
「Windows 11 にアップデートしてから、マウスが引っかかる…」
「25H2にしたら動作が“カクッ”と止まることが増えた」
「ブラウザやエクスプローラーが一瞬フリーズする」
最近、こうした “スタッター(カクつき)” の相談が増えています。
特に Windows 11 25H2(2025年更新版) を適用したあとに、
- 一瞬固まる
- マウスが止まる
- FPS が落ちる
- フォアグラウンドアプリが固まる
といった“小さな引っかかり”を感じるケースが見られます。
この記事では、Windows 11 25H2で報告されている「カクつき(スタッター)」の原因と改善方法を、できるだけ丁寧にわかりやすくまとめました。
1. Windows 11 25H2で増えている“カクつき”とは?
“カクつき”という言葉は人によって表現が異なりますが、
Windows 11 25H2で多いのは次のような症状です。
✔ マウスカーソルが一瞬止まる
✔ スクロールやドラッグが「ガクッ」と引っかかる
✔ エクスプローラーが一瞬固まる
✔ EdgeやChromeのタブ切り替えが遅れる
✔ ゲーム中にFPSが急落する
✔ 動画の再生が滑らかでなくなる
など、特に「1秒以下の瞬間的な停止」で、
- 再現性が低く
- イベントログにも残らず
- 再起動で一時改善する
といった“原因が特定しにくい”タイプが多いのが特徴です。
2. カクつきが起こる原因は?(25H2で特に多い項目)
① グラフィックドライバの相性(Intel / AMD)
25H2 は DirectX / DWM(デスクトップ描画エンジン)の更新 が含まれており、
これが一部ドライバと相性悪く、不安定さを生むケースがあります。
特に多いのは、
- Intel Graphics(第12〜14世代)
- AMD Radeon(Adrenalin 2025 early 版)
よくある現象
- 画面全体が一瞬止まる
- マウスがカクつく
- 動画再生の瞬間だけ引っかかる
ドライバのバージョン変更で改善する例が多いため、
後述の「対策」で更新をチェックしましょう。
② 25H2の「Dynamic Refresh Rate(DRR)」の誤作動
リフレッシュレート120Hz対応のノートPCで報告が多い内容です。
- 実際は 120Hz なのに
- Windows が自動調整で 60Hz に落とす
- その切り替え時にカクつく
という現象が起こることがあります。特に、
- Surface系
- Lenovo / HP の120Hzモデル
- マルチモニター環境
で発生しやすい傾向があります。
③ 標準アプリ(エクスプローラー)の“描画最適化”の不具合
25H2 では内部的に描画処理が最適化されましたが、
これが逆に “一瞬の固まり” を生むことがあります。特に、
- エクスプローラーのサムネイル読み込み
- OneDrive同期直後
- ZIP展開や大容量フォルダのオープン
などで症状が起こりやすいです。
④ スリープ復帰後のリソース管理バグ
25H2 では、スリープ復帰後に
- CPUクロックが一定まで上がらない
- GPUのアイドル状態が解除されない
- USBマウスが微妙にラグる
という報告があります。
特に 外付けモニター を使っていると悪化しやすい傾向があります。
⑤ Windows Update後のバックグラウンド“最適化”
大規模アップデートのあとは、
- インデックス作成
- OneDrive再同期
- Microsoft Defenderの初期スキャン
- フォントキャッシュ再生成
など、裏で大量の最適化が走ります。
これらは 24〜48時間 続く場合があり、その間はカクつくことがあります。
3. カクつきを改善するために、まず行うべきこと
ここからは 初心者でもできる順番 で改善策を整理していきます。
① 一度だけ「クリーン再起動(セーフブート)」してみる
アップデート直後はキャッシュの不整合が起こりやすいです。
✔ やり方
- Windowsキー+R
msconfigと入力- 「ブート」→「セーフブート」をON
- 再起動
- 元に戻して再起動
軽度のカクつきはこれで解消するケースが多いです。
② グラフィックドライバを“最新 or 1つ前”に切り替えてみる
25H2のカクつきは ドライバとの相性 が非常に大きいため、
最新にするか、逆に安定版に戻すことで改善します。
Intel
- 最新版:Intel公式よりダウンロード
- 特に 31.x 系 → 27.x 系 に戻すと改善した例あり
AMD
- Adrenalin 2025 Edition early build は不安定報告あり
- 1つ前の WHQL 版が安定しやすい
NVIDIA
- 比較的安定
※ただし 4K モニター+2枚目モニター環境で軽度のカクつき報告あり
③ モニターのリフレッシュレート設定を固定する
「自動(動的)」ではなく「固定」にすることで改善する例があります。
方法
設定 → システム → ディスプレイ → 詳細ディスプレイ設定
→ リフレッシュレート → 固定値に変更(120Hz / 60Hz など)
特に多いのが
- 120HzノートPC
- マルチモニター利用者
の改善例です。
④ エクスプローラーの“フォルダー最適化”をリセット
エクスプローラーはフォルダ最適化がバグると一瞬固まります。
やり方
- フォルダ右クリック
- プロパティ
- 「カスタマイズ」
- 「このフォルダーを最適化」→「全般」
- 「このテンプレートを全サブフォルダに適用」
写真フォルダが大量サムネイルだと重くなるので、
「全般」固定がおすすめです。
⑤ バックグラウンド最適化が終わるまで待つ(最大48時間)
アップデート直後は、次の処理が裏で走ります:
- Windows Search インデックス再構築
- OneDrive 同期の再初期化
- Defender スキャン
- フォントキャッシュ
- アプリ自動更新
終わるまでは多少のカクつきが避けられない こともあります。
4. 中級者向けの改善策(より確実に安定させる)
① 高DPIスケーリングの設定を変更する
アプリごとに
「高DPIスケーリングをアプリ側に任せる」→「システム側に変更」
で改善する場合があります。
特に Edge / Chrome / エクスプローラー で有効。
② ハードウェアアクセラレーションの切り替え(ブラウザ&Office)
- Edge
- Chrome
- Microsoft 365 アプリ
などでハードウェアアクセラレーションのON/OFFを切り替えると改善します。
特にブラウザの描画が引っかかる場合は効果的。
③ 電源プランを「バランス」→「高パフォーマンス」に
25H2で省電力機能が強化されており、
「バランス」だとCPUクロックが上がりにくい場合があります。
5. それでも改善しないときは?(25H2の既知問題を疑う)
【2025年1〜2月ごろから報告されている既知問題の例】
- 120HzモニターでのDRR切替バグ
- Intel Graphics 周りの描画途切れ
- AMD GPUのメモリクロック低下問題
- エクスプローラーの“新しい探し方”適用後の一瞬停止
- SSD/HDDの電源管理バグ
こうした場合は、改善策よりも
✔ KBアップデート
✔ グラフィックドライバの修正
✔ サードパーティアプリの対応
を待つ方が早いケースもあります。
まとめ
25H2のカクつきは“設定+ドライバ”で改善しやすいポイントを整理します。
✔ Windows 11 25H2 の“カクつき”は珍しくない
特にアップデート直後に増える。
✔ 原因は「ドライバ」「表示設定」「バックグラウンド最適化」が多い
- GPUドライバの相性
- DRRの誤作動
- エクスプローラーの最適化
- SSD/HDDの電源管理
✔ まずやるべきは10分でできる軽い対策
- クリーン再起動
- GPUドライバの更新
- モニター設定の“固定化”
- エクスプローラー最適化リセット
✔ それでもダメなら詳しい設定変更へ進む
- ハードウェアアクセラレーション
- DPIスケーリング
- 電源プランの調整
25H2は性能が安定するまで数週間かかることもありますが、
ほとんどの“カクつき”は設定とドライバで改善します。
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