Windows 11「KB5063060」が失敗する・進まないときの原因と直し方(2025年最新版)

「Windows Update KB5063060のエラーを示すグラフィック。警告アイコンとWindowsロゴが表示され、エラーコードが中央に大きく描かれている。

最終更新:2025-11-09(JST)

2025年6月11日、Microsoftは Windows 11 24H2 向けに臨時(OOB)累積更新KB5063060」を公開しました。主に Easy Anti-Cheat と互換性のあるドライバーに関するブルースクリーン(停止エラー)を解消する目的の更新で、適用後のOSビルドは 26100.4351 になります。既知の注意点や修正済みの周辺不具合も公表されています。

ただし、環境によっては適用が失敗する/途中で止まるという報告もあります。本記事では、まず何を確認し、どの順で直すと成功率が高いかを、初心者でも実践しやすい手順で解説します。手動インストール用公式カタログも紹介します。


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KB5063060の位置づけ(ざっくり要点)

  • 配信形態:臨時(OOB)累積更新。主に 24H2 向け(26100 系)に提供。適用後は OS Build 26100.4351
  • 主目的:一部ゲームで使われる Easy Anti-Cheat に関連する互換性問題の解消。
  • 既知の注意点(当時):96DPI環境で Noto フォントの文字の明瞭度が低下する事例、Microsoft Print to PDF の問題(後続の KB5060829 で対処)などが告知。
  • 配布パッケージMicrosoft Update カタログに掲載あり(手動ダウンロード可)。

なお、24H2 ではゲーム互換性に絡む“保留(safeguard hold)”が段階的に解除されてきました。ゲーム側や Easy Anti-Cheat の更新で状況が改善するケースもあります。


まずは「失敗の型」を切り分ける

  1. Windows Update 画面に「ダウンロード/インストールの繰り返し」や エラーコード表示がある
    • 例:0x80073701(コンポーネント破損系)、0x800f0922(構成・依存要件で失敗など)、0xc1900101(ドライバー絡み)…といったユーザー報告が散見。詳細は後述の汎用対処でカバーします。
  2. 途中で止まる/再起動ループ
    • キャッシュ破損や常駐アプリ/ドライバー干渉の典型です。
  3. 手動インストール(.msu)でも失敗
    • システムファイル破損やサービス停止が疑わしい→ DISM / SFCTrustedInstaller確認へ。

成功率が高い“順番”で直す(安全策 → 強めの策)

① Windows Updateのキャッシュをリセット(定番の初手)

  1. スタートボタン右クリック → Windows ターミナル(管理者)
  2. 次を順に実行

net stop wuauserv
net stop bits
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
net start wuauserv
net start bits

Update 用キャッシュを再生成させます。再度 Windows Update を実行。

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② TrustedInstaller(Windows Modules Installer)を起動&自動に

sc config TrustedInstaller start=auto
net start TrustedInstaller

更新適用の“要”となるサービス。停止していると更新に失敗します。

③ DISM と SFC でシステムを修復

  1. 管理者のコマンドプロンプトを開く
  2. 次を順に実行

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow

DISM はコンポーネント ストア、SFC はシステムファイルを修復します。完了後に再起動→再度更新。

セーフモードで更新を実行

  • 設定 → システム回復今すぐ再起動 → トラブルシューティング → スタートアップ設定 → 再起動 → 数字 4(セーフモード)
  • 起動後に Windows Update を実行

常駐アプリやドライバーの干渉を避けられます。

手動インストール(Microsoft Update カタログ)

  1. 公式カタログを開く → KB5063060 を検索
  2. 自分のエディション/アーキテクチャに合う .msu をダウンロードして実行

それでもダメなら:原因別の“もう一手”

A. ドライバーの相性(0xC1900101 など)

  • GPU/Wi-Fi/オーディオは影響が出やすい部位。
  • デバイス マネージャー → そのデバイスの ドライバーのロールバック を実施 → 再起動後に更新。
  • ゲームを使う環境は Easy Anti-Cheat を含むゲーム側更新も要確認。

B. ディスク空き容量が少ない

  • Cドライブに 10GB 以上を目安に空ける(ストレージ センサー/不要アプリ削除、または一時的に外付けへ退避)。
  • 大型適用ほど一時領域を消費します。

C. 常駐アプリの干渉(セキュリティ/チューナー/ユーティリティ)

  • クリーンブート
    1. msconfigサービス →「Microsoft のサービスをすべて隠す」→ すべて無効
    2. スタートアップ →「タスク マネージャーを開く」→ 無効
    3. 再起動 → 更新を実行

D. Windows Update 専用のトラブルシューティング

  • 設定 → システムトラブルシューティングその他のトラブルシューティングWindows Update実行

E. ログから詳細原因を特定(上級)

  • C:\Windows\WindowsUpdate.log
  • C:\Windows\Logs\CBS\CBS.log

“failed”“error” や該当コードで検索し、エラー箇所を特定。必要ならその部分の対処を深掘り。

F. インプレース アップグレード(上書き修復)

  • 個人データを保持したまま Windows を“上書き”して整える方法。
  • 公式の Windows 11 ダウンロードページからメディア作成ツール(またはインストール アシスタント)で実施。

既知の注意事項(KB5063060 公開当時)

  • フォント明瞭度(Noto 系)@96 DPI:文字が薄く見える報告(告知)。
  • Microsoft Print to PDF の不具合は後続 KB5060829 で解消案内。
  • SSU(サービス スタック更新)は KB5059502

まとめ:やる順番チートシート

1)キャッシュ初期化

2) TrustedInstaller 自動&起動

3) DISM / SFC
4) セーフモードで更新

5) 手動インストール(カタログ)
→ A〜F の深掘り(ドライバー/空き容量/クリーンブート/トラブルシューター/ログ/上書き修復

ポイント:ゲーム環境は Easy Anti-Cheat やゲーム本体の更新も忘れずに。保留解除後はアップグレードの間口が広がっています。


よくある質問(FAQ)

Q. KB番号で検索しても見つからない/別のビルドが出る

A. カタログはエディション/アーキテクチャで分かれます。必ず自分の環境に合うパッケージを選んでください。

Q. 22H2 でもエラーが出る

A. 22H2 側は別の累積更新が当たる月もあります。Windows Update の履歴で失敗している KB を確認し、該当 KB をカタログから手動適用する手順が有効です。

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