イベントログ「エラー ID 57(CertEnroll/Pluton)」が大量発生する原因と対処方針 ― Windows 11 23H2/24H2

Windowsのイベントビューアーで「CertificateServicesClient-CertEnroll」のエラーID57が表示され、Microsoft Pluton Cryptographic Providerの初期化に失敗した旨が記載されている画面

2025年7~8月以降、Windows 11でイベントビューアーに「CertificateServicesClient-CertEnroll/エラー ID 57」が繰り返し出る事象が広く報告されています。
内容は
The ‘Microsoft Pluton Cryptographic Provider’ provider was not loaded because initialization failed.
と表示されますが、Microsoftは「実害なし・ユーザー対応不要」と明言。8月29日配信の更新プログラムで解消済みです。

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これはどんなエラー?

  • 発生場所:イベント ビューアー → Windows ログ → アプリケーション
  • ログの文言(代表例)
    The ‘Microsoft Pluton Cryptographic Provider’ provider was not loaded because initialization failed.
  • ソースCertificateServicesClient-CertEnroll(証明書登録関連)
  • 頻出タイミング:2025年7月プレビュー更新(KB5062660)適用以降に増加、8月累積(KB5063878 など)でも継続報告。Microsoftは発生を認識しています。

公式ステータス
Microsoftのドキュメントでは「影響なし/アクション不要(No action is required)」とされています。修正は2025年8月29日配信の更新(例:KB5064081)に含まれ、順次ロールアウトされています。


なぜ起こる?(原因の整理)

  • Windows内部でPluton暗号プロバイダーを初期化しようとするが、Pluton非搭載未構成環境では読み込みに失敗 → イベントとして記録されるだけ。
  • OSやデータの破損ではない暗号機能や動作への影響もなし
  • 仕様上の呼び出しとログ記録の整合性が取れていなかったため“ノイズ”として出ていたが、修正更新で抑制。

対処方針(ユーザー別)

一般ユーザー

  • 対応不要(放置でOK)。PCの動作・安全性に影響はありません。
  • 既に8/29以降の更新を適用していれば解消済みの可能性が高いです。Windows Updateを通常通り適用してください。
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IT管理者・運用者

  • SIEM/監視で一時的にイベントID 57を抑止する運用が現実的(修正版適用後に解除)。
  • リリースノートの既知の問題/解決済み項を定期確認のうえ、標準パッチサイクルで展開。

バージョン別の状況(概要)

  • 23H2:2025年7月プレビュー(KB5062660)以降で報告増。
  • 24H2:2025年8月累積(KB5063875)や一部Insiderでも確認例。
  • ただし**修正版(例:KB5064081/2025-08-29)**により順次解消。

併記注意:同時期に取り沙汰された「SSD消失」問題について

同時期の更新(KB5062660/KB5063878)後に、大容量コピー時にSSDが一時的に消える等のユーザー報告が話題になりました。テックメディアは現象報告を掲載する一方で、コントローラーベンダーのPhisonは“初期ファームや環境依存”の可能性も示しています。Microsoftは直接の因果を確認していないとの見解も。状況は検証継続中という位置づけです。
推奨:ファーム更新の確認/バックアップ徹底/不調時の一時ロールバック検討。

参考:Tom’s Hardware はユーザー検証の詳細事例を、The Verge はPhison側の見解(古いファームの影響)をそれぞれ紹介しています。立場が分かれるため、偏らず最新情報を追うのが安心です。


よくある質問(FAQ)

Q. このID 57が大量発生しています。放置して本当に大丈夫?
A. 大丈夫です。 Microsoftが「実害なし/対応不要」と明言し、修正更新の提供も完了しています。通常のWindows Updateを適用してください。

Q. Pluton非搭載PCでも出ますか?
A. 出ます。非搭載・未構成でも内部で呼び出しが行われ、初期化失敗としてログされます。機能自体は使われていないため影響はありません

Q. ログを出したくありません。
A. 修正版適用で抑制されます。運用上どうしても必要なら、監視側で一時除外しておき、修正版展開後に除外を戻す方針が無難です。


いま取るべき“だけ”チェックリスト

  • Windows Update を最新まで適用(2025/08/29以降の更新を含む)
  • 監視/アラートが過剰なら一時除外(運用環境のみ)
  • SSDまわりが不安ならファーム更新バックアップを先に(別件ですが同時期話題のため)

まとめ

  • エラーID 57(CertEnroll/Pluton)は“誤記録”寄りのイベントで、PCの動作や安全性に影響なし
  • Microsoft公式が対応不要と案内し、2025/08/29配信の更新で解消。通常のパッチ適用のみでOK。ザ・レジスター
  • 同期して語られたSSD問題は情報が分かれており、ファームや環境依存の可能性も。バックアップの徹底と最新ファーム適用が実務的な防御策です。
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