
「古いPCではもうWindows 11が使えないの?」
「24H2アップデートを入れると起動しなくなるって噂は本当?」
Windows 11の最新大型アップデート「24H2」が登場し、SNSや掲示板では旧型PCユーザーの間で不安の声が広がっています。
実際に「非対応PC」とされる古いパソコンでも使えるのか?どんな不具合が起きやすいのか?というところを、この記事では旧型PCユーザーの疑問に答えつつ、実際に筆者が所有する旧型PCで試した体験談も交えて詳しく解説します。
旧型PCと非力PCの違い
まず混同されがちな「旧型PC」と「非力PC」を整理しておきましょう。
旧型PC
・CPU世代が古い(Intel 第7世代以前など)
・TPM 2.0チップが搭載されていない
・セキュアブートに非対応
👉 ハードウェア要件を満たさないため、公式にはWindows 11をインストールできないPCといえます。
非力PC
・要件は満たしているが、メモリ4GBやHDD搭載などで動作が遅い
👉 インストールは可能だがパフォーマンスが低いPCといえます。
※ Windows 11の最低要件は「UEFI+セキュアブート」「TPM 2.0」「対応CPU」など。ここを満たさない=非対応PCです。
※ 24H2(Windows 11 2024 Update)は段階的ロールアウトが完了に近い状況です。既知/解消済みの不具合は公式「リリースヘルス」で逐次更新されています。
この2つは似ているようで大きく異なります。今回のテーマは「旧型=非対応PC」です。
Windows 11の公式要件をわかりやすく解説
MicrosoftはWindows 11の要件として次を掲げています。
- TPM 2.0
PCに内蔵される「セキュリティ用チップ」。暗号化やパスワード管理、不正改ざん防止を担当します。これが無いとWindows 11は基本インストールできません。 - セキュアブート
PC起動時に不正プログラムをブロックする仕組み。古いBIOS世代のPCでは非対応の場合もあります。 - 対応CPU世代
Intel第8世代以降、AMD Ryzen 2000以降など。7世代以前は基本的に非対応扱い。
初心者の方でも理解できるように簡単にいうと「新しいセキュリティを使えるハードじゃないとダメ」ということです。
24H2の現状と既知の問題
「24H2にすると旧型PCは起動しない」という断定は誤解を生みます。
実際は、Windows 11の要件未満の環境はサポート外で、Windows Update経由で弾かれたり、導入後にドライバ/機能が不安定になる事例が報告されています。
=起動不可が確定ではなく、安定動作の保証がないが正確です(要件は「公式要件」参照)。
よくある不具合例(旧型PC+24H2)
実際に報告されている不具合は以下のようなものです。
- アップデートが途中で止まる
- 起動が極端に遅くなる(数分以上かかる)
- Wi-Fiやグラフィックドライバが動作しない
- ブルースクリーン(エラー停止)が頻発する
- セキュリティ更新が正しく反映されない
※ 不具合は環境依存です。最新のリリースヘルス(24H2既知の問題/解決済み)を確認し、該当ドライバやアプリ(Wi-Fi/グラフィック/オーディオ/顔認証など)に既知の問題がないかチェックしてから作業してください。
旧型PCに24H2を入れる方法(自己責任)
もし旧型PCで24H2を試したい場合、以下の方法があります。
RufusでインストールUSBを作成
→ 要件チェックをスキップしてインストール可能。
※ 詳細な作成手順はRufus公式ページをご参照ください。
Rufus 公式ウェブサイト(ダウンロードページ): rufus.ie
レジストリ改変
→ アップデートチェックを回避して導入可能。
(Microsoft非推奨なので、今回は詳細の記載していません)
ISOファイルから直接インストール
→ 公式サイトからISOを入手して手動インストールを実行。
Microsoft公式の「Windows 11 のディスクイメージ (ISO) のダウンロード」
- https://www.microsoft.com/software-download/windows11
ここから最新のISOやMedia Creation Toolが入手できます。
⚠️ 注意点
– 今後のアップデートでブロックされる可能性あり
– セキュリティ更新が正常に届かない場合がある
– 最悪の場合、PCが起動しなくなるリスクもゼロではありません
👉 導入はあくまで自己責任で行う必要があります。
「試してみたい」「サブ機として割り切れる」という方のみ検討してください。
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インストールUSBの作成・バックアップに必須です。迷ったらこの2つから。
Windows 10延命の現実解:ESU(2025–2026年)
Windows 10は2025年10月14日でサポート終了します。以降はESU(拡張セキュリティ更新)で1年延命できます(個人向け)。
- 申込方法:①PC設定の同期を有効化 → 無料、②Microsoft Rewards 1000ptを交換、③$30(1回)の買い切り。いずれかを選択。
- EEA(欧州経済領域):条件なしの無料提供に変更。日本を含むEEA外では上記三択が継続。
- 商用(組織):年ごとに累積型/複数年の選択肢あり(管理者向け手順は別記事参照)。
※ 個人向けESUは1年間の提供(2026年まで)。組織向けは年次で延長可となっています。
おまけ・筆者の旧型PCレビュー
私の旧型ノートPC(Intel Core i5 第7世代、メモリ8GB、SSD換装済)を使い、24H2を入れて試してみました。
- 起動時間:通常40秒 → アップデート後は1分30秒
- 動作感:Wordやブラウジングは普通に使えるが、マルチタスクで重さを感じる
- 不具合:Wi-Fiドライバが初回認識せず、再インストールで解決
- 安定性:使えなくはないが、メイン機としては不安
👉 サブ機用途ならアリですが、毎日使うには厳しいというのが正直な感想です。
メリット・デメリット+おすすめする人
メリット
- 無料で最新OSを体験できる
- 古いPCを捨てずに活用できる
デメリット
- サポート外で不安定
- セキュリティリスクが高い
- 将来のアップデートで完全ブロックされる可能性
旧型PCを使い続けていい人
- サブ機としてメール・ネット用に活用したい人
- 新PCを買うまでのつなぎとして使いたい人
乗り換えをおすすめする人
- メインPCとして仕事・学業で使う人
- 安定性とセキュリティが重要な人
24H2公式要件をクリアしたおすすめPC
旧型PCで無理して使い続けるより、対応PCへの乗り換えが安心です。
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Windows 11 24H2の公式要件を満たした安心PC
👉 公式要件を満たした安心PCで、長く安全に使いましょう。
まとめ
メイン用途なら対応PCへ/サブ用途なら自己責任で延命。これが2025年の現実解です。
旧型PCで24H2を試す場合はバックアップ→要件確認→既知の不具合確認の順で慎重に。Windows 10を継続するならESUの登録で安全性を担保しつつ、買い替えのタイミングを見極めましょう。
使い続けてもよい人(旧型PC継続) | 買い換えをおすすめする人 |
---|---|
サブ機として軽作業に使いたい人(Web閲覧・メール程度) | メインPCとして毎日仕事や勉強に使う人 |
自己責任で試すことに抵抗がない人 | 安定性やセキュリティを重視したい人 |
多少の不具合やドライバ調整に対応できる人 | トラブル解決に時間をかけたくない人 |
新PC購入までの「つなぎ」として利用したい人 | 今後数年間安心して使えるPCが欲しい人 |
旧型PCを無理に使い続けるのか、それとも新しいPCに乗り換えるのかは人それぞれの環境や用途によって異なります。
サブ機や検証用であれば旧型PCを延命させるのも一つの方法ですが、仕事や学業など日常的に使うメイン機としてはリスクが高めです。
特にWindows 11 24H2以降はセキュリティ要件も厳格化されており、今後さらに非対応PCへの制限は強まる可能性があります。
長期的な安心と快適さを重視するなら、早めに対応PCへの買い替えを検討するのがおすすめです。
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