
はじめに
2025年9月に配信された Windows 11 バージョン24H2向け累積更新プログラム KB5065426(OS Build 26100.6584) を適用しようとした際、エラーコード 0x800f0991 が出て更新できない、または更新後にネットワーク共有が不安定になる――といった声が増えています。
この記事では、よくある症状を整理しつつ、まず試すべき手順から、手動インストール(MSUの順序あり)まで、現時点で現実的な対処法をまとめます。
KB5065426とは?
KB5065426 は、Windows 11 24H2向けの 2025年9月のセキュリティ更新(累積更新) です。既に過去の更新を入れている場合は、この更新に含まれる“新しい差分”だけが適用されます。
また、Microsoft公式KBには「既知の問題」として、特定条件で影響する項目がいくつか掲載されています。
主な報告内容(よくある症状)
1) 0x800f0991 でインストールが失敗する
- ダウンロード後に「インストール中」で止まる
- 途中(例:50~60%)で失敗して 0x800f0991 が出る
- 再試行しても同じエラーを繰り返す(ループっぽく見える)
2) 共有フォルダやプリンタ共有が不安定になる
ここは症状の幅が広いのですが、少なくとも公式KBで 「SMBv1(古い共有方式)」で共有に接続できなくなる既知の問題 が明記されています。
(※SMBv2/SMBv3は影響を受けない、とされています )
まず最初に:最短で効く“クイックチェック”
更新に失敗するとき、いきなり難しい修復に行く前に、まずはここからです。
- PCを再起動(シャットダウン→起動より、再起動が確実)
- 空き容量を確保(Cドライブの空きが少ないと失敗しやすい)
- VPN/プロキシ/セキュリティソフトの“強い保護”を一時停止して再試行
- Windows Updateの画面で「再試行」を1回だけ行う(連打は逆効果のことがあります)
対処法1:Windows Update トラブルシューティング
Windows標準の修復で、更新関連サービスや設定の異常を自動修復できることがあります。
- 設定 → システム → トラブルシューティング → その他のトラブルシューティング → Windows Update
終わったら再起動して、もう一度更新を試します。
対処法2:SFC / DISMでシステム修復(基本だけど強い)
更新の失敗原因が「システムファイルの破損」だった場合、これで改善することがあります。
管理者のコマンドプロンプトで次を実行します。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
完了後に再起動 → 更新を再試行。
対処法3:Windows Updateのキャッシュをリセット
更新用のキャッシュ(SoftwareDistribution / catroot2)が壊れていると、同じ失敗を繰り返すことがあります。やることは大きく3つです。
- Windows Update関連サービスを停止
- フォルダをリネーム(または削除)
- サービス再開 → 再起動 → 更新再試行
※コマンド手順は長くなるので、別記事に分けているなら「キャッシュ削除の専用記事」へ誘導するのが読みやすいです。
対処法4:手動インストール(MSUの順番に注意)
KB5065426 は、Microsoft Update CatalogからMSUを手動インストールできます。
そして公式KBには、MSUを“まとめて入れる方法”と、“順番どおりに個別インストールする方法”が明記されています。
まとめて入れる(推奨されやすい)
KB5065426関連のMSUを同じフォルダに置いて、DISMで適用します。例:c:\packages
(公式KBにDISM/PowerShell例があります)
個別に入れる(順序あり)
公式KBでは、MSUを次の順序でインストールする方法が案内されています。
- KB5043080(前提MSU)
- KB5065426(本体)
「手動でも失敗する」という報告もゼロではありませんが、Windows Update経由より通ることも多いので、試す価値はあります。
共有トラブルの注意:SMBv1は既知の問題(回避策あり)
KB5065426の既知の問題として、2025年9月9日以降の更新を入れた環境で、NetBIOS over TCP/IP(NetBT)上のSMBv1で共有に接続できない場合があると記載されています。
どうするのが現実的?
- 可能なら SMBv2/SMBv3 に移行(SMBv1は非推奨で、既定で入っていないこともあります)
- 既知の問題の修正として、KB5065789 が案内されています
「共有だけ急に繋がらない」という場合は、まず“SMBv1を使っていないか”を疑うのが近道です。
それでもダメなら:安全に戻す・安全に進める
- 重要な業務PCは「次の累積更新まで待つ」という判断もあり(セキュリティ更新なので悩ましいですが、業務停止はもっと痛い)
- どうしても更新が通らない場合は、上書きインストール(インプレースアップグレード)で修復するのが最終手段です
→ ファイルとアプリを保持したまま、OSの破損をまとめて直せることがあります
まとめ
| 症状・エラー | まず試す(最短) | 次に試す(効果大) | 最終手段・注意点 |
|---|---|---|---|
| 0x800f0991で更新が失敗 | 再起動/空き容量確保/VPN・プロキシ・セキュリティソフト一時停止 | Windows Updateトラブルシューティング → SFC / DISM | 更新キャッシュリセット → 手動インストール(Update Catalog / MSU) |
| 更新が途中で止まる・再試行ループ | いったん再起動してから“1回だけ”再試行 | SFC / DISM | キャッシュリセット → 手動インストール → 上書きインストール |
| 更新後に共有フォルダへ接続できない | 共有先PCも再起動/資格情報(ID・パス)再入力 | SMBv1を使っていないか確認(可能ならSMBv2/3へ) | 既知の問題に該当する場合は後続更新の適用を検討 |
| ネットワークプリンタがオフライン | プリンタ再起動/PC再起動 | プリンタの削除→再追加/資格情報の再登録 | 共有(SMB)側の問題の可能性もあるので、共有PC側も点検 |
| 手動インストールでも失敗 | PC再起動→もう一度だけ手動適用 | SFC / DISM → キャッシュリセット | **上書きインストール(インプレース)**で更新基盤を修復 |
| どうしても直らない/業務PCで怖い | 重要作業前は更新を止める判断も | 代替PCで先に検証 | バックアップを取ってから実施(回復ドライブ/復元ポイント推奨) |
このように、KB5065426(Windows 11 24H2 / Build 26100.6584)では、更新失敗(0x800f0991)系のトラブル報告があり、あわせて公式KBでは SMBv1の共有接続不具合が既知の問題として案内されています。
まずは「トラブルシューティング → SFC/DISM → 更新キャッシュリセット」を順に試し、それでもダメなら Update Catalogからの手動適用(MSUの順序あり)が現実的な次の一手です。
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