Phison SSDのプレリリースファームウェアが原因だったSSD消失問題の真相と対策【2025年10月最新版】

Phison SSDのプレリリースファームウェア不具合による認識消失問題を表現したイメージイラスト。赤い警告マークとSSDアイコンが消えている様子。

はじめに

2025年8月の月例更新 KB5063878(Windows 11 24H2) 適用後に、「SSDが一時的に消える/認識されない」という報告がネット上で拡散しました。Microsoftのサポート記事でも当該更新の情報が公開されていますが、現時点で単一の公式な原因の断定は出ていません。一方で、一部のPhisonコントローラ搭載SSDに“プレリリース(エンジニアリング)版”ファームウェアが入っていた個体で再現したという検証報道や、偽文書への法的措置を表明する動きもあり、情報が錯綜しました。まずは事実ベースで状況を整理し、読者が今すぐできる安全策を提示します。


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1. 何が起きている?(時系列と現状)

  • 2025/08/12: Windows 11 24H2向け KB5063878(OS Build 26100.4946) を公開。以降、「SSDが認識されない/消える」というユーザー報告がSNS・フォーラムで目立つように。
  • 8月下旬〜9月: 一部メディア・検証で“Phison系SSDの早期(プレリリース)FWが入っていた個体”で再現と報じられる一方、Phisonは偽の“影響コントローラ一覧”文書に法的措置を表明。Microsoft/Phisonの双方に明確な単一原因の断定はなし
  • その後: 一部報道は早期FWやBIOSの更新不足が絡むとの見解を紹介。規模は限定的で、最新FWの個体では再現しないとする検証も。

要点: 現時点では「Windowsの更新そのものがSSDを壊した」と断定できる公的根拠はありません。一方で、特定条件(早期FWなど)で現象が誘発された報告があるため、ファームウェアを最新化し、バックアップを強化して運用するのが最善です。


2. なぜ誤解が広がった?(メカニズムの仮説)

  • タイミングの一致: 大型のWindows更新は数十GB級の連続書き込みを伴いがちで、潜在バグが露呈しやすい。コミュニティでは「50〜60GB以上の連続書き込み時に発症」の観測も共有され、更新直後に症状が重なって原因と誤認されやすかった。
  • 情報のノイズ: 偽の“影響一覧”が拡散し、真偽不明のモデル名が独り歩き。ベンダーは法的措置や検証結果を発信したが、初動の混乱で「更新=悪」という印象が残った。{index=6}

結論として、「更新がトリガーにはなり得る」が、「更新自体が唯一の根本原因」とは言えないというのが最新の整理です。


3. 影響しうる条件と“やるべき確認”

  • 条件イメージ: Phison系コントローラを搭載し、かつプレリリース(エンジニアリング)版FWが入っていた個体で現象が出やすかった可能性。最終版(製品版)FWでは再現せずとする検証も。
  • モデル名の羅列は推奨しません: ネット上の“影響モデル一覧”は未確定情報を含みます。個々のベンダーツールでFWバージョン確認→更新が最短です。

FWチェックの例: CrucialならStorage Executive、CorsairならSSD Toolbox、WDならDashboardなど、各メーカーの公式ユーティリティでFWを確認・更新。


4. いますぐできる安全策(確実&現実的)

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A. ファームウェアを最新化する

  • 必ず公式ツールを使用。AC給電で実施(ノートのバッテリー駆動は不可)。更新前にバックアップ→更新→再起動→SMART確認の順で。

B. バックアップの二重化

  • 重要データは外付けストレージ+クラウドの二系統へ。障害は“起きない前提”ではなく“起きても困らない設計”で回避。

C. 大容量書き込みの連続は避ける(暫定)

  • ゲームの巨大パッチ適用や数十GBのコピーは分割・間隔を空ける、更新直後は様子を見る等、負荷を均す運用で予防(コミュニティ観測に基づく暫定策)。

D. 既に“見えない”ときの応急処置

  • 別PCでUSB外付けケース経由で読めるかを試す(NVMe→USB)。
  • Linux Live USBでのマウントを試み、最低限のデータを退避。
  • UEFI/BIOSでNVMe関連設定(CSMやRST/RAID)を初期化→再検出を試す。

注意: 非公式の強制リフラッシュや量産ツールはメーカーRMAの管轄です。データ保持が最優先なら自己流のFW書き換えは避けるのが無難。


5. よくある誤解と正しい理解

  • 誤解:「Windowsの更新がSSDを直接破壊した」
    実際: その断定はできません。最新報道では早期FWや環境要因の関与が示唆され、ベンダー側は大規模な再現を否定。
  • 誤解:「ネットの“影響モデル一覧”が公式」
    実際: 偽文書が出回り、ベンダーが法的措置を表明。モデル名の羅列よりFW版の確認が重要です。

よくある質問(Q&A)

Q1. Windows Updateが直接SSDを壊したのですか?
A. 現時点ではその断定はできません。8月のKB5063878適用後に報告が拡散しましたが、後続の検証では一部Phison系SSDにプレリリース版FWが入っていた個体が関与した可能性が指摘されています。Microsoft/Phisonともに「単一原因の断定」は発表していません。

Q2. 影響するSSDモデルはどれですか?
A. ネット上に“影響一覧”が出回りましたが公式確定リストは存在しません。WD SN770のようにPhison非搭載の製品まで誤って含まれる例もあります。最も確実なのはメーカー公式ユーティリティでFWを確認・更新することです。

Q3. どうやってファームウェアを確認すればいいですか?
A. CrucialならStorage Executive、CorsairならSSD Toolbox、WDならDashboardなど、各ブランドの公式ツールを利用してください。
デバイスマネージャーの「ドライバ更新」ではファームウェア更新はできませんので注意してください。

Q4. 更新中に電源が落ちるとどうなりますか?
A. 最悪の場合、SSDが認識不能(ブリック化)します。必ずACアダプタを接続した状態で実行し、更新前にバックアップを取得してから実施してください。

Q5. もしSSDが突然見えなくなったら?
A. まずは外付けケース経由で別PCに接続してみてください。Linux Live USBでのマウントやBIOS設定のリセットで復旧する場合もあります。
それでも認識されない場合は、メーカーのRMAサポートを利用して交換や修理を依頼するのが安全です。

6. まとめ

  • KB5063878(2025/08/12)以降、SSDが一時的に認識されないという報告が拡散。規模は限定的で、単一原因の断定は不可能
  • 有力視されるのは“早期FW(プレリリース)”等の条件。最新FWの個体では再現しないとする検証も。
  • 読者が取るべきは、FWの公式ツール更新二重化バックアップ大容量書き込みの暫定回避。問題発生時は外付け経由やLive USBで救出を試す。

不確実性は残りますが、最新FW+バックアップ+安全手順で“止めない・戻れる”体制に寄せることができます。本記事は、公式情報・検証報道の更新に合わせて随時メンテします。

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万が一SSDが突然認識されなくなっても、バックアップがあれば安心です。信頼性の高いSSDとあわせて、外付けストレージやクラウド保存を活用してみてください。


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