【2025年6月最新版】Secure BootでシムSBATエラーが出た時の原因と解決策まとめ

Secure BootのSBAT検証エラーで困惑している男性がパソコン画面を見つめているイラスト。画面には『SBAT Verification Failed』の赤い警告が表示され、背景にはBIOS設定画面のSecure Boot項目が薄く描かれている。

はじめに

Windows 11のアップグレード後や、最近のセキュリティ更新後に突然現れる

「シムSBATデータの確認に失敗しました」

「セキュリティポリシー違反」

というメッセージ。

初めて見るとびっくりしますが、これは最近導入が進んでいる Secure Bootの新しい保護機能「SBAT」 が関係しています。

この記事では、

  • なぜこのエラーが起きるのか
  • どんなときに出やすいのか
  • どうやって対処すれば良いのか

を、順番に丁寧に解説していきます。

Secure Bootの新しい保護機能「SBAT」とは?

SBAT(エスバット と読みます/Secure Boot Advanced Targeting の略) は、従来のSecure Bootの仕組みをさらに細かく制御する新しい保護機能です。

通常のSecure Bootでは「正しい署名がある起動ファイルなら許可」という単純な仕組みでしたが、SBATでは、さらに「いつ発行された署名なのか」「古いバージョンが危険視されていないか」まで評価します。

SBATがチェックするポイント

• ブートローダーやカーネルのSBATバージョン情報(履歴データ)

• 発行元のセキュリティポリシー(廃止された鍵の利用有無)

• 危険度の高い古い署名バージョンの排除


これにより、

• 過去に一度は「署名あり」と許可された古いブートローダーでも、

後から「これは危険」と判断されたものはブロックできる

という新しいセキュリティレイヤーが追加されています。

主なエラーメッセージ例

実際に出るメッセージの一例です。

  • シムSBATデータの確認に失敗しました
  • セキュリティポリシー違反
  • Secure Boot Image failed to verify with SBAT policy
  • Security Policy Violation

ポイントは、どれも Secure Boot関連 ということです。

なぜ今このエラーが増えてきたのか?

2025年以降のWindows 11(特に24H2世代)は、SBATを含むSecure Bootの強化が本格的に進行しています。

  • Microsoftが古いセキュアブート鍵を廃止
  • BIOSメーカーがSBAT準拠を求められる
  • Windowsアップデート側もSBATチェックを強化

このため、以下のようなPCで特に発生しやすくなっています。

  • 中古PCや自作PC
  • 古いLinuxを使っていたPC
  • BIOSが古いままのPC
  • 一度カスタムSecure Boot設定をいじったPC

特にこのタイミングでエラーが急増している背景には、「古い安全なものもいつまでも許可し続けない」 というセキュリティ強化の流れがあります。攻撃者が古いブートローダーの脆弱性を突いて侵入する事例が増えたことで、各社が一斉にSBATの運用強化を進め始めているのが現状です。

主な原因一覧

原因具体的内容
BIOSがSBAT未対応古いファームウェアのままで、SBAT検証項目に未対応
古い起動ドライバー過去にインストールされた署名切れのドライバー・起動ローダーが残存
累積更新後のSBAT適用Windows UpdateでSBATが新たに有効化されるケース
Secure Bootの「カスタム」設定残り古いPK(プラットフォームキー)やdb(許可リスト)が残存

このようにSBATエラーは「単純にWindowsのせい」だけではなく、PC側(BIOSや過去の設定)の影響が大きく関わっているのが特徴です。特に中古PCや、過去にLinuxを入れていたマシン、自作PCなどは想定外の古い情報が残っていて引っかかるケースが目立っています。逆に言えば、しっかり準備すれば事前に防げるエラーとも言えます。

対処法① BIOS(UEFI)を最新版にアップデートする

BIOSアップデートは最も確実な根本解決策

各メーカーは2024年〜2025年にかけて、SBAT対応BIOS を順次配布しています。これが最も本質的な修正方法です。

BIOS更新の具体的手順

  1. メーカー公式サイトにアクセス
     → 例:Dell、HP、Lenovo、ASUS、MSIなど
  2. 型番・モデル名を検索し、最新BIOSをダウンロード
  3. ダウンロードしたBIOS更新ツールを実行
     ※多くの場合、Windows上でそのまま実行可能
  4. 更新中は電源断に注意!UPS利用推奨

【補足

古い自作マザーボードではBIOS更新が提供終了している場合もあります。

また、BIOS更新失敗時は深刻な不具合を生む可能性もあるため、事前バックアップと慎重な操作が重要です。

対処法② Secure Bootの設定を「出荷時リセット」する

Secure Bootのカスタムモードが原因の時に有効

一部のPCでは、Secure Bootの「カスタム」モードが有効になっており、古い鍵情報(PK, KEK, DB, DBX)が残っていることでSBATに引っかかるケースがあります。

リセット手順

  1. BIOS(UEFI)画面に入る
  2. Secure Boot設定に移動
  3. 「Restore Factory Keys」または「Standard Mode」選択
  4. 変更を保存して再起動

これにより、署名検証の最新状態に戻せます。

対処法③ Secure Bootを一時的に無効化する(応急処置)

どうしても急ぎで起動したい場合の手段

  • BIOS画面に入り、Secure BootをDisabledに設定
  • 起動は可能になる(ただしセキュリティは低下する)

※常用は推奨しませんが、重要な作業が残っている場合の一時しのぎには使えます。

対処法④ 古いドライバー・ブート情報の整理

特にLinuxを併用していたPCでは、ブート領域に古いGrubなどが残っていてSBATに引っかかることもあります。

  • 不要なLinux領域・旧ブートエントリーの削除
  • Windowsの「bcdedit /enum all」コマンドで古いブート情報を確認・整理

⚠️専門知識が不安な場合は無理に触らず、プロやメーカーサポートに相談がおすすめです。

今後の予防策

  • BIOSは常に最新版を維持すること
  • Windowsの累積更新前後にSBATエラーが出ていないか注意
  • 中古PC購入時はSecure Bootの状態も確認しておく

今後はSBAT以外にも、より細かなセキュリティ検証が導入される可能性があります。特に中古PCや法人リース返却品などを購入する際は、事前に

「BIOSがSBATに対応しているかどうか」

も確認しておくと安心です。 PC購入後の最初のアップデート前にBIOSを最新化しておくと、多くのエラー予防につながるでしょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. パソコン自体が壊れたわけではありませんか?

A. ハード障害ではありません。セキュアブートの検証ポリシーに引っかかっただけです。

Q2. 放置すると危険ですか?

A. 放置すると今後の更新で起動不可になる可能性があります。早めの対応がおすすめです。

Q3. 自作PCでもSBATは影響ありますか?

A. あります。特に自作PCはBIOS更新が止まっているケースが多く注意が必要です。


このSBAT関連エラーは、セキュリティの進化に伴う「正常な副作用」とも言えます。エラーが出ること自体は不安になりますが、早い段階で対処すればPC自体は長く安全に使い続けることが可能です。 特にBIOSの更新は重要な予防策ですので、メーカーサイトの確認を定期的に行っておきましょう。

まとめ

以下に「状況」と「対処法」を表にまとめました。

状況具体的推奨対策
アップグレード前BIOS更新・Secure Bootの初期化
アップグレード直後に出たSecure Boot「出荷時リセット」→だめなら一時オフ
累積更新後に突然発生最新BIOS確認・SBAT対応状況確認
何をしても改善しないメーカーサポートへ相談

今回の「シムSBATデータの確認に失敗しました」問題は、これから24H2が本格配信される2025年後半にかけて、日本国内でも大きく増加する可能性が高いと見られます。

今後も当サイトでも、この新しいSecure Boot周りのトラブル情報を随時追いかけていきますので、引き続き参考にして頂ければ幸いです!

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