
Windows 11で「WMICが削除される」という情報を見て、
「Windows Management Instrumentationも使えなくなるの?」
「パソコンの動作に影響はない?」
「何か代わりの設定が必要なの?」
と不安になった方もいるのではないでしょうか。
2026年8月から、Windows 11の一部バージョンでは「WMIC」と呼ばれるコマンドラインツールが利用できなくなります。
ただし、Windowsの管理機能である「WMI(Windows Management Instrumentation)」そのものが削除されるわけではありません。今回使えなくなるのは、WMIをコマンドから操作するために使われてきた「WMIC」です。
名前がよく似ているため混同しやすいのですが、一般的な使い方をしている方の多くは、特別な対応をする必要はありません。
この記事では、Windows Management Instrumentation(WMI)とWMICの違い、何が削除されるのか、普段のパソコン操作に影響があるのかを、わかりやすく解説します。
Windows Management Instrumentation(WMI)とは?
Windows Management Instrumentation(WMI)は、Windowsの状態を確認したり、パソコンを管理したりするための仕組みです。
読み方は「ウィンドウズ・マネジメント・インストルメンテーション」で、一般的には頭文字を取って「WMI」と呼ばれています。
WMIを利用すると、Windowsやアプリは次のような情報を取得できます。
- パソコンの機種名や製造元
- Windowsのバージョン
- CPUやメモリの情報
- ストレージの空き容量
- 起動しているサービス
- ネットワークの設定
- 接続されている周辺機器
- システムの動作状況
たとえば、パソコンの状態を確認する管理ツールやセキュリティソフト、企業で使用される監視システムなどが、WMIを利用して情報を取得することがあります。
普段パソコンを使っているときに「WMIを使っている」と意識することはほとんどありません。しかし、Windowsの裏側では、さまざまな機能やアプリがWMIを利用しています。
そのため、WMIは不要な機能ではありません。「使った覚えがないから」といって、関連するサービスを停止したり削除したりしないようにしてください。
タスクマネージャーに表示されることもある
タスクマネージャーを確認したときに、次のような名前が表示されることがあります。
- WMI Provider Host
- WmiPrvSE.exe
- Windows Management Instrumentation
これらは、WMIを利用してWindowsの情報を取得するために動作する正規のプロセスやサービスです。
Microsoftに似せた不審な名前ではなく、Windowsに標準で含まれているものなので、表示されているだけでウイルスを疑う必要はありません。
WMIとWMICは何が違う?
WMIとWMICは名前がよく似ていますが、同じものではありません。
簡単にいうと、WMIは「Windowsの管理情報を扱う仕組み」、WMICは「WMIの情報をコマンドで取得・操作するためのツール」です。
| 項目 | WMI | WMIC |
|---|---|---|
| 正式名称 | Windows Management Instrumentation | Windows Management Instrumentation Command-line |
| 役割 | Windowsの情報を管理・提供する仕組み | WMIをコマンドから利用するツール |
| 主な利用者 | Windows、アプリ、管理システム | システム管理者、企業のIT担当者など |
| 2026年8月以降 | 引き続きサポートされる | Windows 11の対象バージョンから削除 |
| 今回の変更による影響 | なし(引き続き利用される) | 使っていなければほぼ影響なし |
たとえば、以前はコマンドプロンプトで次のようなコマンドを入力すると、パソコンの情報を確認できました。
wmic bios get serialnumberこれは、WMIが持っている情報を「WMIC」というツールを使って表示させる方法です。
今回削除されるのは、このコマンドを実行するためのWMICです。情報を管理する土台であるWMIそのものがなくなるわけではありません。
家にたとえるなら、WMIは「情報が保管されている倉庫」、WMICは「倉庫から情報を取り出すための古い受付窓口」のようなものです。
受付窓口が閉じても、倉庫までなくなるわけではありません。今後はPowerShellなど、別の方法を使って必要な情報を取得します。
Windows 11では何が削除される?
Microsoftの発表によると、2026年8月からWindows 11のバージョン24H2・25H2では、WMICが含まれなくなります。
新しくWindows 11をインストールした環境では、すでにWMICが既定で削除されていましたが、これまでは「オプション機能(Feature on Demand)」として追加できる場合がありました。
今回の変更後は、このオプション機能からもWMICが削除され、必要になってから追加し直すこともできなくなります。
一方、Windows Management Instrumentation(WMI)は引き続きサポートされます。Windowsの管理機能や、WMIを利用しているアプリが一斉に使えなくなるわけではありません。
※ 自分のWindowsが24H2・25H2かわからない場合は、バージョンを確認してみましょう。
【関連記事】Windowsのバージョンを確認する方法【3秒/30秒/3分でわかる】
WMICが削除されるとパソコンに影響はある?
普段、インターネットやメール、Word、Excelなどを使用している方であれば、WMICが削除されてもほとんど影響はありません。
次のような一般的な操作は、これまでどおり行えます。
- Windowsへのサインイン
- インターネットの閲覧
- メールの送受信
- WordやExcelなどの利用
- 写真や動画の保存
- プリンターやUSB機器の使用
- Windows Updateの実行
- セキュリティソフトの利用
WMICは、Windowsを操作するために必ず必要な機能ではありません。主に、コマンドやスクリプトを使ってパソコンの情報を取得・管理する場面で使われてきました。
「WMIC」という名前を初めて知った方や、コマンドプロンプトをほとんど使わない方は、特別な対応をしなくても大丈夫です。
影響を受ける可能性があるケース
一方、次のような環境では確認が必要になることがあります。
wmicコマンドを日常的に使用している- WMICを使ったバッチファイルを実行している
- 古い業務ソフトや管理ツールを使用している
- 社内のパソコン管理を自動化している
- パソコンの情報収集に古いスクリプトを使用している
- 手順書に「wmic」と入力する操作が含まれている
古いバッチファイルや管理用スクリプトの中にWMICの命令が書かれていると、削除後はその部分が実行できなくなる可能性があります。
実行したときに、次のようなメッセージが表示されることも考えられます。
'wmic' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。この表示が出ても、Windowsそのものが壊れたわけではありません。WMICというコマンドが見つからない状態です。
会社や学校から支給されたパソコンの場合は、自分で設定を変更せず、管理担当者に確認してください。
自分がWMICを使っているか確認する必要はある?
一般家庭のパソコンであれば、WMICを使っているかを無理に調べる必要はありません。
これまで自分でコマンドプロンプトを開き、wmicから始まるコマンドを入力した覚えがなければ、今回の削除による影響を受ける可能性は低いでしょう。
ただし、自分で作ったバッチファイルや、以前インターネットから入手した管理用スクリプトを使っている場合は、中身を確認できます。
バッチファイルを右クリックして「メモ帳で編集」または「その他のオプションを確認」からメモ帳で開き、次の文字が含まれていないか探します。
wmic見つかった場合は、削除後に正常に動作しなくなる可能性があります。
ただし、内容がよくわからないバッチファイルを自分で書き換えるのはおすすめしません。配布元に新しいバージョンがないか確認するか、パソコンの管理担当者へ相談してください。
WMICの代わりに何を使う?
Microsoftは、WMICの代わりとしてPowerShellの利用を案内しています。
PowerShellはWindowsに標準搭載されている管理ツールで、WMICよりも新しく、複雑な情報の取得や処理にも対応しています。
PowerShellでは、主に「Get-CimInstance」というコマンドを使ってWMIの情報を取得できます。
パソコンの製造元と機種名を確認する
WMICでは、次のコマンドが使われていました。
wmic computersystem get manufacturer,model
PowerShellでは、次のように入力します。
Get-CimInstanceWin32_ComputerSystem|Select-ObjectManufacturer, Model
これでNEC、富士通、Dellなどの製造元と、パソコンの機種名をまとめて確認できます。
BIOSのシリアル番号を確認する
WMICでは、次のコマンドがよく使われていました。
wmic bios get serialnumberPowerShellでは、次のように入力します。
Get-CimInstance Win32_BIOS | Select-Object SerialNumberWindowsのバージョンを確認する
Get-CimInstance Win32_OperatingSystem | Select-Object Caption, Version, OSArchitecturePowerShellを開く方法
Windows 11でPowerShellを開く手順は次のとおりです。
- スタートボタンを右クリックします。
- 「ターミナル」または「ターミナル(管理者)」を選択します。
- PowerShellの画面が開いたら、必要なコマンドを入力します。
- Enterキーを押して実行します。
パソコンの機種名やWindowsの情報を表示するだけなら、通常は管理者として開かなくても実行できます。
なお、インターネット上で見つけたPowerShellコマンドを、意味がわからないまま実行するのは避けてください。PowerShellには設定の変更やファイルの削除ができるコマンドもあるため、実行前に内容を確認することが大切です。
※ PowerShellの基本やコマンドプロンプトとの違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】PowerShellってなに?何ができる?コマンドプロンプトとの違い
WMICが使えなくなったときの対処法
これまで使用していたコマンドやバッチファイルが動かなくなった場合は、次の順番で確認しましょう。
1.エラーメッセージを確認する
まず、画面に「wmicが認識されていません」などの表示が出ていないか確認します。
WMICの削除が原因であれば、Windowsやパソコン本体の故障ではありません。何度再起動しても、削除されたWMICが元に戻るわけではないため、別の方法への変更が必要です。
2.配布元の更新情報を確認する
業務ソフトや管理ツールに付属するバッチファイルでエラーが出た場合は、ソフトの配布元や開発元に新しいバージョンがないか確認してください。
WMIC削除に対応した更新プログラムや、新しい手順が案内されている可能性があります。
3.PowerShellへの置き換えを検討する
自分で作成したバッチファイルの場合は、WMICを使っている部分をPowerShellのコマンドへ置き換えます。
ただし、WMICとPowerShellでは書き方や出力形式が異なるため、単純にコマンド名だけを入れ替えても動作しないことがあります。
特に会社で使用するスクリプトは、変更後にテスト用のパソコンで動作を確認してから利用しましょう。
WMICはなぜ削除されるの?
WMICは長年利用されてきたツールですが、現在は古い仕組みとして非推奨になっています。
Microsoftは、より安全で柔軟に管理できるPowerShellなどへの移行を進めており、その一環としてWMICをWindows 11から段階的に削除しています。
WMICは短いコマンドで情報を取得できるため便利でしたが、複雑な処理には向いておらず、出力された情報をほかの処理に利用しにくい面もありました。
一方、PowerShellでは取得した情報を並べ替えたり、必要な項目だけを選んだり、複数のパソコンを管理したりできます。
今回の削除は、Windowsの管理機能が使えなくなる変更ではありません。古い操作方法であるWMICから、PowerShellなどの新しい管理方法へ切り替えるための変更です。
WMICを自分で元に戻してもよい?
WMICが使えなくなっても、インターネット上から非公式なファイルをダウンロードして元に戻そうとするのは避けてください。
これまではWindowsの「オプション機能」から追加できる環境もありましたが、2026年8月以降の対象環境では、WMICがオプション機能としても利用できなくなります。
「WMICを復活させる」「削除されたWMICをダウンロードできる」などと案内する非公式サイトがあっても、安易に利用しないようにしましょう。
配布されているファイルが正規のものとは限らず、マルウェアや不正なプログラムが含まれている可能性もあります。
WMICが必要だった操作は、PowerShellやWindowsの設定画面など、現在もサポートされている方法へ切り替えるのが安全です。
Windows Updateを元に戻す必要もない
WMICが削除されたことだけを理由に、Windows Updateをアンインストールしたり、更新を長期間停止したりする必要はありません。
Windows Updateには、セキュリティ上の問題を修正する更新も含まれています。古いコマンドを残すために更新を避けると、別の危険が生じる可能性があります。
使用していたツールが動かなくなった場合は、Windowsを古い状態に戻すのではなく、ツールやスクリプト側の更新を確認してください。
WMI Provider Hostは停止・削除しない
WMICが削除されるという情報を見て、「WMI Provider Hostも不要になるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、WMI Provider Hostは今回削除されるWMICとは別のものです。Windowsやアプリがシステム情報を取得するときに使われるため、自己判断で停止・削除しないでください。
サービスの一覧には「Windows Management Instrumentation」という項目もありますが、こちらも無効にしないようにしましょう。
停止すると、Windowsの管理機能やWMIを利用しているアプリが正常に動作しなくなる可能性があります。
WMI Provider HostのCPU使用率が高い場合も、プロセスを削除するのではなく、WMIを頻繁に呼び出しているアプリやサービスを調べる必要があります。
今回覚えておきたいのは、次の2点です。
- WMICは削除される古いコマンドラインツール
- WMIとWMI Provider Hostは、引き続きWindowsで使用される
名前が似ていても役割は異なるため、混同しないようにしましょう。
【関連記事】Windowsのイベントビューアーで原因を特定する方法
よくある質問
Q.Windows Management Instrumentationはウイルスですか?
いいえ、Windows Management Instrumentation(WMI)は、Windowsに標準で搭載されている正規の管理機能です。
タスクマネージャーに表示される「WMI Provider Host」や「WmiPrvSE.exe」も、通常はWindowsの正規プロセスです。
ただし、正規のプロセスに似せた名前を使用する不正プログラムも考えられます。心配な場合は、タスクマネージャーで該当するプロセスを右クリックし、「ファイルの場所を開く」から保存場所を確認してください。
正規の「WmiPrvSE.exe」は、通常、Windowsのシステムフォルダー内にあります。見慣れない場所に保存されている場合は、Windows セキュリティなどでスキャンしましょう。
Q.WMICが削除されたか確認する方法はありますか?
ターミナルやコマンドプロンプトを開き、次のように入力します。
wmicWMICが利用できる環境では、WMICの画面に切り替わります。
一方、「wmicは認識されていません」などと表示された場合は、そのパソコンではWMICを利用できない状態です。
ただし、WMICが使えなくても故障ではありません。一般的なパソコン操作にはほとんど影響しないため、無理に追加する必要もありません。
Q.WMIも将来削除されるのですか?
今回Microsoftが削除するのは、コマンドラインツールのWMICです。
Microsoftは、Windows Management Instrumentation(WMI)そのものは引き続きサポートすると説明しています。
WMIはWindowsやさまざまな管理ツールが利用する基盤であり、今回の変更によって使えなくなるわけではありません。
Q.Windows 10でもWMICは使えなくなりますか?
今回案内されている変更の対象は、Windows 11のバージョン24H2・25H2です。
ただし、WMICはすでに非推奨の機能です。現在使える環境であっても、今後に備えてPowerShellなどへ移行しておくと安心です。
Q.会社のパソコンで対応が必要ですか?
一般の利用者が自分で対応する必要はありません。
会社のパソコンでは、管理用のスクリプトや古い業務ツールがWMICを利用している可能性があります。エラーが出た場合は自分でシステムを変更せず、社内のIT担当者や管理者へ連絡してください。
Q.WMICがなくなるとパソコンの情報を確認できませんか?
いいえ、パソコンの情報を確認する方法はほかにもあります。
基本的な情報であれば、「設定」→「システム」→「バージョン情報」から確認できます。より詳しい情報は「システム情報」やPowerShellでも取得できます。
シリアル番号については、パソコン本体のシール、メーカーのサポートアプリ、BIOS画面などで確認できる場合もあります。
Q.WMICを使っているアプリも動かなくなりますか?
アプリ内部で古いWMICコマンドを呼び出している場合は、一部の機能が動かなくなる可能性があります。
ただし、WMIそのものを利用しているアプリまで一律に使えなくなるわけではありません。
エラーが出た場合は、まずアプリの更新版がないか確認してください。更新しても改善しない場合は、開発元やサポート窓口への確認が必要です。
まとめ
2026年8月から、Windows 11のバージョン24H2・25H2では、コマンドラインツールの「WMIC」が利用できなくなります。
ただし、今回削除されるのはWMICだけです。Windowsの管理機能である「WMI(Windows Management Instrumentation)」そのものは、引き続きサポートされます。
一般的な使い方をしている方であれば、WMICが削除されても、インターネットやメール、Word、Excelなどの操作にはほとんど影響ありません。
一方、WMICを使用したバッチファイルや古い業務ツールは、正常に動作しなくなる可能性があります。その場合は、Windows Updateを元に戻したり、非公式なサイトからWMICを入手したりせず、PowerShellへの置き換えやツールの更新を検討してください。
今回の変更で覚えておきたいポイントは、次のとおりです。
- Windows 11から削除されるのは「WMIC」
- Windowsの管理基盤である「WMI」は引き続き使用される
- 一般の利用者は基本的に対応不要
- 古いバッチファイルや業務ツールは影響を受ける可能性がある
- 今後はPowerShellの「Get-CimInstance」などを利用する
- WMI Provider HostやWindows Management Instrumentationを停止しない
- 非公式な方法でWMICを復活させない
「Windows Management Instrumentationもなくなるのでは?」と心配する必要はありません。WMIとWMICの違いを理解し、必要な場合だけ安全な方法へ切り替えましょう。
