥】セキュリティソフト・VPN・プロキシ干渉
最近の事例では、サードパーティ製セキュリティソフトやVPNが原因になっているケースも見られます。
✔ 対策
- 一時的にアンチウイルスをオフ
- VPN/プロキシを切断
- 企業PCなら IT管理部署に確認
【裏ワザ①】セーフモードで SFC / DISM を実行すると成功率UP
セーフモードでは余計なプロセスが動かないため、破損箇所の修復が通りやすくなります。
【裏ワザ②】クリーンブートで診断
msconfig → サービス →
「Microsoft 以外をすべて無効化」→ 再起動 → 再実行。
常駐アプリが邪魔している場合に効果的。
【裏ワザ③】PowerShell で失敗した機能だけ再インストール
Get-WindowsCapability -Online |
Where-Object {$_.State -eq ‘InstallFailed’} |
Add-WindowsCapability -Online
特定コンポーネントだけ壊れている場合に有効。
【最新:イベントビューアーで原因をピンポイント特定】
ツールが止まった時刻のログを見ると、どのサービス・どの DLL が失敗したかがわかります。
特に以下をチェックしてみてください。
- Application
- System
- Microsoft-Windows-Diagnostics-Performance
DPS / WMI / WinUpdate 関連の赤アイコン があればそこが原因です。
【最新まとめ表】
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| 従来のトラブルシューティングが段階的に廃止・縮小 | Get Help アプリから新しいトラブルシューティングを実行する |
| システム破損 | SFC / DISM |
| Windows Update 失敗 | SoftwareDistribution リセット |
| DPS(診断ポリシー)エラー | sc config / start |
| WMI破損 | winmgmt で修復 |
| セキュリティ干渉 | アンチウイルス・VPN停止 |
| 深刻な破損 | システム復元 / 再インストール |
今後の予防策
- Windows Update はこまめに適用
- 大型更新前にバックアップ
- フリーソフトの入れすぎに注意
- セキュリティソフトの多重インストールは避ける
- WMI 破損が起きやすいので、不要なレジストリクリーナーを使わない
Windowsのトラブルシューティングは決して万能ではありませんが、今回ご紹介した方法を順番に試すことで、多くの不具合は改善できます。
もし途中で行き詰まったとしても、「必ず直る方法はある」 と思って、焦らず一つひとつ確認してみてください。特に、24H2・25H2 では内部仕様の変更が多く、従来の方法ではうまくいかないケースも増えています。そんなときこそ、今回のような「手動修復」の知識が役に立ちます。
あなたのPCが無事に元の状態に戻り、また快適に作業できるようになることを願っています。
おすすめ関連記事
・Windows 11でデフラグは必要?SSD時代の正しい“最適化”を完全解説

