【2025年8月最新版】KB5063878 が WSUS/SCCM 環境でインストール失敗(エラー 0x80240069)する不具合と対処方法

8月のパッチKB5063878でエラー0x80240069が発生し、WSUSやSCCM環境でインストールできないことを示すWindowsエラーメッセージのイラスト

はじめに

2025年8月の累積更新プログラム KB5063878(Windows 11 バージョン 24H2向け)を、WSUS や SCCM(Microsoft Endpoint Configuration Manager) 環境で配信した際に、エラーコード 0x80240069 でインストールが失敗する事例が報告されています。

特に、休日明け、出社後に更新を実施する企業環境で多数発生する可能性があります。

この記事では、現場で使える超詳しい手順 として、原因の解説から公式修正方法、暫定回避策までをまとめます。

不具合の概要

対象更新:KB5063878(2025年8月累積更新)

対象OS:Windows 11 バージョン 24H2

主な発生環境:WSUS / SCCM 管理下

エラー内容

・「0x80240069」エラーで失敗

・イベントログに WUAHandler エラー(Unexpected HRESULT)

・svchost.exe_wuauserv がクラッシュ(ntdll.dll / 0xc0000005)

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原因について

マイクロソフトによると、Windows Update Agent(wuauserv)内の「Feature Management」機能の不具合が原因で、WSUS/SCCM の配信経路で誤動作が発生するとのことです。

Home ユーザーや Windows Update カタログから直接インストールする場合には影響が少なく、企業環境特有の現象です。

公式の修正版(KIR)の適用方法

マイクロソフトは Known Issue Rollback(KIR) による修正版を配信開始しています。

グループポリシー経由で KIR ポリシーを適用するのが推奨です。

KIRポリシーの入手

  1. マイクロソフト公式の KIR ポリシー管理テンプレート をダウンロードします。
    ダウンロードページ(Microsoft)
  2. ZIPを展開し、「.admx」「.adml」ファイルを管理用PCの C:\Windows\PolicyDefinitions フォルダーにコピーします。

グループポリシーで適用

  1. グループポリシー管理コンソール(GPMC) を開きます。
  2. 「コンピューターの構成」 → 「管理用テンプレート」 → 「KB5063878 250814_00551 Known Issue Rollback」を選択。
  3. 「有効」に設定して適用。
  4. クライアントPCを再起動。

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手動回避策(KIR適用が難しい場合)

レジストリで「Feature Variants」無効化

  1. メモ帳を開き、以下を貼り付けて保存(例:disable_feature_variants.reg)。

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FeatureManagement\Overrides\8\3000950414]“EnabledState”=dword:00000001“EnabledStateOptions”=dword:00000000“Variant”=dword:00000000“VariantPayload”=dword:00000000
  1. 保存時に「ファイルの種類」を「すべてのファイル」にし、拡張子を .reg にします。
  2. 管理者として実行 → 再起動。
  3. 再度 WSUS/SCCM から KB5063878 をインストール。

この方法は、KIRポリシーがまだ適用されていない環境や、即時の復旧が必要な場合に有効です。ただし、レジストリ編集はシステムに直接影響を与えるため、必ず事前にバックアップを取得し、操作は管理者または十分な知識を持つ担当者が行ってください。

Microsoft Update カタログから直接適用

  1. Microsoft Update Catalog を開きます。
  2. 「KB5063878」で検索。
  3. 環境に合ったファイル(x64/ARM64)をダウンロード。
  4. 管理者権限で .msu を実行。

この方法は、WSUSやSCCMを経由せずに更新プログラムを適用できるため、配信経路に起因するエラーを回避できます。特に少数の端末で検証を行いたい場合や、配信サーバー側の修正を待てない場合に有効です。ただし、大規模展開には向かないため、本番展開前のテストや一時的な対処としてご利用ください。

WSUS/SCCM での更新再インポート手順

  1. WSUS 管理画面で該当 KB を「拒否」に設定。

2. 「Microsoft Update カタログ」から該当 KB を再インポート。

3. 承認し、配信を再実行。

再インポートを行うことで、配布パッケージに含まれるメタデータやファイルが最新状態に置き換わり、初回配信時の破損や不整合を解消できます。特に承認設定や言語パックの組み合わせによって更新が失敗している場合、この手順で改善する可能性が高まります。

注意点

  • KIR適用後も反映まで数時間かかる場合があります。
  • 更新再試行は必ずクライアントの再起動後に行ってください。
  • 適用確認は「winver」コマンドまたは「設定 → Windows Update → 更新履歴」で確認可能です。

また、適用作業は必ず業務の合間やメンテナンス時間帯に実施することをおすすめします。特にWSUS/SCCM経由の更新はネットワークやストレージに負荷がかかるため、他の配信タスクやバックアップ処理と重ならないようスケジュールを調整すると、失敗や遅延のリスクを減らせます。

まとめ

今回の KB5063878(2025年8月累積更新) は、WSUS/SCCM 環境でエラーコード 0x80240069 によりインストールできない不具合が発生しています。原因は Windows Update Agent 内の機能管理ロジック(Feature Management)の不具合であり、企業や組織の管理環境特有の問題です。

マイクロソフトは既に Known Issue Rollback(KIR) による修正版を配信しており、グループポリシー適用で改善が期待できます。

しかし、即日対応が求められる現場では、以下のような暫定策も有効です。

  • レジストリ編集による機能変種の無効化
  • Microsoft Update カタログから直接インストール
  • WSUSでの該当更新の再インポート
  • SCCMでのコンテンツ再配布
  • 更新キャッシュのクリアや一時的な直接インターネット更新

特にお盆明けの本日以降は、多くの企業環境で更新作業が再開されるため、この不具合が全国的に目立つ可能性があります。

更新計画を見直し、パイロットグループでの検証後に本展開するなど、リスクを最小限に抑える運用が重要です。

管理者の方は、公式のKIR対応を迅速に適用しつつ、手動回避策やネットワーク環境の整備も並行して行うことで、更新失敗による業務影響を大幅に減らすことができます。

本記事の手順を活用し、エラー 0x80240069 による停止を防ぎ、安全かつスムーズに KB5063878 を展開してください。

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