「Windows 11をアップデートしたら、Ubisoftのゲームだけ動きが怪しい…」
2025年に入ってから、Windows 11のアップデート(とくにバージョン24H2系)を適用したあとに、Ubisoft製ゲームが起動しない・途中でクラッシュするといった報告が一部のユーザーから寄せられています。

症状として多いのは、次のようなパターンです。
- ゲームが起動しない、もしくは起動画面でフリーズする
- プレイ中に突然デスクトップに戻ってしまう(クラッシュ)
- ブラックスクリーンから先に進まない
- グラフィックの乱れや、急なフレームレート低下が起きる
海外フォーラムなどでは、特に次のようなタイトルで問題報告が目立っていました。
『スター・ウォーズ アウトローズ』 など
とはいえ、原因はUbisoft側だけでなく、Windows・ドライバ・セキュリティ機能の組み合わせで起きているケースが多いです。本記事では、2025年現在の状況をふまえつつ、考えられる原因と自分で試せる対処法を整理して紹介します。
Windows 11アップデート後にUbisoftゲームで不具合が起きる主な原因
Windows 11のアップデートによって、Ubisoft製ゲームの挙動がおかしくなる主な原因は、次の3つが重なっているケースが多いです。
1. DirectX・グラフィックドライバの互換性
Windows 11 24H2では、DirectX 12まわりの更新やグラフィックス関連の変更が段階的に入っています。これに対して、古いバージョンのGPUドライバを使っていると、
- 特定タイトルだけクラッシュする
- 描画が真っ黒になる・崩れる
- フレームレートが極端に落ちる
といったトラブルが発生することがあります。特に、NVIDIA・AMDなどの古めのドライバ環境で報告が出やすい印象です。
2. Windows 11のセキュリティ強化(VBS・HVCIなど)
近年のWindowsは、仮想化ベースのセキュリティ(VBS)やコア分離(メモリ整合性)など、カーネルレベルの保護機能を積極的に有効化する方向に進んでいます。
一方で、一部のゲームやチート対策ツール(アンチチート)がこれらの機能とうまく噛み合わず、
- 起動時にクラッシュ・エラーが出る
- ゲーム画面が表示される前に落ちる
といった事例も報告されています。
※このあたりはセキュリティとゲームの両立が難しいところで、「守りを固くしたらゲームが動かない…」という状況になりがちです。
3. Ubisoft Connect(ランチャー)の不具合・互換性
Ubisoftのゲームは、基本的にランチャーアプリである「Ubisoft Connect」を通して起動します。このランチャー自体が、Windowsの最新バージョンやアップデートと相性問題を起こすと、
- ゲームが起動しない
- 認証エラー・ログインエラーが出る
- プレイ中にUbisoft Connect側のエラーで落ちる
といったトラブルにつながります。
こうした原因が重なっている場合も多いため、ひとつずつ切り分けながら対処していくことがポイントです。
【対処法】UbisoftのゲームをWindows 11で安定して動かすには
ここからは、実際にユーザー報告の復旧例が多い順に、対処法を紹介します。上から順に試していくのがおすすめです。
① グラフィックドライバを最新にアップデートする
Ubisoftに限らず、PCゲームのトラブルシューティングの基本はGPUドライバの更新です。特に24H2適用直後は、各社が「ゲーム向け最適化ドライバ」を出してくることが多く、これだけで改善するケースもあります。
- NVIDIA:NVIDIA公式ドライバダウンロード
- AMD:AMD公式ドライバダウンロード
- Intel GPU:Intel Arc / Iris XeなどはIntel公式サイトから最新版を入手
デバイスマネージャーからの確認手順
1. スタートボタンを右クリック →「デバイス マネージャー」
2. 「ディスプレイ アダプター」を開き、使用中のGPUを右クリック
3. 「ドライバーの更新」からバージョンを確認し、必要に応じて手動インストール
メーカー製ゲーミングPCをお使いの場合は、メーカー提供のアップデートツール(ASUS Armoury Crateなど)もあわせてチェックすると安心です。
② Ubisoft Connectを再インストール・キャッシュクリア
ランチャー側の不具合でゲームが落ちるケースも多いため、Ubisoft Connect自体の再セットアップも有効です。
- いったんUbisoft Connectをアンインストール
- PCを再起動
- Ubisoftの公式サイトから最新のUbisoft Connectをダウンロード・インストール
- Ubisoft Connect内の設定から「キャッシュのクリア」があれば実行
ゲーム本体の再インストールまでは必要ないことが多く、ランチャーの入れ直し+キャッシュ削除で改善する例もよくあります。
③ 互換モード・管理者として実行を試す
アップデート後、特定タイトルだけ挙動がおかしくなった場合は、互換モードでの起動も試す価値があります。
互換モードを設定する手順
1. ゲームの「.exe」ファイルまたはショートカットを右クリック →「プロパティ」
2. 「互換性」タブを開く
3. 「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェック
4. 「Windows 10」または「Windows 8」を選択
5. 必要に応じて「管理者としてこのプログラムを実行する」にもチェック
「Windows 11にしたのに、わざわざ互換モード?」と思うかもしれませんが、アップデート直後の一時的な不具合回避には十分ありな選択肢です。
④ VBS(仮想化ベースのセキュリティ)・メモリ整合性の設定を見直す
一部の環境では、VBSやメモリ整合性などのセキュリティ機能を無効化するとゲームが安定したという報告もあります。ただし、セキュリティは確実に低下するため、実施するかどうかはよく検討してください。
仮想化ベースのセキュリティ設定を確認する手順
1. 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
2. 「Windows セキュリティ」→「デバイス セキュリティ」
3. 「コア分離」から「メモリ整合性」のオン/オフを確認
4. オフにする場合は、PCを再起動した上でゲームの挙動を確認
※詳しいセキュリティ設定の考え方については、こちらの記事でも解説しています。
あくまで一時的な回避策として試し、問題が解決したあとに再びオンに戻す、という運用も検討してみてください。
⑤ どうしてもダメな場合の最終手段:アップデートのロールバック
「最新の累積更新をどうしても入れてからおかしくなった」「ほかのゲームやアプリは普通なのに、そのタイトルだけ急にダメになった」という場合、問題が出る直前の更新をアンインストールして様子を見るという方法もあります。
ただし、セキュリティ上のリスクがあるため、長期間ロールバックしたまま使うのはおすすめできません。
Windows Updateをロールバックする手順
1. 「設定」→「Windows Update」
2. 「更新の履歴」→「更新プログラムのアンインストール」
3. 不具合が出る直前にインストールされた「KB×××××××」を選んでアンインストール
4. 再起動後、ゲームの挙動を確認
もしこれで改善する場合は、MicrosoftやUbisoft側の修正パッチが出るまで自動更新を一時的に様子見するという判断もありです。
【2025年11月時点の補足情報】
2025年春〜夏にかけて報告されていたUbisoftゲームのクラッシュ問題は、その後の累積更新やUbisoft Connectのアップデートで徐々に改善している環境も増えてきています。
ただし、GPUドライバの更新状況や、VBS・メモリ整合性の設定、各タイトルのアップデート状況など、環境差によっては最新バージョンでも断続的にトラブルが続くケースもあるようです。
そのため、
- Windows Update(累積更新)
- GPUドライバ
- Ubisoft Connect / ゲーム本体のパッチ
といった3方向のアップデート状況をこまめにチェックしながら、この記事で紹介した対処法を組み合わせて様子を見るのがおすすめです。
まとめ:原因は1つとは限らない。少しずつ切り分けていこう
Windows 11 24H2以降で、Ubisoftのゲームがクラッシュしたり起動しなくなったりする場合、
- DirectX・GPUドライバの互換性
- Windows 11のセキュリティ機能(VBS・メモリ整合性など)
- Ubisoft Connectやゲーム側の不具合・相性
といった要因が複数重なっていることが多いです。
この記事で紹介したポイントを、次の流れで順番に試してみてください。
- GPUドライバを最新版に更新する
- Ubisoft Connectを再インストール+キャッシュクリア
- 互換モード・管理者として実行を試す
- 必要に応じてVBS・メモリ整合性の設定を確認(慎重に)
- どうしてもダメなら、直前のWindows Updateを一時的にロールバック
それでも改善しない場合は、Ubisoft公式のサポートにログ・環境情報を添えて相談するのも有効です。



