最近、Windowsのアップデート後に「今まで共有できていたフォルダーが突然アクセスできなくなった」という声が増えています。この記事では、そうした共有フォルダーのトラブルがなぜ発生するのか、またその解決策について詳しく解説いたします。
よくある症状
Windowsアップデート後に以下のような症状が見られる場合は、フォルダー共有の設定やシステムの変更が原因かもしれません。
- ネットワーク経由で他のPCから共有フォルダーにアクセスできなくなった
- 「アクセス権がありません」と表示される
- 共有設定は正しいのに、フォルダーが見えない
- パスワードを求められるようになった
主な原因

アップデートによる設定の初期化
Windows Updateは、セキュリティ向上のために共有設定を自動で変更・リセットすることがあります。これにより、以前許可されていたフォルダー共有が無効になる場合があります。
ネットワークプロファイルの変更
アップデート後、ネットワークの種類が「プライベート」から「パブリック」に変わってしまうことがあります。パブリックネットワークでは、セキュリティ上の理由から共有機能が制限されます。
サービスが無効化されている
「Function Discovery Resource Publication」や「SSDP Discovery」など、ネットワーク共有に必要なWindowsサービスが無効化されているケースも報告されています。
SMBプロトコルの無効化
特に古いNAS(ネットワークストレージ)や他のOSと接続している場合、SMB 1.0などのレガシープロトコルが必要ですが、セキュリティ強化のためにアップデートで自動的に無効にされることがあります。
対処法
ネットワークプロファイルを確認・変更する
- [設定] → [ネットワークとインターネット] を開きます
- 使用中のネットワークを選びます
- 「ネットワークのプロファイル」を「プライベート」に設定します
これにより、共有機能が有効化されやすくなります。
共有設定を見直す
- [設定] → [ネットワークと共有センター] → [共有の詳細設定の変更] へ
- 「ファイルとプリンターの共有を有効にする」
- 「パスワード保護の共有を無効にする(任意)」
これらの設定を再度確認して有効にしておきましょう。
必要なサービスを起動する
「Windowsキー + R」で「services.msc」と入力し、以下のサービスが「自動」かつ「実行中」になっているか確認します:
- Function Discovery Provider Host
- Function Discovery Resource Publication
- SSDP Discovery
- UPnP Device Host
必要に応じて、右クリック → 「プロパティ」→ スタートアップの種類を「自動」に設定しましょう。
SMB機能を有効にする(必要な場合のみ)
※古いNASなどと接続する場合に限ります。
- [Windowsの機能の有効化または無効化]を検索して開く
- 「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」にチェックを入れる
- OK → 再起動
※セキュリティリスクがあるため、業務環境などでは慎重に判断してください。
それでもダメな場合
- 一時的なバグの可能性:マイクロソフトが不具合として報告しているケースもあります。
- ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの問題:共有元とアクセス側のアカウント種類の違いが影響することもあります。
- グループポリシーの影響:企業ネットワークでは管理者による制限が加えられていることもあります。
まとめ
Windowsアップデート後にフォルダー共有ができなくなるのは珍しいことではありませんが、多くの場合、設定の見直しや必要なサービスの再起動で解決できます。以下のポイントを押さえておくと安心です。
- アップデート後は共有設定を必ず確認する
- ネットワークプロファイルが「プライベート」になっているかをチェック
- 共有に必要なサービスが有効か確認する
- 必要であればSMB 1.0を有効にする(リスクも理解する)
共有フォルダーのトラブルは、突然発生するととても困りますが、原因をひとつずつ確認していくことで多くは解決できます。アップデート後の不具合に慌てず、落ち着いて設定やサービスの状態を確認してみましょう。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
【Microsoft公式サイト・https://www.microsoft.com/ja-jp】
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