「設定でDolby Visionをオフにしているのに、なぜか強制的に有効になり、画面が緑っぽくなってしまう」──そんなトラブルが、2025年のWindowsアップデート以降、フォーラムでも話題になっています。
特にHDR対応ディスプレイを使っているユーザーや、NetflixやVLCなどHDR対応アプリを使っている方の間で報告が増えています。
主な原因
原因 | 詳細 |
---|---|
グラフィックドライバの不具合 | Windowsアップデート後にDolby Visionとの互換性が崩れることがあります |
HDR設定のバグ | 設定がオフでも内部的にON状態のままになる不具合が報告されています |
アプリ側で強制的にHDRが有効 | 動画再生時などにアプリがDolby Visionを強制する場合があります |
これらの原因はいずれも、WindowsとDolby Visionをサポートするハードウェアやソフトウェアとの間で発生する「互換性のズレ」や「設定反映の不具合」が中心です。
特に、Windowsアップデート後に自動的に適用されるドライバや設定変更が、ユーザーの意図と異なる動作を引き起こすことがあります。Dolby Visionは高画質再生に有利な規格ですが、システム全体が対応していないと逆に不具合の原因となることもあります。
次の項目では、こうした状況に対してユーザーが実施できる具体的な対策を紹介します。
試してみたい対策
「HDRをオン → オフ」して再起動
①設定 → システム を選択
②システムから ディスプレイ
③ディスプレイから 「HDRを使用する」を一度オンにしてから再びオフにする
④PCを再起動させる
一見すると意味がなさそうな手順に思えますが、この操作によってWindows側でHDRやDolby Visionの状態が再検出され、強制的な表示設定がリセットされることがあります。特にグラフィック設定がうまく切り替わっていない場合に効果的です。
グラフィックドライバの手動更新
Windowsアップデートによって自動的に適用されるドライバは、必ずしも最新かつ安定しているとは限りません。特にDolby VisionやHDRに対応した環境では、公式サイトから提供されている最新版を手動でインストールすることで、不具合が解消されることがあります。
デバイスマネージャーからGPUを一度削除
GPU(グラフィックカード)のドライバに不具合がある場合、デバイスマネージャーで一度ドライバをアンインストールし、再起動することでWindowsが自動的に安定したドライバを再インストールすることがあります。
【手順】
①デバイスマネージャーを開く
②「ディスプレイアダプター」→ お使いのGPUを右クリック
③ 「デバイスのアンインストール」を選択します。
④完了後にPCを再起動する
この手順によって、WindowsがGPUを再検出し、標準または適切なドライバを自動で再インストールします。これは、破損したドライバや互換性のないバージョンが原因で発生している表示の不具合をリセットする際に有効な手法です。
アプリ側でHDR/Dolby Visionの無効化
一部のアプリケーション(特に動画配信系)では、Windowsの設定とは別にアプリ内部でHDRやDolby Visionを強制的に有効にするケースがあります。そのため、アプリ側でのHDR設定を見直すことも重要です。
- Netflix(Windowsアプリ版):アプリ内に明確なHDRオフ設定はありませんが、ブラウザ版で視聴することでDolby Visionが無効化されるケースがあります。
- VLC Media Player:メニューの「ツール」→「設定」→「ビデオ」から、ハードウェアアクセラレーションや出力モジュールの設定を変更することでHDR描画を回避できる場合があります。
- ゲームアプリ:ゲームによっては設定メニュー内に「HDR有効/無効」のオプションがあるため、そこから無効に設定するのが有効です。
このように、アプリごとにHDR/Dolby Visionの扱いが異なるため、「表示が緑がかるのはアプリのせいでは?」と感じたら、まずアプリ側の設定や表示モードを確認してみることをおすすめします。
レジストリで強制無効にする方法(上級者向け)
※レジストリエディタの変更は危険を伴います。操作前にバックアップを取ってください。
regedit を起動し、以下のキーへ移動:HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\GraphicsDriversもし以下のDWORDがあれば、値を「0」にしてください。EnableDolbyVision または EnableHDR
一時的な応急処置:カラープロファイルを変更
ディスプレイの色が緑っぽく見える場合、一時的に以下で補正できることがあります。
①設定 → ディスプレイを選択
②「 詳細ディスプレイ設定」から「カラープロファイル」を「sRGB」など標準に変更
③ NVIDIAやAMDのユーティリティで色調整を手動で設定
裏技的な補足:一時的にDolby Visionをブロックする方法
一部のユーザーは、強制的にDolby Visionが有効になってしまう問題をグラフィックドライバの一時的な「ロールバック」で回避しています。
- デバイスマネージャーを開く
- 「ディスプレイアダプター」→ GPUを右クリック →「プロパティ」
- [ドライバー] タブ →「ドライバーのロールバック」が表示されていれば選択
ただし、ドライバーによってはこのオプションが表示されない場合もあります。その場合は、旧バージョンのドライバを公式サイトから手動ダウンロードしてインストールしてください。
また、WindowsのフィードバックHubを使ってこの問題を報告することで、今後の修正に繋がる可能性もあります。
なお、ディスプレイ側のファームウェアが原因のこともあるため、モニターやテレビの製品サイトでアップデートが提供されていないかも確認してみてください。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
症状 | Dolby Visionが強制的に有効、画面が緑がかる |
主な原因 | アップデート後のドライバ互換性やHDR設定のバグ |
有効な対策 | HDR設定のリセット、ドライバ更新、アプリ側の設定確認 |
この問題はまだ一部のユーザー間での報告段階ですが、今後広がる可能性もあるため、早めの情報共有が大切です。
根本的な修正が来るまでは、上記の方法で一時的にしのぐか、Windowsの以前のバージョンへのロールバックも検討してください。
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