【2025年版】Windows 11で「再起動のたびにスタートのピン留めが消える」問題を徹底解説

再起動で初期化されるスタートのピン留めをイメージした抽象アイコン(メニューのタイル・リセット矢印・ピン)のアイキャッチ

「再起動したら、スタートのピン留めが元に戻ってる…」

――Windows 11 でときどき見かけるこの現象は、じつは大きく2パターンに分かれます。

ひとつはPC側の不具合や設定破損によるもの。

もうひとつは、会社や学校のPCで“管理ポリシー”が自動で元の並びに戻しているケースです。

本記事ではまず原因をサクッと切り分け、個人PCであれば安全な順に「直す手順」を、管理端末であれば「設計上の仕様と対処の考え方」を、どなたにもわかりやすく丁寧に解説します。

まずは3分で「どっちのケースか」かんたん判定

下の3つの質問に「はい/いいえ」で答えるだけで、原因の方向性がわかります。

質問1:このPCは、会社や学校から支給されたPCですか?

はい → 多くの場合、PCに「職場のルール」が入っていて、ピン留めの並びが自動で元に戻る仕組みになっています。

→ この場合は不具合ではなく仕様です。この記事の「会社・学校PCのとき」をご覧ください。

いいえ → 次へ。

質問2:設定アプリを開き、

「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」に組織のアカウントが接続されていますか?
または、画面のどこかに「このデバイスは組織によって管理されています」
(または「一部の設定は組織によって管理されています」)
の表示がありますか?

  • はい → 上と同じく、職場のルールで元に戻っている可能性が高いです。
    → 「会社・学校PCのとき」へ。
  • いいえ → 次へ。
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質問3:この現象(ピン留めが消える)は、最近はじまったものですか?

  • はい個人PC側のトラブルや設定の壊れが考えられます。
    → 下の「個人PCのとき(やさしい順の対処)」へ。
  • いいえ(ずっと前から) → ツールによるカスタマイズ・クリーナー等が原因のことがあります。
    → まずはカスタマイズ系ツールを一時オフにして様子見→改善しなければ「個人PCのとき」へ。

会社・学校PCのとき

  • 並びが戻るのは、PCに入っている職場のルール(管理の設定)で元に戻すよう決められているためです。
  • 自分で直すことは難しいので、担当の方に「スタートのピン留めをユーザー側で維持できる設定に変えられるか」を相談してください。
  • 相談するときのひとこと例: 「スタートのピン留めの並びを自分で変えても、毎回初期に戻ってしまいます。ユーザーの変更を保持する運用にできますか?」

個人PCのとき

  1. Windowsを最新に
    設定 → Windows Update → 「更新プログラムのチェック」。終わったら再起動して様子見。
  2. スタートだけリフレッシュ(かんたん)
    Ctrl + Shift + Esc「詳細」タブ → StartMenuExperienceHost を右クリック →「タスクの終了」。数秒後に自動で戻ります。様子見。
  3. 保存データを作り直す(安全に)
    ピンの並びをスマホでスクショ→
    start2.bin別名にしてからサインアウト/サインイン(本文の手順どおり)。新しく作られたら、もう一度ピン留めして様子見。
  4. それでも直らなければ
    この記事の「コマンドで修復(DISM→SFC)」→「新しいユーザーで確認」→「修復インストール」の順で進めます。
    ※難しそうに感じたら、無理せず3のところまでで一度止めてOKです。

ワンポイント

不安なら:作業の前に必ずスクショバックアップstart2.binのコピー)を取っておくと安心です。

迷ったら:「会社・学校PCかどうか」→「更新」→「スタートのリフレッシュ」の順でOK。


個人PC向け:安全な順の対処(上から試す)

1. Start メニューのプロセスを再起動する

  • 方法(簡単)Ctrl+Shift+Esc →[詳細]タブ → StartMenuExperienceHost.exe を右クリック→[タスクの終了]。数秒で自動再起動します。改善するか確認。

補足:コマンドで行う場合(管理者の Windows ターミナル)
Get-Process StartMenuExperienceHost -ErrorAction SilentlyContinue | Stop-Process -Force

参考:Start メニューの再起動手順はタスク マネージャーや PowerShellからも可能です。


2. システムファイルの整合性を修復(DISM → SFC の順)

管理者の Windows ターミナルで次を順に実行

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthsfc /scannow

DISMはイメージの修復、SFCは保護されたシステムファイルを検証・修復します。実行後に再起動。


3. スタートのレイアウト保存ファイルをバックアップ→再生成

スタートのピン留めレイアウトは、ユーザープロファイルごとstart2.bin へ保存されています。場所:

%LocalAppData%\Packages\Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_cw5n1h2txyewy\LocalState\start2.bin

※ビルドによっては start.bin も併存。

  1. バックアップ(PowerShell一例)
$src  = "$env:LOCALAPPDATA\Packages\Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_cw5n1h2txyewy\LocalState\start2.bin"$dest = "$env:USERPROFILE\Desktop\start2_backup_$(Get-Date -f yyyyMMdd_HHmmss).bin"Copy-Item $src $dest -ErrorAction SilentlyContinue
  1. 再生成
    • StartMenuExperienceHost.exe を終了(手順1と同様)。
    • start2.binstart2.bin.old へリネーム。
    • サインアウト→サインインで既定ファイルが再生成されます。
    • 必要に応じてピン留めをやり直して挙動を確認。

なお、Webサイトのピンなどの一部アセットProgrammableTilesAssets を併せて扱う例がQ&Aに見られます(バックアップ時の補助情報として)。


4. 新しいローカルユーザーで再現するか確認(プロファイル切り分け)

設定 →[アカウント]→[その他のユーザー]→[アカウントの追加]でテスト用ユーザーを作成し、同現象が出るか確認。新ユーザーで 発生しなければ既存プロファイル側の問題と判断できます。


5. サードパーティのUI改変ツールを一時無効化

ExplorerPatcher/StartAllBack などのシェル改変ツールがピン留めに影響する事例が報告されています。現象の切り分けとして一時アンインストールor停止で挙動を確認しましょう。


6. それでも直らない場合:修復インストール(インプレースアップグレード)

個人データやアプリを保持したままWindowsを上書きして修復する方法です。公式の手順・解説を参照してください(ISOやインストール アシスタント利用)。


企業・学校など管理端末でのポイント(管理者向け要約)

  • Windows 11 ではStart レイアウトの配布JSON/XMLで行い、GPOやIntune(MDM)から固定(ユーザー変更不可)にもできます。この設定が有効だとユーザー側のピン変更は維持されません
  • Intune で既定レイアウトを配布した構成では、サインインやポリシー再適用で定義が再現され、ユーザーの並べ替えは持続しない運用が一般的です(運用事例・技術記事)。
  • 設計のコツ
    • 初期体験用の既定レイアウト(Default)のみ配布し、ユーザー変更を尊重したい場合は固定ポリシー(変更不可)を避ける
    • IntuneのConfigureStartPins(OMA-URI)でJSONを配り、固定度合いを意図に合わせて調整。

※ 管理下のPCでユーザーのピンが毎回戻るのは仕様通りの可能性が高いので、“不具合”ではなくポリシー設計の話と明示できます。


バックアップ&復元の実用メモ

  • 手動バックアップstart2.bin を定期的にコピーしておく(上記スクリプト)。復元はアプリ停止→既存 start2.bin を置き換え。
  • 補助ファイル:サイトピンなどのアセットは ProgrammableTilesAssets を一緒に退避しておくと復元がスムーズなケースあり。

よくある質問(FAQ)

Q1. なぜ start2.bin が毎回初期化されるの?
A. 管理ポリシーでレイアウトが固定されているか、プロファイルやシステム側の破損が疑われます。Q&Aでは24H2でも“再起動やサインアウトでピンが既定に戻る”報告が出ています。まずは「管理端末かどうか」を確認し、個人PCなら上の順で修復を。

Q2. start2.bin の場所はどこ?
A. %LocalAppData%\Packages\Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_cw5n1h2txyewy\LocalState\start2.bin(古いビルドは start.bin)。

Q3. SFC/DISMはどの順番で実行すべき?
A. 公式ガイドは DISM → SFC の順を推奨しています。

Q4. 「ピン留め」ができない/メニューが反応しない
A. StartMenuExperienceHost.exe の再起動や、エクスプローラ再起動で復帰する場合があります(タスク マネージャーから実行)。

まとめ

  • 現象の正体:再起動やサインインのたびにスタートのピン留めが既定に戻るのは、
    (A) 個人PC側の不具合/プロファイル破損(B) 管理ポリシー(Intune/GPO)による上書き のどちらかで起きることがほとんどです。
  • まずは切り分け:会社・学校などの管理端末なら“仕様どおり”の可能性が高く、運用やポリシー設計の見直しが必要です。個人PCなら不具合側の対処を上から順に試します。
  • 個人PCの対処順(安全な順)
    1. StartMenuExperienceHost を再起動
    2. DISM → SFC でシステム修復
    3. start2.bin のバックアップ → 再生成
    4. 新規ユーザーで再現チェック(プロファイル切り分け)
    5. UI改変ツール(ExplorerPatcher/StartAllBack 等)を一時停止
    6. 改善しなければ 修復インストール(インプレース) を検討
  • 管理端末のポイント:既定レイアウト配布や固定ポリシーが有効だと、ユーザーの並べ替えは保持されません。初期配布のみ・一部ピンのみ固定など、固定度合いの再設計が有効です。
  • バックアップのコツstart2.bin(+必要に応じて ProgrammableTilesAssets)を定期退避。並びはスクリーンショットでも記録しておくと復元が早いです。
  • 予防策
    • シェル改変・カスタマイズ系ツールはアップデート直後は様子見してから導入
    • クリーナー系ツールでスタート関連フォルダを除外
    • 強制終了や電源断は避け、シャットダウン手順を守る
    • 月1回程度の復元ポイント作成やバックアップ習慣化
  • クイック3分で試すなら
    1. タスク マネージャーで StartMenuExperienceHost を終了→再起動
    2. 管理者ターミナルで DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthsfc /scannow
    3. start2.bin をリネーム→サインアウト/サインイン

ここまで対応しても直らない場合は、修復インストールの検討か、管理者(ポリシー担当)への相談が近道です。

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