
Windows Updateの直後に「SSDが見えない」「ドライブが消えた」「RAWになった」という声がSNSやフォーラムで話題になることがあります。
ただし結論から言うと、“Windows UpdateがSSDを物理的に壊す”と断定できるケースばかりではありません。実際には、ストレージのファームウェア/BIOS/ドライバ/電源管理/温度/ケーブルなどが絡み、更新をきっかけに不安定さが表面化することが多いです。
この記事では、「慌てずに切り分ける手順」と、「更新を安全に受けるための準備」を、初心者でも実行できる形でまとめます。
重要:SSDが見えないときは、むやみに書き込みが増える操作(初期化・修復・ベンチマーク・デフラグ等)を先にやらず、まず“見えるかどうか”の切り分けから始めてください。
まず知っておくこと:起きているのは「3タイプ」
- A:BIOS/UEFIでもSSDが見えない(電源・ケーブル・ポート・SSD自体・BIOS設定の可能性)
- B:BIOSでは見えるが、Windowsで見えない(ドライバ・電源管理・パーティション・BitLocker・OS側の不整合など)
- C:見えるがRAW/アクセス不可(ファイルシステム破損・暗号化・接続不良・コントローラ不安定など)
このA/B/Cを切り分けるだけで、やるべき対処が一気に整理できます。
1分チェック(最短で方針を決める)
- □ PCの電源を切り、完全シャットダウン(できれば電源ケーブルを抜いて数十秒)を行った
- □ BIOS/UEFIでSSDが表示されるか確認した(A/Bの切り分け)
- □ Windowsでディスクの管理(diskmgmt.msc)に出ているか確認した
- □ デバイスマネージャーの「ストレージ コントローラー」「IDE ATA/ATAPI」で警告がないか見た
- □ RAW/不明ディスクの場合、初期化やフォーマットをしていない
症状別:最短の切り分けフロー
A)BIOS/UEFIでも見えない場合(ハード寄り)
BIOSで消える/出たり消えたりする場合は、Windows側より先に物理と設定を疑います。
- SATAケーブル・電源ケーブルを抜き差し(可能なら新品/別のものへ)
- 別のSATAポートへ接続(マザー側ポートの相性や劣化を切り分け)
- 外付けケース/USB-SATAアダプタで別PCに接続して認識テスト
- BIOSのSATAモード(AHCI/RAID)変更は安易にしない(起動不能になることがあります)
ここで認識が復活するなら、SSD自体よりも接触・電源・ポートが原因の可能性が高いです。
B)BIOSでは見えるがWindowsで見えない場合(OS/ドライバ寄り)
1)ディスクの管理で「オフライン」「ドライブ文字なし」を確認
diskmgmt.msc を開き、該当ディスクが出ているなら、まずはオフライン解除/ドライブ文字の割り当てを確認します。
- 「オフライン」→ 右クリックでオンライン化
- 「ドライブ文字がない」→ 右クリックで割り当て
2)ストレージ系ドライバを“マザボ配布版優先”で更新
ストレージコントローラ(Intel RST/AMD SATA/AHCI など)は、Windows標準よりマザーボード/PCメーカー配布版の方が安定することがあります。
3)高速スタートアップを一時オフ
更新後の認識不良は、スリープ/休止/高速スタートアップ周りで“状態が固定”されることがあります。切り分けとして一時的にオフにします。
C)RAW化・アクセス不可の場合(データ優先)
RAW化でやってはいけないこと:「フォーマットしますか?」にOK、chkdskの乱用、復元ツールの上書きインストール、ベンチマーク実行。
まずは読み取り優先で、可能なら別PCで接続して重要データから退避してください。BitLockerを使っていた場合は回復キーが必要になることがあります。
更新直後にまずやる「守りの基本セット」
1)復元ポイント(できれば)+ 回復手段(必須)
復元ポイントは個人ファイルを戻すものではありませんが、ドライバやシステム状態を戻せる“保険”になります。加えて、起動不能に備えて回復手段(回復ドライブ/インストールUSB)も用意しておくと安心です。
2)フルバックアップ(これが本命)
SSDトラブル対策で一番効くのは、結局「復元できるバックアップ」です。更新前後に作っておくと、万一のときの判断が一気にラクになります。
もし起動できないなら:Quick Machine Recovery(QMR)も選択肢
Windows 11の一部環境では、起動不能級の障害に対してQuick Machine Recovery(クラウド経由の復旧)という仕組みが用意されています。大規模障害時に自動で修復策を適用できる設計で、特に管理者側の負担軽減を目的とした機能です。
ただし、これは「SSDがRAWになった/データを救出する」といった用途ではなく、基本は起動不能からの復帰に寄った機能です。状況に応じて、WinREの「更新プログラムのアンインストール」などと合わせて使い分けます。
更新を“安全に受ける”ための運用ルール
- 更新は一斉適用しない:業務PCは数日〜1週間の段階適用が安全
- SSDファーム/BIOS/チップセットは定期的に最新化
- 更新直後は大容量の連続書き込み(巨大コピー/ゲーム大型パッチ/ベンチ)を避ける
- 温度管理:排熱不足は“たまたま更新後に顕在化”しやすい
- SMARTの確認:異常兆候(エラー増加/温度上昇)があれば早めに退避
よくある質問(FAQ)
Q1. 本当に「Windows UpdateがSSDを壊す」の?
“更新が直接SSDを物理破壊する”と断定できるケースは多くありません。報告が集中した局面でも、メーカーやMicrosoft側は再現性が限定的、または環境要因の可能性を示すことがあります(例:特定の更新後に報告が増えた、など)。
Q2. 更新は止めた方がいい?
更新を完全に止めるとセキュリティリスクが上がります。基本は「備えて安全に受ける」が現実的です。バックアップと切り戻し手順を用意し、必要なら段階適用にしましょう。
Q3. SSDが怪しいとき、ベンチやデフラグで確認していい?
おすすめしません。 不安定なストレージに追加負荷をかけると悪化することがあります。まずは“見える/見えない”の切り分けと、退避が先です。
まとめ
Windows Update後のSSDトラブル(未認識・消失・RAW化)は、更新だけが単独犯とは限らないのが実情です。だからこそ、重要なのは次の5つです。
- BIOSで見えるかでA/B/Cを切り分ける
- RAW化は触りすぎない(退避優先)
- 更新前後はバックアップを“当たり前”にする
- ファーム・BIOS・ドライバを定期的に最新化
- 不具合時はWinREで更新のアンインストールなど、切り戻しを早く判断する
アップデートは怖いものではなく、準備でコントロールできる定例作業に変えられます。この記事のチェック表と切り分け手順が、いざというときの助けになれば幸いです。
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