— パソコンが苦手でもわかるやさしい手順 —

はじめに:なぜ「手動更新」なの?
普段は「設定」から自動で更新できますが、次のような場面では手動で更新すると解決が早いことがあります。
- Windows Updateが「0%のまま」「ダウンロード中のまま」止まる
- 特定の更新プログラム(KB)だけ先に入れたい
- オフラインや社内ネットワークで台数をまとめて更新したい
- 不具合の修正が公開されたので、なるべく早く適用したい
この記事では、パソコンが苦手な人でも迷わない順番で解説します。
手動更新の前に:安全チェックリスト
作業前に、次の4点だけ確認してください。これで失敗の多くを避けられます。
- 電源とバッテリー:ノートPCはACアダプターを接続します。
- 空き容量:目安としてCドライブに20GB以上。足りない場合は先に整理してください。
- ネットワーク:できれば有線LAN。Wi-Fiは不安定な場合があります。
- 常駐の干渉:セキュリティソフトやVPNを一時停止し、終わったら必ず戻します。
自動のトラブルシューティングも最初に実行しておくと効果的です(「設定」>「システム」>「トラブルシューティング」>「その他のトラブルシューティング ツール」>「Windows Update」を実行)。
全体の流れ(今日はここだけ覚えればOK)
- 自分の環境を確認(Windowsのバージョン・エディション・OSビルド)
- 更新内容を調べる(「既知の不具合」や対象KBを確認)
- 更新プログラムを入手(Microsoft Update カタログからダウンロード)
- インストールする(.msu/.cab を実行 → 再起動)
- 仕上げの確認(更新履歴とOSビルドをチェック)
以下、ひとつずつ丁寧にご案内します。
1. 自分のWindowsを確認する
- 画面左下の検索に winver と入力してEnter → バージョン(例:24H2/25H2)とビルド番号をメモします。
- あるいは「設定」>「システム」>「バージョン情報」でも確認できます。
どの更新を入れるかは、この情報で決まります。Windows 11 25H2/24H2など、ご自身のバージョンに合うパッケージを必ず選びます。
2. 既知の不具合と対象KBを確認する
更新の前に、その月の既知の問題や対象のKB番号を確認します。Microsoftの「リリースヘルス」に、配信状況や既知の不具合が整理されています。たとえば Windows 11 25H2 のページはこちら(ブックマーク推奨です)。
また、毎月の累積更新(LCU)には個別ページがあり、「この更新にSSU(サービシングスタック更新)が同梱されているか」などの注意が書かれています。Windows 11では原則、LCUにSSUが同梱されるため、別々に入れる必要はほとんどありません。
例)2025年9月の累積更新 KB5065426 のページに、
「最新のSSUはLCUに同梱しています」と明記されています。
3. 更新プログラムを入手する(Microsoft Update カタログ)
3-1. 何をダウンロードすればいい?
手動更新の公式な入手先はMicrosoft Update カタログです。検索欄に KB番号(例:KB5065426)を入力し、自分のバージョン・アーキテクチャ(x64 / Arm64)に合うものを選んでダウンロードします。
ポイント
- 「Windows 11, version 25H2 for x64-based Systems」のようにバージョンとアーキテクチャが一致していることを確認します。
- 企業PCでは管理者の方針に従ってください(WSUS/Intuneで配布する場合もあります)。
3-2. 代替手段(バージョン更新そのものが目的のとき)
「月例の累積更新」ではなく、25H2へ上げたいなどバージョン更新が目的なら、Windows 11 インストールアシスタントやISOも利用できます(公式ページに手順がまとまっています)。
4. インストールする(.msu/.cab の適用)
ダウンロードしたファイルの拡張子が .msu の場合は、ダブルクリックでインストーラーが起動します。案内に従い、完了後に再起動します。
.cab の場合は、PowerShellやコマンドで DISM /Online /Add-Package /PackagePath:更新ファイル.cab
のように追加します(上級者向け)。
うまく入らないときのコツ
- 他の更新の処理待ちがあると進まないことがあります。PCを再起動してやり直すと通るケースが多いです。
- セキュリティソフトが妨げる場合は一時停止してから適用し、完了後に必ず有効化します。
- 「互換性ブロック」や「既知の問題」に該当していないか、リリースヘルスを再確認します。
5. 仕上げの確認(更新履歴/OSビルド)
- 「設定」>「Windows Update」>「更新の履歴」で、入れたKB番号が「成功」になっているか確認します。
winver
でOSビルドが想定どおり上がっているかもチェックします。- 最新の更新履歴ページ(Update history)には、その月の注意点も掲載されます。合わせて確認すると安心です。
うまくいかないときの“最後の切り札”
手動更新が失敗する原因の多くは、システムファイルの破損や更新コンポーネントの不整合です。次の順で「土台」を整えます。
- Windows Update トラブルシューティング(再掲):自動で診断・修復します。
- SFC(システムファイルチェッカー)
- 管理者のコマンドプロンプトで
sfc /scannow
を実行 → 完了後に再起動。
- 管理者のコマンドプロンプトで
- DISM(Windowsイメージの修復)
- 管理者のコマンドプロンプトで
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
を実行 → 再起動。
- 管理者のコマンドプロンプトで
- Windows Update コンポーネントのリセット(必要時)
- サービス停止 →
SoftwareDistribution
とCatroot2
のリネーム → サービス起動の手順はMicrosoftの追加リソースにまとまっています。
- サービス停止 →
それでもダメな場合は、インストールアシスタント/ISOによるインプレース修復(データを残したまま再構築)も検討します。手順は公式の「Windows 11 のインストール方法」に案内があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. どのKBを入れればいいのか分かりません。
A. その月の「累積更新(LCU)」を選びます。例として2025年9月は KB5065426 でした。ページの「適用対象」を必ず確認し、ご自身の「バージョン(25H2/24H2など)」「アーキテクチャ(x64/Arm64)」に一致するものを選んでください。SSUはLCUに同梱されています。
Q2. 0%から動かないときは、どれくらい待てばいいですか?
A. 小規模更新なら30〜60分は様子を見ます。タスクマネージャーでネットワークやディスクの使用率が動いているかも目安です。全く動きがない・数時間変化がない場合は、本記事の手順へ進んでください。
Q3. 手動適用と自動配信、どちらが安全ですか?
A. 基本は自動配信が推奨です。手動は「詰まったときの解消」「緊急で先行適用したいとき」の選択肢と考えてください。既知の不具合や互換性ブロックはリリースヘルスで事前確認しましょう。
[スポンサーリンク]
更新前に大切なデータをOneDriveにバックアップしておくと安心です。
Microsoft 365 なら Word・Excel・PowerPoint が常に最新、1TBのクラウドストレージ付きで、作業の継続性が高まります。
※導入は任意です。ご利用の用途や費用対効果をご確認ください。
まとめ:手動更新は“順番”が9割
- 自分の環境を確認(バージョン/ビルド)
- 既知の不具合とKB番号を確認(リリースヘルスと更新履歴)
- Microsoft Update カタログから正しいパッケージを入手(バージョン・x64/Arm64の一致)
- インストール → 再起動 → 仕上げの確認
- 失敗時は トラブルシューティング → SFC → DISM → コンポーネントリセット の順で土台を整える
- バージョン更新そのものはインストールアシスタント/ISOも活用する
この流れで進めれば、「0%のまま進まない」や「エラーで適用できない」という場面でも、落ち着いて解決に近づけます。焦らず、一歩ずつ試してみてくださいね。
おすすめ関連記事
・要注意!Windowsアップデート後にBIOSが壊れる?再起動不能や設定初期化の原因と対処法
・Windows 11 25H2:公開直後の既知の不具合と回避策まとめ
・Windowsアップデートが進まない?容量不足エラーを今すぐ解消する7つの方法