【まとめ】2025年6月のWindows Updateで発生した主な不具合と考察|起動不能・DHCP異常・HDRトラブルなど

Windows Update適用後にエラー0xc0000098が表示され、起動不能となったノートPCと困惑する男性エンジニアのイメージ

2025年6月11日(日本時間)に配信されたWindows Update(バッチチューズデー)では、複数の深刻な不具合が報告されました。

この記事では、実際に報告されている主なトラブルについて技術的な視点から整理し、現時点でわかっている原因や対応状況、さらに7月以降のアップデートで修正される可能性について解説します。

2025年6月のアップデートで起こったエラー解説

1. システムが起動しない|エラー「0xc0000098」

2025年6月のアップデート適用直後に、一部のPCで「0xc0000098」エラーが発生し、システムが起動しなくなる問題が報告されました。このエラーはブート構成データ(BCD)の破損に関連しており、更新プログラムが起動セクターの処理に何らかの影響を及ぼしたと考えられます。

影響を受けた機種には、富士通、GIGABYTE、マウスコンピューターなどが含まれており、特定のUEFI設定やセキュアブートの構成との相性が疑われています。

▼関連記事:0xc0000098エラーの原因と対処法

2. DHCPサービスが動作しない

ネットワークが不安定になる、IPアドレスが取得できないといった報告が複数上がっており、調査の結果、DHCPサービスの動作停止や遅延が原因であるケースが確認されています。特にWindows Server環境や業務用ノートPCでの影響が目立ちました。

なお、この問題はプレビュー更新プログラム(KB5060533)や一部の累積更新(KB5060842)に関連していたとの指摘もあります。

▼関連記事:KB5060842の不具合と解決策まとめ

3. HDR対応ディスプレイで音が出ない

Dolby VisionなどのHDRコンテンツに対応したモニターを接続している環境で、アップデート適用後に音が出なくなる現象が報告されました。これはドライバの互換性問題や、WindowsのHDRレンダリング処理に変更が加えられたことが原因と見られています。

サウンドデバイスの再設定や、HDR設定の一時無効化によって改善される場合があります。

▼関連記事:HDRモード時に音が出ないトラブルの対処法

4. プレビュー更新プログラムによる不具合

月末に配信されたプレビュー更新(KB5060533など)では、一部環境でブルースクリーン(BSOD)やアプリのフリーズが発生しています。プレビュー更新は任意インストールであり、リリース前の最終検証段階に位置づけられるため、安定性に不安がある場合は様子見が推奨されます。

▼関連記事:KB5060533の不具合と注意点

5. 特定機種でのフリーズやパフォーマンス低下

一部のユーザーからは、アップデート適用後にエクスプローラーが異常に重くなる、またはマウスの操作にラグが生じるといった報告もあります。これは24H2更新後の既知の不具合と関連している可能性があります。

▼関連記事:エクスプローラーが重くなった時の対処

6. 今後の展望と7月のアップデート予想

これらのトラブルを踏まえ、7月のバッチチューズデー(2025年7月9日予定)では、起動不能やネットワーク障害など、緊急性の高い問題から順次修正が行われると見られています。Microsoftは現在、各OEMメーカー(富士通・GIGABYTEなど)と連携し、問題の再現性や影響範囲を調査中です。

なお、今回のような「大型トラブル」が発生した際は、次回更新内容の事前告知が増える傾向があります。今後のMicrosoft UpdateカタログやWindows公式ブログでの告知にも注目しておきましょう。

7. なぜ毎月のWindows Updateでトラブルが発生するのか?

Windows Updateは、毎月数十種類のパッチやドライバ、セキュリティ更新を一斉に配信するため、PC環境や構成によっては想定外の相互作用が起こることがあります。特に2025年は「Windows 11 24H2」や「無償ESU」など大きな移行期にあたるため、テスト環境と実機環境の差異が顕在化しやすい状況です。

また、企業やメーカー向けに提供されているカスタムBIOSやOEMドライバが標準的なパッチと競合するケースもあり、特定の機種や構成でのみエラーが発生する要因となっています。

8. 予防策と対応方針

トラブルの未然防止には、月例アップデート前のバックアップ取得が最も有効です。また、企業や個人のPCでも「更新を即適用するグループ」と「様子見をするグループ」に分けて運用することで、重大な問題を広範囲に拡大させない体制が作れます。

加えて、トラブル発生時には「回復オプション」や「セーフモードからの復元ポイント実行」が有効な手段となります。これらは普段から設定しておく必要があるため、更新前の事前準備こそが最重要のリスク管理といえるでしょう。

Microsoftが提供している「Windowsリリースヘルスダッシュボード」では、既知の問題や回避策が随時更新されており、管理者や上級者はここを監視するだけでも十分に有用です。

▼参考:Windows リリース ヘルス(公式)

9. ユーザーとMicrosoftの間にある“情報ギャップ”

多くのユーザーが直面する課題のひとつに、「Microsoftからの情報がわかりにくい」「トラブルの原因が曖昧なまま」という“情報ギャップ”があります。これはMicrosoftが全世界の膨大なハードウェア構成を一律に検証できないという限界から来ており、特に日本国内メーカーの機種では症状が再現されにくい場合があります。

そのため、公式情報だけではカバーしきれない“現場レベルの事象”を、ユーザーや技術者同士が共有し合うことがますます重要になっています。実際、技術系フォーラムや個人ブログなどの一次情報が、Microsoftの正式アナウンスよりも早く的確な解決策を示すことも少なくありません。

10. 信頼できる情報ソースを活用しよう

今後もアップデート関連のトラブルはゼロにはなりません。だからこそ、信頼できる第三者の情報源を確保しておくことが重要です。たとえば、弊サイト「きみよや」でも、Windowsアップデートに関する不具合や回避策、検証結果を随時公開しています。

また、英語圏の技術系掲示板(例:Microsoft Q&A、Redditのr/Windows11など)では、早期に発生した事例の共有が行われており、原因が判明していない段階でも迅速なヒントが得られることがあります。エンジニアやIT担当者の方は、こうした情報網を日常的に活用することで、未知の不具合に対しても落ち着いた対応が可能になります。

まとめ

2025年6月のWindows Updateは、エラー0xc0000098をはじめ、複数のクリティカルな不具合が発生した波乱の月でした。以下に一覧表を作ってみました。

不具合の種類主な影響想定される原因参考リンク
起動不能(0xc0000098)PCが起動しない/修復画面に入るBCD破損・セキュアブートの競合記事を見る
DHCPサービス不具合IPアドレス取得失敗・ネット不通サービス停止・KB5060842の影響記事を見る
HDRディスプレイの音声不具合HDR有効時に音が出ないオーディオドライバとの非互換記事を見る
KB5060533関連のBSOD更新後のブルースクリーンプレビュー版特有の安定性問題記事を見る
エクスプローラーの動作遅延ファイル表示や操作が重い24H2との互換性問題記事を見る

ユーザー側でも、トラブルの傾向や解決策を正しく把握し、過去の事例を活かして更新を判断することが重要です。本記事で紹介したように、エラーが発生しても適切な対処を講じれば回避可能なケースも多く、引き続き冷静な情報収集とトラブル対応が求められます。

今回のように、Windows Updateには利便性やセキュリティ向上の反面、環境によって予期しない不具合が発生する可能性もあります。特に2025年は大規模な仕様変更や延長サポートの移行期にあたるため、例年以上に慎重な対応が求められます。

更新を見送る判断も大切ですが、トラブル発生時の冷静な対応力も重要です。本記事が、今後のアップデート対策や不具合時の参考になれば幸いです。

「きみよや」では、今後も最新のWindows関連トラブルとその対処法を継続的に検証・共有していきます。ぜひブックマークやシェアなどで、困ったときにすぐアクセスできるようにしておいてください。

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