
ある日突然、パソコンが起動しなくなってしまい、あわててUSBで回復(リカバリ)を試したのにうまくいかない――。
週明けの出社や、出張から戻った直後など「今だけは動いてほしい!」というタイミングほど、こういうトラブルは起きがちです。
USBリカバリが失敗する原因は、USBそのものだけでなく、BIOS/UEFIの設定やストレージの状態、回復環境(WinRE)、BitLockerなど、複数の要因が絡みます。
この記事では、USBリカバリがうまくいかないときに上から順番に確認すれば迷いにくい手順で、原因と対処法をまとめます。初心者の方でも実行しやすい内容から、最後の手段まで段階的に解説します。
USBリカバリの種類を先に確認(ここが混乱ポイント)
「USBリカバリ」と一口に言っても、実は中身が2種類あります。ここがズレると、いくら頑張っても復旧できません。
- 回復ドライブ(Recovery Drive):そのPCで作った回復用USB。機種依存のことがあり、別PCで作ると相性が出る場合があります。
- インストールメディア(Media Creation Tool/ISO):Windowsを修復・再インストールできる汎用USB。WinREが壊れていても使えることが多いです。
「回復できませんでした」「USBは起動するけど修復が進まない」という時は、回復ドライブではなくインストールメディアで試すと流れが変わることがあります。
よくある症状
- 作成したUSBが起動しない
- Windowsロゴは出るが、先に進まない(黒画面/くるくるのまま)
- 「回復できませんでした」「このPCではWindowsを実行できません」などが出る
- USBを挿しても反応がない/Boot MenuにUSBが出ない
次章からは、失敗の原因を「よくある順」に5つに分け、対処をまとめます。
USBリカバリが失敗する主な原因と対処法(5つ)
原因1:USBメディア側の問題(作成ミス・相性・フォーマット)
ありがちな原因
- 作成途中で失敗している(見た目は完成しているように見える)
- 容量不足(古いUSBや実容量が少ないモデル)
- フォーマット形式が合っていない
- 別のUSBで作り直す(できれば別メーカー/別個体)
- インストールメディアは公式ツール(Media Creation Tool)で作る
- USBは8GB以上、できれば余裕を持って16GB以上が安心
- ブート順がHDD/SSD優先のままでUSBを読みに行かない
- Boot Menu(起動デバイス選択)を出していない
- Secure Bootが影響してUSBが弾かれる
- 古いPCでUEFI/Legacyの組み合わせが合っていない
- PC起動直後に F2 / Del でBIOS/UEFIへ(機種によりF10/F12/Escも)
- Boot メニューでUSBを最優先にする、またはBoot MenuでUSBを選ぶ
- うまくいかない場合はFast Bootを一時的にOFF
- USBが出ない場合はSecure Bootを一時的にOFF(終わったら戻す)
- 古いPCはLegacy Boot/CSMのON/OFFを切り替えて試す
- BIOS/UEFIの「Storage Information」等でSSD/HDDが認識されているか
- 異音、極端な発熱、頻繁なフリーズがないか
- BitLockerが有効で、回復キーがないまま操作して詰まる
- ドッキングステーション、外部モニター、周辺USB機器が干渉する
- USB 3.0ポートで相性が出る(認識が不安定)
- BitLockerは回復キーを先に確認(Microsoftアカウント管理画面や社内管理台帳など)
- 周辺機器を全部外して最小構成で試す(USB/SD/外付けHDD/ドック/モニターなど)
- USBポートを変更(可能ならUSB 2.0側も試す)
- 回復ドライブとインストールメディアは別物(目的が違う)
- USBの形式・作り方で起動可否が変わる(公式ツールが無難)
- 周辺機器を外すだけで進むことがある(最小構成の強さ)
- USBの作成ミス・相性
- BIOS/UEFI設定(Boot Menu / Secure Boot)
- 周辺機器やUSBポート
対処法
💡 覚えておくと強いポイント
UEFI起動のPCでは、USBがFAT32でないと起動項目として出にくいことがあります。
一方、ISOやツールによってはNTFSで作られる場合もあり、環境差が出ます。迷ったら「公式ツールで作り直し」が最短です。
原因2:BIOS/UEFIの設定(Boot Menu・Secure Boot・Legacy)
よくあるつまずき
対処(基本の流れ)
💡 USBが起動しない時は「ブート順」よりも、まずBoot MenuでUSBを直接選ぶほうが早いことが多いです。
原因3:ストレージ(HDD/SSD)の異常(認識しない/破損)
よくある現象
USBは起動できるのに、修復やインストールの途中で止まる/Windowsの入ったドライブが見つからない。
確認ポイント
対処の考え方
ストレージが怪しい場合、修復を繰り返すよりもデータ退避を優先した方が安全なことがあります。
💡 最近のノートPCはSSDが直付けで交換が難しいモデルもあります。無理に分解せず、メーカーや修理店に相談したほうが結果的に早いこともあります。
原因4:回復環境(WinRE)やブート情報の破損
「自動修復に失敗しました」「回復できませんでした」などが続く場合、WinREやブート構成(BCD)が壊れていることがあります。
この場合は、USBから回復環境に入り、コマンドで修復を試します。
まずおすすめ
回復ドライブでダメなら、最新のインストールメディアUSBを別PCで作って試してください。WinREが壊れていても進めることが多いです。
コマンド修復(WinREのコマンドプロンプト)
「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」から実行します。
sfc /scannow
chkdsk C: /f /r
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
補足
bootrec /fixboot で「アクセスが拒否されました」と出るケースがあります。環境によって手順が変わるため、同じ画面が出た場合はいったん止めて、表示されたメッセージをメモしてから対応を検討しましょう(無理に連打しないのがコツです)。
原因5:BitLocker・周辺機器・USBポートの影響(意外と多い)
意外な落とし穴
対処
【実践編】それでもダメな時に試す「現実的な5手」
手1:USBを作り直す(別USB・別PC・最新ツール)
最初のUSBが原因だった、というケースは想像以上に多いです。
USBを変え、作成PCも変え、可能なら最新のメディア作成ツールで作り直すと、あっさり起動することがあります。
手2:起動ポートとBoot Menuを変える
背面ポート、別のUSB規格(2.0/3.0)、Boot Menuからの直接起動。これだけで通ることもあります。
手3:修復より先にデータ退避を優先する
ストレージが怪しい、異音がする、フリーズが激しい――この場合は、修復を繰り返すよりデータを先に救うほうが安全です。
外付けケースや別PC、専門ソフトなど、手段を「復旧」から「救出」に切り替える判断も大切です。
手4:更新プログラムの削除(入れる場合のみ)
セーフモードや回復環境に入れる場合は、「更新プログラムのアンインストール」を試す価値があります。直前の累積更新やドライバー更新が原因のこともあります。
手5:ストレージ交換→クリーンインストール(最終手段)
ストレージ不良が濃厚なら、交換してクリーンインストールが最短になることがあります。
ただし法人PCやBitLocker有効環境は手順が増えるため、無理せずサポートも検討してください。
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USBリカバリ前に備えておきたい必需品
リカバリ作業は突然必要になることが多いです。大容量USBや外付けSSDがあると、作業の選択肢が増えて安心です。
初心者が見落としがちな3つのポイント
不安が強い時は「メーカーサポート」も選択肢
BitLockerが有効、業務PCで台数が多い、SSD直付けで交換が難しい――このあたりに当てはまる場合、自力で粘るほどリスクが上がることがあります。
データを守る意味でも、早めにメーカーや専門サポートに相談するのは「正解の一つ」です。
まとめ:USBリカバリは「原因の切り分け」で勝てます
USBリカバリに失敗しても、そこで終わりではありません。多くの場合、
といった「見直しやすいポイント」を直すだけで復旧することが少なくありません。
逆に、ストレージ不良やBitLocker絡みのケースでは、焦って操作するとデータを失うリスクもあります。
①まずは作り直しと設定の確認 → ②ダメならデータ優先 → ③最終手段を検討という順番で、落ち着いて進めてください。
もし次に備えるなら、普段から「バックアップ」と「回復用USB」を用意しておくと、いざという時の安心感がまったく違います。
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