
「自分のWindowsがWindows 11の24H2なのか、23H2なのか、あるいはWindows 10の22H2なのかを、誰でも迷わず確認できる」
ことをゴールに、最短3秒/ていねい30秒/しっかり3分の3パターンでご案内します。
結果として分かるのは、次の4点です。
- エディション(Home/Pro など)
- バージョン(例:24H2 / 23H2 / 22H2)
- OSビルド(例:26100.xxx / 22631.xxx / 22621.xxx / 19045.xxx)
- システムの種類(64ビット / 32ビット)
【用語ミニ辞典】用語簡単解説
- バージョン:Windowsの世代表示。例)24H2(2024年後半)、22H2 など。
- OSビルド:細かい番号で状態を表す数字。例)26100.xxx(24H2相当)。末尾の.xxxは更新で増える。
- UBR:OSビルドの小数点以下(Update Build Revision)。累積更新の回数イメージ。
- エディション:機能の違い。Home/Pro/Enterprise など(ProはBitLocker/リモート等が使える)。
- システムの種類(ビット):64ビット / 32ビット。アプリ/ドライバーの対応に影響。
- アーキテクチャ:CPUの種類。x64(一般的)、ARM64(一部PC)。
- H2:その年の後半リリース(Half 2)。例:24H2=2024年後半。
- winver:Win+R→
winver
で開くバージョン情報画面。 - エクスペリエンス:一部機能パックのバージョン名。通常は気にしなくてOK。
- Insider:先行版(Canary/Dev/Beta/Release Preview)。安定版と挙動が違うことあり。
ワンポイント:不具合情報・ドライバー互換性・ESU(延長セキュリティ更新)などは、バージョン+OSビルドの組み合わせで判断されることが多いです。数字をセットで控えておくと、あとで調べるときに役立ちます。
まずは最速:3秒で確認する(Win+R→winver)
- Windowsキー(キーボード左下の「⊞」)を押しながら R を押します。
→ 「ファイル名を指定して実行」が開きます。 - 入力欄に
winver
と入力して Enter を押します。 - 「Windows のバージョン情報」ウィンドウが表示され、バージョンとOS ビルドが確認できます。
画面の読み方
- 「バージョン」… Windows 11では 24H2 / 23H2 / 22H2 のように表示されます。
- 「OS ビルド」… 例:26100.xxx(24H2相当)、22631.xxx(23H2相当)、22621.xxx(22H2相当)、19045.xxx(Windows 10 22H2相当)
- 「© Microsoft Corporation」などの行は案内表示で、バージョン判断には使いません。
ヒント:この画面は言語設定に関係なく同じ場所にあり、最短で判定できます。とりあえず今の状態を知りたいときは
winver
がいちばん手早いです。
ていねいに確認:30秒コース(設定アプリから)
- スタート → 設定(歯車アイコン)を開きます。
- 左メニューから システム を選び、右側の下の方にある 「バージョン情報(About)」 をクリックします。
- 「Windows の仕様」という枠に、次の項目が表示されます。
- エディション(Home / Pro / Enterprise など)
- バージョン(24H2 / 23H2 / 22H2 など)
- OS ビルド(26100.xxx / 22631.xxx / 22621.xxx / 19045.xxx など)
- エクスペリエンス(表示される場合)
いっしょに見ておきたい項目
- デバイスの仕様 → システムの種類:64 ビット か 32 ビット かを確認できます。アプリの対応可否やドライバー選定に影響します。
- プロダクトID や デバイス名 はサポート窓口に伝えるときに使えるため、メモしておくと安心です。
補足:Windows 10 でも同様に 設定 → システム → バージョン情報 にまとまっています。UIの雰囲気は異なりますが、見る場所は同じです。
じっくり・くわしく:3分コース(PowerShell/コマンドで一覧)
「画面を見ただけで終わりにせず、テキストとして控えておきたい」「管理者として台数分まとめて取りたい」場合はこちらがおすすめです。
PowerShell(推奨)
- スタートで「PowerShell」と入力し、アプリを起動します(青いウィンドウ)。
- 次のコマンドを貼り付けて Enter
Get-ComputerInfo | Select OsName, OsDisplayVersion, OsVersion, OsBuildNumber, OsArchitecture
OsDisplayVersion
… 24H2 / 23H2 / 22H2 などOsBuildNumber
… 26100 / 22631 / 22621 / 19045 などOsArchitecture
… 64-bit か 32-bit
より詳細なレジストリ直読み版はこちらです(表示が速い場合があります)。
Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion' `| Select-Object ProductName, DisplayVersion, ReleaseId, CurrentBuildNumber, UBR, EditionID
DisplayVersion
… 24H2 / 23H2 / 22H2CurrentBuildNumber
+UBR
… 例:26100 + 1234 → 26100.1234EditionID
… Professional / Enterprise などの内部表記
CSVとしてデスクトップへ保存
Get-ComputerInfo `| Select OsName,OsDisplayVersion,OsBuildNumber,OsArchitecture `| Export-Csv "$env:USERPROFILE\Desktop\win_version.csv" -NoTypeInformation -Encoding UTF8
※ ファイル名はお好みで変更できます。複数台の管理や記録に便利です。
コマンドプロンプト派
スタートで「cmd」と入力して開き、次を実行します。
systeminfo | findstr /B /C:"OS 名" /C:"OS バージョン" /C:"システムの種類"
注意:
wmic os get Caption,Version
は非推奨となっており、今後使えなくなる可能性があります。PowerShellへ移行するのがおすすめです。
早見表:バージョンとビルドの対応(目安)
OS | 表示されるバージョン | 主なビルド(目安) |
---|---|---|
Windows 11 | 24H2 | 26100.x 以降 |
Windows 11 | 23H2 | 22631.x |
Windows 11 | 22H2 | 22621.x |
Windows 11 | 21H2 | 22000.x |
Windows 10 | 22H2 | 19045.x |
- 「H2」はその年の後半(Half 2)リリースを表します。
- 小数点以下(UBR:Update Build Revision)は累積更新で増えていきます。
- Insider/プレビュー版を利用していると、安定版より先のビルドが表示される場合があります。安定版かどうかは エディション(Insider表記の有無) も確認してください。
つまずきやすいポイントと対処
「バージョンが数字じゃない/H2って何ですか?」
Windows 11では 年+H2(後半) の表記に変わりました。
例)2024年後半=24H2。Windows 10は 22H2(19045.x) が最終バージョンです。
英語表示でよく分からないです
言語が英語でも、winver や 設定 → System → About の位置は同じです。項目名は
- Version(バージョン)
- OS build(OS ビルド)
- System type(システムの種類)
などに対応します。
会社PCで項目が見えない/開けないです
企業のポリシーによって、設定画面やレジストリの参照が制限されている場合があります。PowerShellを管理者として実行しても見られない場合は、IT部門に問い合わせてください。
(CSV出力のコマンドは、権限により実行不可となることがあります。)
Print Screen
キーでSnipping Toolが開かない
設定 → アクセシビリティ → キーボード の「Print Screen キーで Snipping Tool を開く」をオンにします。
スクリーンショットをファイルとして自動保存したい場合は、Win + PrtSc を使うと、ピクチャ → スクリーンショット に保存されます。
自分のPCが32ビットか64ビットか分かりません
設定 → システム → バージョン情報 → システムの種類 で確認できます。近年はほぼ64ビットですが、古いソフトやドライバーの互換性チェックに重要です。
使い分けのコツ(どの方法を選べばいい?)
- とにかく最短で →
winver
(3秒) - 画面で丁寧に確認+64ビット等も見たい → 設定(30秒)
- 記録や台数分の管理が必要 → PowerShell(3分、CSV出力で保存)
まとめて控える文化をつくると、あとで不具合記事を読むときに「自分の環境に当てはまるか」を素早く判断できます。特にOSビルドの小数点以下まで控えるのがポイントです。
よくある質問(FAQ)
Q. 「エディション」はどこで使いますか?
A. Home/Pro/Enterpriseなどの違いは、使える機能(BitLocker、リモートデスクトップ受信など)に関わります。手順記事の前提条件で「Pro限定」と明示されることがあるため、エディション名もメモしておくと安心です。
Q. バージョンだけ分かれば十分ですか?
A. 不具合やセキュリティ通達はOSビルドの差で挙動が変わることがあります。バージョン+OSビルドの2点セットで控えることをおすすめします。
Q. Insider(プレビュー)を使っているかの見分け方は?
A. winver
の表記や設定の「Windows Update」画面に**チャネル(Canary/Dev/Beta/Release Preview)**の記載がある場合、Insiderの可能性があります。安定版の記事と挙動が異なる場合があるため注意してください。
Q. 表示が英語で困ったときの検索キーワードは?
A. “winver”, “About your PC”, “OS build”, “Display version” などが対応語です。英語記事も見つかりやすくなります。
まとめ
- 最速は
Win + R → winver
です。数秒で「バージョン」と「OSビルド」が分かります。 - 丁寧に確認するなら 「設定 → システム → バージョン情報」。エディション / バージョン / OSビルド / システムの種類(64bit/32bit) をまとめて確認できます。
- 記録や共有が必要なら PowerShellで一覧取得し、
CSV
に保存すると便利です。 - メモしておくべき4点:①バージョン(例:24H2) ②OSビルド(例:26100.xxx) ③エディション(Home/Pro等) ④システムの種類(64bit/32bit)。
- 判定後の次の一手:Windows 10の方は ESU/延長策 を、Windows 11 24H2の方は 既知の不具合と対処 をチェック。
さいごに
本記事の手順はWindows 11/10 共通で、将来も大きくは変わりません。困ったときにすぐ開けるよう、ブックマークやデスクトップにショートカット(winver
)を作成しておくと便利です。
[スポンサーリンク】
Windowsを正しく理解するための読み物
- Kindle Unlimited(30日無料):ショートカット/設定/トラブル本をまとめ読み
- Windows 11の解説本を探す:24H2対応の入門~活用書