副業から個人事業主になることを考えている方のために、今日は必要な届出や手続きについてわかりやすくご紹介して行きたいと思っています。
実際にやってみると「これだけでいいの？」と思われるはずです。ここでは、やり方を順序立てて説明します。全く難しくないので、ぜひ挑戦してみて下さい！
特に、これから初めての独立に向けて準備を進める方にとっては、どのような手続きをしなければならないのか、不安に感じることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、わかりやすさを重視し、順を追って解説していきます。
1. 副業から個人事業主になる際に必要な届出とは？
副業から個人事業主に移行する場合、必要な届出書類があります。
（1）個人事業の開業・廃業等届出書
これは、個人事業主としての活動を開始する際に税務署に提出する最も重要な届出です。
この書類を提出することで、正式に個人事業主として登録されます。提出先は、事業所がある地域を管轄する税務署です。
• 提出期限：事業を開始した日から1ヶ月以内
（提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。）
• 提出方法：直接税務署へ持参、郵送、またはe-Tax（電子申告）を利用できます。
（2）青色申告承認申請書
青色申告を行うことで、節税メリットを最大限活用することができます。この申請書は、白色申告からの切り替えを検討している方や、初めから青色申告を選びたい方に必要です。
• 提出期限：開業日から2ヶ月以内（ただし、1月16日以降に開業した場合、その年の3月15日まで）
この青色申告承認申請書は必ず提出して下さい。提出していないと最大65万円の控除が受けられません。
（3）給与支払事務所等の開設届出書（必要な場合のみ）
従業員を雇用したり、自分自身に給与を支払う形態を取る場合に必要です。
＊自分一人での開業であれば必要ありません。
2. 届出を出すタイミングとその理由
届出のタイミングを守ることは、トラブルを防ぐためにも非常に重要です。
特に、「個人事業の開業・廃業等届出書」を期限内に提出しないと、青色申告の承認が受けられなくなる可能性があります。
また、青色申告の承認申請は、節税対策において大きなメリットをもたらしますが、提出期限を過ぎてしまうと翌年まで適用が持ち越されます。こうした点をしっかりと押さえ、スケジュールを立てて行動することが成功の鍵となります。
3. 手続きに必要な書類と具体的な準備方法
必要書類一覧
• 個人事業の開業届：税務署の窓口または国税庁のホームページから入手
• 青色申告承認申請書：同じく税務署またはオンラインで入手
＞＞こちらからダウンロード
• マイナンバーカードまたは通知カードのコピー
（まだ作られていない方は最寄りの市町村窓口で作成して下さい）
• 本人確認書類（運転免許証など）
• 印鑑（場合によっては認印で可）
準備の手順
1. 書類をプリントアウトし、必要事項を記入
2. 開業届には、事業の種類（例：サービス業、飲食業など）や開業日を記載
3. 青色申告承認申請書では、会計帳簿の形式（複式簿記や単式簿記）を選択
実際に記入する際、記載ミスや不足項目がないように慎重に確認しましょう。不安な場合は税務署の窓口で質問すると、親切に対応してくれます。
4. 節税や保険で得するための注意点
副業から個人事業主に移行すると、税金や保険料の計算方法が変わるため、注意が必要です。
（1）所得税の計算方法
個人事業主の場合、売上から経費を差し引いた金額に基づいて所得税が計算されます。青色申告を活用すれば、最大65万円の控除が適用されるため、大きな節税効果があります。
（2）社会保険と年金
会社員としての副業から完全に独立すると、国民健康保険や国民年金への加入が必要です。これらの金額は収入に応じて変動しますが、確定申告の際に控除の対象となるため、しっかり計画しておきましょう。
（3）必要経費の把握
自宅を事務所として利用する場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上できます。これを「家事按分」と言いますが、計算の基準を明確にしておくことが大切です。
5. よくある疑問とその解決策
Q1. 届出は必ず自分で行う必要がありますか？
A. 自分で行うことも可能ですが、税理士や行政書士に依頼することで、正確かつ効率的に手続きを進めることができます。その場合、作成料金や委託料がかかります。自分でも簡単に作成できるものですから、やってみるのも経験だと思います。
Q2. 会社に副業のことを報告する必要はありますか？
A. 会社の就業規則を確認する必要があります。副業禁止の規定がある場合、事前に相談するか慎重に行動しましょう。
Q3. 売上が少ない場合でも届出は必要ですか？
A. 売上がゼロでも、開業届を出しておくことで青色申告の権利を得られます。
青色申告承認申請書を税務署に提出しておくと、今年の赤字を3年間繰り越すことができます。将来のためにも、迷わず早めに手続きを進めることをおすすめします。
6. まとめ
副業から個人事業主になる際には、いくつかの重要な届出と手続きが必要ですが、それぞれの手続きを正しく理解し、期限内に行うことが成功への第一歩です。また、青色申告を活用することで、節税メリットを最大限に享受できます。
初めての手続きで戸惑うことがあっても、一つ一つ丁寧に進めていけば問題ありません。わからないことがあれば、税務署に相談することをお勧めします。
予約が必要になってきますが、税務署では相談窓口があり税務の相談に応じて下さいます。また電話での問い合わせもできます。我々は税金を払っている国民ですから、わからないことは聞いてみましょう。想像以上に税務職員さんは優しいですよ。
そして、これからの新しい一歩が、皆さんにとって実り多いものになりますようにお祈りしています！
