
はじめに
Windows 11 の累積更新(KB5063878)をきっかけに、ネット上で「SSDが認識されない」「更新が失敗する」「イベントビューアーに赤いエラーが出る」などの不安な声が広がりました。
ただし結論から言うと、すべての端末で“SSDが壊れる”ような広範な不具合が公式に確認されたわけではありません。一方で、更新経路(WSUS/SCCM)や一部環境条件によっては、更新失敗や一時的な不安定が起き得るため、落ち着いて「確認すべき点」と「安全策」を押さえることが大切です。
この記事では、噂と事実を切り分けながら、今すぐできる対策を“やる順番”でまとめます。
まず結論:よく出る3つの話はこう考える
- SSDが消える・認識しない:一部で報告はあるが、Microsoft/Phisonは「更新がSSDを壊す」との因果を否定。レビュアー環境の“試作FW”など特殊条件が原因になった可能性が指摘されています。
- WSUS/SCCMで 0x80240069 になる:Release healthに掲載された既知の問題で、再同期・再配布で解消するケースが多いタイプです(KIRが案内された時期もあり、現在は「特別なGPOは不要」と整理されています)。
- イベントID 57(Pluton):見た目は“エラー”でも、Microsoftは機能影響なし/対応不要と説明しています。
症状として報告されやすいもの
個人ユーザー環境で目立つもの
- 更新後にSSDが一時的に見えない/再起動で戻ることがある
- 大容量コピーやゲームの大きな更新などでフリーズ・強制再起動が起きると感じる
- 「更新=SSD破壊」という強い言い回しの投稿を見て不安になる
企業・組織(WSUS/SCCM/Intune運用)で困りやすいもの
- WSUS/SCCM 配信で 0x80240069 などのエラーになり導入が進まない(端末側ログに WUA 関連の失敗が残る)
- 「配信は来ているのに入らない/再試行ループ」になりやすい
【重要】イベントID 57(Pluton)が出ても、基本は“放置でOK”
イベントビューアーに次のようなログが出て驚く方が多いのですが、Microsoftは「Windowsの動作に影響なし/対応不要」と説明しています。
The “Microsoft Pluton Cryptographic Provider” provider was not loaded because initialization failed.(Error ID 57)
つまりこのログは「今すぐ直すべき致命傷」ではなく、ログとして目立つだけの“ノイズ”になりやすいタイプです。まずはSSDや更新失敗など、実害のある症状の有無を優先して確認しましょう。
「SSDが壊れる」噂はどう整理する?(真相のまとめ)
この件は情報が混線しやすく、強い言葉だけが拡散しがちでした。Phisonは公式声明で「最近の報道(更新がストレージを破損する可能性)についての見解」を出しており、またMicrosoft側も“更新がSSDを壊す”という形での因果は確認されていない方向で整理されています。
さらに報道では、問題が取り沙汰された一部の検証環境が製品版ではない“エンジニアリング(試作)ファームウェア”を使用していた可能性が指摘され、一般ユーザーの通常環境とは条件が異なる点も説明されています。
とはいえ、ストレージは「何も起きない前提」で動かすのが一番危険です。この記事では、噂の真偽とは別に、誰でもやっておくべき安全策を具体的にまとめます。
ユーザーが今できる“安全策”(やる順番)
手順1:バックアップを二重化する(最優先)
更新トラブルで本当に困るのは、OSよりデータです。外付けストレージ+クラウドなど、最低でも2系統にしておくと安心です。
- 重要フォルダは外付けSSD/HDDへ
- 写真・書類はOneDrive等にも複製(同期ではなく“退避”の意識)
手順2:SSDメーカーの公式ツールでファームウェア確認
モデル名の“影響リスト探し”より、公式ユーティリティでFWが最新かを見る方が確実です。FW更新は失敗すると危険なので、必ずAC給電+バックアップ後に行ってください。
手順3:更新直後の“大容量連続書き込み”は様子を見て分割
大容量コピー・巨大ゲーム更新などは、環境次第で不安定さを感じることがあります。心当たりがある場合は分割して間隔を空けるだけでも体感が変わります(原因の断定ではなく、あくまで“安全側の運用”です)。
手順4:イベントID 57だけなら、基本は無視でOK
前述の通り、このログはMicrosoftが「影響なし/対応不要」と説明しているため、ログ消し目的の作業は不要です。
更新が入らないとき(個人向け:基本の直し方)
ここからは“更新失敗”に対する定番の復旧手順です。上から順に試してください。
- 再起動 → もう一度「更新の確認」(意外とこれで通ることが多い)
- 空き容量の確保(Cドライブに余裕を作る)
- DISM → SFC(管理者のターミナルで)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow - Windows Updateキャッシュの初期化(SoftwareDistribution等のリセット)
- Microsoft Update Catalog のスタンドアロン適用(.msu を手動で)
「怖いから更新しない」より、バックアップを固めて安全に更新するほうが、結果的に安心です。
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WSUS/SCCM環境で 0x80240069 が出るとき(管理者向け)
このタイプは端末側だけでなく、WSUS側の同期・メタデータ・配布物の状態が効いてきます。Release healthでは、既知の問題として案内され、状況整理(特別なKIR用GPOは不要になった等)も掲載されています。
- WSUS:再同期(sync)+配布物の再取得(期限切れ/差し替えの影響を受けている場合に有効)
- 承認・自動配布ルール(ADR)の見直し:誤承認や旧メタデータ参照がないか確認
- 端末側:WUAリセット → 再試行(SoftwareDistribution初期化等)
- 切り分け:同一端末に「カタログのスタンドアロン」を当てて、WSUS経路問題か端末問題かを判定
※記事としては、原因を“断定”するより、公式に「既知として扱われた/整理された」という書き方のほうが安全です。
よくある質問(Q&A)
Q. 「SSDが壊れる」って本当?
A. 現時点では、Microsoft/Phisonが「更新がSSDを壊す」といった因果を裏付けていません。特殊条件(試作FW等)の可能性が指摘されています。とはいえバックアップとFW確認は必須です。
Q. イベントビューアーのID57が怖いです。
A. Microsoftは「機能影響なし/対応不要」と説明しています。ログが出るだけで、直す作業は不要です。
Q. 会社PCだけ更新が入らないのはなぜ?
A. WSUS/SCCMなど配信経路が絡むと、端末ではなく“配布側の状態”で詰まることがあります。まず再同期・再配布・切り分けが定石です。
まとめ
KB5063878をきっかけに不安な話題が広がりましたが、ポイントは次の通りです。
- SSDの件は“誰でも壊れる”話ではない(ただしバックアップとFW確認はやる)
- WSUS/SCCMの更新失敗(0x80240069)は配信経路の対処が効く(再同期・再配布・切り分け)
- イベントID 57(Pluton)は“対応不要”(見た目に反して実害なし)
怖い情報ほど目立ちますが、やるべきことはシンプルです。「バックアップ → FW確認 → 正しい手順で更新」の順で、“止めない・戻れる”環境を作っていきましょう。
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