【2025年10月最新】Windows 11にアップグレードできない?その原因と解決方法【完全ガイド】

Windows 11にアップグレードできない原因と解決方法を解説する日本語のアイキャッチ画像。Windowsロゴと疑問符が並ぶ構成

Windows 10 Pro バージョン22H2(OSビルド 19045.5854)をご利用中の方で、「Windows 11の要件は満たしているのにアップグレードがうまくいかない」というお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

今回は、Windowsインストールアシスタントを使っても、再起動後にWindows 10のままインストールが「途中で止まる」「再起動後にWindows 10へ戻る(ロールバックする/0xC1900101)」場合でも、準備と手順で解消するケースが多数あるので、その原因と対策を詳しく解説します。

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よくある原因と確認ポイント

以下は、Windows 11 へアップグレードできないときの“実際に多い”原因の一覧です。

原因詳細
マイクロソフトアカウント未連携環境によってはローカルのみだと途中で止まる・設定引き継ぎに失敗する例があります。まずは一時的にでもMSアカウントでサインインを推奨。
空き容量不足Cドライブの空きが不足しているとロールバック(元に戻る)が発生しやすい。目安として少なくとも20GB以上を確保。
ブート方式がレガシー(BIOS/MBR)UEFI+GPTでないと失敗しやすい。msinfo32で「BIOSモード=UEFI」を確認。
一時ファイルやキャッシュの不具合旧インストーラや中断データが悪さをする。Updateキャッシュや$WINDOWS.~BTの残骸をクリア。
インストールアシスタントが古い最新版をMicrosoft公式から再ダウンロード。
システムファイル破損SFC/DISMで修復。
Update関連サービスの停止Windows Update/BITS/CryptSvcなどが停止・不整合だと進まない。
周辺機器・常駐アプリの干渉

外付けHDD/プリンタ、サードパーティ製AV、VPNは一時的に外す/無効化。

TPM 2.0が無効/未搭載tpm.msc や「デバイスのセキュリティ」で有効性を確認。ファームウェアの fTPM/TPM 2.0 を有効化。
Secure Bootが無効UEFI設定で有効化。msinfo32 の「セキュアブートの状態」で確認。
CPUが要件外Microsoftの対応CPU要件を確認。要件外は基本的に提供対象外。
マイクロソフトアカウント未連携(補足)必須ではないが、引き継ぎやストア同期で有利。失敗の主因ではない。

これらの原因は、見落とされやすいものも含まれています。とくにマイクロソフトアカウントとの未連携や一時ファイルの残留は、エラーとして表示されないまま処理が中断されることが多く、「なぜアップグレードできないのか分からない」と感じてしまう原因になります。

また、インストールアシスタントのバージョンが古いままだったり、Windows Update関連のサービスが停止している場合も、見た目上は正常でも裏で進行が止まっているケースが多いです。

なお、アップグレードがなぜ失敗したのかを詳しく調べたい場合は、Microsoftが提供している無料の「SetupDiag」ツールを使うことで、ログから原因を特定できます。SetupDiagを実行すると、失敗の要因(ドライバ競合、構成ファイル破損、互換性問題など)がレポートされ、より正確な対処法が見つかります。

この記事では、こうした“目に見えにくい原因”を丁寧に解消していく手順をご紹介していますので、ひとつずつ確認してみてください。

🧩 2025年10月の補足メモ
  • Windows 11 25H2 が一般提供:2025年9月30日に公開。25H2は24H2と同系の小規模“イネーブルメント”更新で、[設定]→[Windows Update]の「最新の更新プログラムを入手する」をオンにすると配信が早まる場合があります。
  • 公式メディア:インストールアシスタント/ISOは最新が公開中。失敗時は ISO をマウントして setup.exe からの実行も有効です(引き継ぎを選択)。
  • Safeguard hold(配信保留):一部端末は既知の互換性問題で自動配信が保留になることがあります。Release Healthで状況を確認できます。
  • 互換性チェック:PC Health Check で要件適合を事前確認できます。
  • 要件の再確認UEFISecure Boot 有効TPM 2.0/対応CPUが前提です。ストレージは最小64GB、アップグレード時は空き25〜30GBあると安全です。
  • SetupDiagで原因特定:失敗時はセットアップ同梱の SetupDiag で setupact.log / setuperr.log を解析し、具体的なエラー原因を把握できます。
  • MBR→GPT 変換の選択肢:レガシーBIOS/MBR環境は mbr2gpt /allowFullOS でGPT化後、UEFI起動+Secure Boot有効化で改善するケースがあります(実行前にバックアップ推奨)。

ステップ1:システムファイルの修復(SFC/DISM)

①「スタート」→「cmd」を検索→「管理者として実行」。

② 次を実行します。

sfc /scannow

③ 完了後、さらに以下も実行して下さい

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

④ 破損したシステムファイルやUpdate構成を修復します。完了したらPCを再起動。

これにより、破損しているシステムファイルやWindows Update関連の構成が修復されます。

ステップ2:Windowsインストールアシスタントを最新版にする

Microsoft公式サイトから、最新の「Windows 11 インストールアシスタント」を再度ダウンロードしてください。古いバージョンでは正常に動作しないことがあります。

公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11

ステップ3:一時ファイルの削除とクリーンアップ

必要に応じて、Updateサービスを停止したうえで以下の残骸を削除します。
C:\Windows\SoftwareDistribution\(中身のみ)/C:\$WINDOWS.~BT\(存在する場合)

「設定」→「システム」→「記憶域」→「一時ファイル」でWindows Updateのクリーンアップ等を削除。

「ディスククリーンアップ(管理者)」で「システムファイルのクリーンアップ」を実行。

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ステップ4:Windows 11 ISOからアップグレード

1. Microsoft公式ページからWindows 11のISOをダウンロード。

2. ISOを右クリック→「マウント」。エクスプローラーで仮想DVDが開きます。
※右クリックに「マウント」が出ない場合は、いったんエクスプローラーを再起動するか、ISOのプロパティで「エクスプローラーで開く」を既定に設定。

3. 中の setup.exe を実行→「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択。

インストールアシスタントで失敗しても、ISO経路だと成功する例が多いです。

ステップ5:Windows Update関連サービスをチェック/リセット

サービス画面で「Windows Update」「BITS」「Cryptographic Services」が実行中か確認します。改善しない場合は、以下のリセットを管理者コマンドで実施します。

・以下のコマンドを1行ずつ実行してください。

net stop wuauserv
net stop bits
net stop cryptsvc
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start cryptsvc
net start bits
net start wuauserv

・実行後、PCを再起動してからアップグレードを再試行します。

上記以外にも、次の対処で改善するケースがあります。

・外付けHDD・プリンターなどの周辺機器をすべて取り外してから再試行する

・Windows Update と BITS(バックグラウンド インテリジェント転送サービス)を一度停止→再起動する

・C:\Windows\SoftwareDistribution フォルダ内を削除して更新キャッシュをクリアする(※サービス停止後に実施)

・SFC(システム ファイル チェッカー)と DISM を実行してシステムの破損を修復する

まずは上記を確認・実施してから、あらためてアップグレードをお試しください。

それでもダメな場合:クリーンインストールという選択肢

どうしてもアップグレードが進まない場合、「クリーンインストール」を検討するのも一つの手です。

・必要なデータをバックアップ

・Windows 11のISOをUSBに書き込む(Media Creation Tool使用)

・USBからPCを起動して新規インストール

初期化にはなりますが、不具合が一掃されるため、再構築には最適です。

クリーンインストールの手順記事はこちら>失敗しない「クリーンインストール」のやり方🍀

上級者向けの追加手段(*自己責任で行なって下さい)

1. レジストリを使ってアップグレード制限を解除

企業ネットワークやレジストリの設定が影響していることがあります。

①以下の場所を確認してみます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate

②TargetReleaseVersion が 1、TargetReleaseVersionInfo に「21H2」などが指定されていると、Windows 11に固定されていないことになります。

→指定されていた場合は、適切な値に変更して下さい(もしくは削除)

2. インプレースアップグレードの裏技

Windows 10のISOをマウントし、「アップグレードインストールを再実行」してからWindows 11を上書きすると成功するケースも見受けられます。

→これにより、破損した構成を上書き修復した後にWindows 11へ移行しやすくなります。
3. デバイスドライバの完全更新
グラフィック、ストレージ、セキュリティ系ドライバが古いと、途中でブラックアウトや巻き戻しが発生します。

①デバイスマネージャから最新ドライバに更新して下さい

②メーカー公式サイトからで手動インストールしてみるのも有効です。

最終手段としての「新規ユーザー作成」

現在のアカウントに何らかの制限や破損がある場合は、新しいMicrosoftアカウントでサインインし、そこからアップグレードを試すと成功することがあります。

Windows 10でうまくアップグレードできない場合、現在使用中のユーザープロファイルに破損や制限があるケースがあります。

その場合、新しくMicrosoftアカウント連携済みのユーザーを作成し、そのアカウントからアップグレードを実行すると成功することがあります。

ただし、この方法にはいくつかの注意点があります。
データは自動で引き継がれない

新しいユーザーを作成すると、デスクトップやドキュメントなどの個人フォルダは別の場所になります。また、必要なファイルは元のユーザーアカウントのフォルダから、手動でコピーする必要があります。

アプリや設定は再構築が必要になる

アプリケーションによっては、ユーザーごとに設定が保存されており、新規ユーザーで再インストールや再設定が必要になる場合があります。

特に、OfficeやAdobe製品、Zoom、ブラウザのブックマークなどは事前に確認が必要です。

管理者アカウントに設定すること

新しいユーザーは必ず管理者権限で作成してください。そうでないとアップグレードや設定変更ができません。

①「設定 → アカウント

②→ 家族とその他のユーザー → ユーザーの追加

③「このユーザーに管理者権限を付与する」を忘れずに。

● 作業後に元のアカウントは削除可(慎重に)

新規ユーザーでアップグレード後、問題がなければ元のユーザーアカウントは削除できますが、必要なデータをすべて移動してからにしましょう。

🔍 補足:Microsoftアカウントとの連携を確認

・新しいユーザーでサインインしたら、必ずMicrosoftアカウントでサインインしてからアップグレードを行ってください。ローカルアカウントのままではエラーになる可能性があります。

この方法は、Windowsの構成ファイルやユーザープロファイルの破損が原因でアップグレードが止まっている場合に、特に効果があります。

どうしてもアップグレードできないときの「裏技」として、ぜひ選択肢の一つにしてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q:ローカルアカウントのままでもアップグレードできますか?
A:できる場合もありますが、失敗の一因になりやすいため、いったんMicrosoftアカウントへ切り替えるのをおすすめします。


Q:セキュアブートやTPMの設定は関係ありますか?
A:はい。BIOSで「セキュアブート有効」「TPM 2.0有効」、Windows上でUEFI/GPTになっていることを確認してください。


【補足】アップグレード作業は、たとえ要件を満たしていても必ず一度で成功するとは限りません。特に、ドライバやソフトウェアの相性、セキュリティ設定、BIOSの状態など、PCごとの細かな環境差が影響します。

この記事で紹介した方法は、多くのユーザーのアップグレード成功例をもとに整理したものですが、環境によっては個別の調整が必要になる場合もあります。

「なぜ自分のPCだけできないのか…」

と悩まずに、順番に確認を進めていけば、きっと解決につながります!!

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🔧 アップグレード準備に“まず必要なもの”

インストールUSBの作成・バックアップに必須です。迷ったらこの2つから。

最後に

Windows 11のアップグレードは、一見単純そうでいて、細かい設定や状態によって思わぬトラブルが起きることもあります。今回紹介したステップを表にまとめてみました。

補足項目内容
クリーンブート常駐アプリやセキュリティソフトの影響を排除
ログ解析setupact.log / setuperr.log をチェック、SetupDiagの活用
ドライバー再インストール特にGPU関連は完全アンインストール後に最新版を導入
BIOS/UEFI確認UEFI+GPT化、TPM有効、Secure Bootなど設定必須
SFC / DISM破損ファイルを修復し、Updateエラーを防ぐ
Update コンポーネントリセットキャッシュ削除+サービス再起動で修復
ISO を使ったアップグレードUpdate経路を回避し、USBからインプレース更新

2025年現在、Windows 11のアップグレード失敗の原因は、ドライバの互換性・構成ファイルの不具合・セキュリティ設定など多岐にわたります。

記事で紹介した基本的な対処法に加えて、「SetupDiag」の活用や不要な周辺機器の取り外し、セキュリティソフトの一時無効化なども効果的です。

それでも改善しない場合は、USBインストールメディアを使った手動アップグレードや、重要データをバックアップした上でのクリーンインストールも検討してください。

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