
はじめに
2025年夏のWindows 11 24H2アップデートで、互換性チェックのハードルがまた上がりました。
特に古いCPUやTPM 2.0非搭載のPCは、「このPCはWindows 11を実行できません」という画面で止まってしまう方も多いのではないでしょうか?
でも、実はこれらのチェックをバイパスして、あくまで自己責任の範囲で 24H2を導入する方法が存在します。
この記事では、今使える「互換性チェック・バイパスツール」と手動で行う方法を、詳しく解説します。
「互換性チェック・バイパスツール」ってそもそも何?
通常、Windows 11をインストールする時は、パソコンの性能やセキュリティ機能が基準を満たしているか自動でチェックされます。
これを「互換性チェック」と呼びます。
もし要件に足りていないと、インストールが途中で止まってしまいます。
「バイパスツール」というのは、こうした互換性チェックを一時的にスキップ(回避)して、インストールを進めるための道具です。
このツールはWindowsに標準では入っていません。自分でインターネットからダウンロードして使う必要があります。
例えば、少し古いパソコンでも「まだ使えるからアップグレードしたい!」という人が、このバイパスツールを使って最新のWindows 11 24H2を試すケースが多くなっています。
ただし、公式のサポート対象外の方法なので、自己責任で行う必要があります。
そもそも、なぜ24H2はインストールできないのか?
主なチェック内容は以下の通りです。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
CPU要件 | 8世代以降のIntel、Zen2以降のAMD |
TPM 2.0 | 必須 |
セキュアブート | 必須 |
UEFIブート | 必須 |
RAM容量 | 4GB以上 |
ストレージ | 64GB以上 |
これらの要件は、Microsoftが24H2以降で重視している「セキュリティ」「安定性」「次世代AI対応」を実現するために設定されています。特に、TPM 2.0やセキュアブートはWindowsのセキュリティ基盤の中核になっており、古いPCでは物理的に対応していないことも少なくありません。そのため、多くの旧世代PCでインストールがブロックされてしまうのが現状です。
互換性チェックをバイパスする方法は3つ
方法① 互換性チェックバイパス用の専用ツールを使う(初心者向け)
今、多くの人が利用しているのが「Rufus」「Ventoy」「Tiny11 Builder」などのツールです。
【例:Rufusを使う場合】
- Rufus最新版をダウンロード(公式サイト: Rufus公式)
- Windows 11 24H2のISOファイルを入手
- RufusでUSBインストーラ作成時に「TPM、セキュアブート、CPU要件のチェックをスキップしますか?」というオプションが出る
- ☑️にチェックを入れて作成
- USBからインストール開始
なぜこれで可能?
Rufusは「install.wim」内のチェック用レジストリや設定を書き換えてくれるからです。
このため、公式インストーラを改造せずにクリーンな形でバイパスが可能です。
方法② 手動レジストリ変更(中級者向け)
自力でバイパスも可能です。
1.インストール画面でShift + F10を押してコマンドプロンプトを開く
2.regedit と入力し、レジストリエディタを起動
3.以下の場所にキーを新規作成
4.以下のDWORD値を作成・設定
名前 | 値 |
---|---|
BypassTPMCheck | 1 |
BypassSecureBootCheck | 1 |
BypassCPUCheck | 1 |
5.レジストリエディタを閉じて、インストール続行
なぜこれで可能?
これらのレジストリ値を設定することで、Windowsインストーラーが起動時に行うハードウェア互換性チェックを無効化できます。設定後は、通常ブロックされるはずの古いCPUやTPM未搭載のPCでもインストールを続行できるようになります。ただし、将来のビルドではこの方法が通用しなくなる可能性もあるため、常に最新情報の確認をおすすめします。
方法③ 「オフラインアカウントバイパス」も併用しよう
最近の24H2インストールではMicrosoftアカウント必須が強化されています。
以下の裏技も併用できます。
①インストール時に「Shift + F10」でコマンドプロンプトを開く
②以下コマンド実行してください。
③再起動後、ローカルアカウント選択可能になります。
注意点:バイパスインストールのリスク
互換性チェックをバイパスしても、以下の注意は必要です。
- 将来的な公式サポートは受けられない可能性
- セキュリティ強化機能(AI PC化対応など)が正しく動作しない場合も
- ドライバーの互換性問題が発生する場合あり
バイパスしてまで24H2を入れたい理由は?
そもそも、なぜ多くの方がわざわざバイパスしてまでWindows 11 24H2をインストールしたいと考えるのでしょうか?
実は24H2では、これまでのバージョンとは大きく違うAI支援機能の強化や、省電力化の改善、新しいセキュリティ標準への対応などが進められています。また、Windows Copilotなどの新しいAI機能も24H2以降で本格導入されると予想されています。
たとえ少し古いパソコンでも「最新の機能を試したい」「長く現役で使い続けたい」という気持ちは自然なものです。特にパソコンを買い替えなくても少しでも延命できれば、経済的にも助かるケースが多いでしょう。
バイパスインストール後に出やすい代表的なトラブル
バイパスインストールは、初期の導入自体はうまくいっても、その後に細かな問題が出ることがあります。例えば以下のような現象が報告されています。
- 一部の周辺機器(プリンター、古いWebカメラなど)が認識しなくなる
- BIOSの互換性でスリープ復帰が安定しない
- AI機能が一部動作しない(特に古いCPUの場合)
- Windows Updateの適用に失敗する場合がある
もちろん、これら全てが必ず起こるわけではありませんが、「純正対応機と全く同じ動作にはならない可能性がある」という点は知っておくと安心です。
バイパス用のツールは安全なの?
RufusやVentoyのような有名ツールは、世界中で多くのユーザーが利用しており、基本的には信頼できるソフトです。ただし、必ず公式サイトからダウンロードすることが重要です。ネット上には「偽Rufus」などの危険なダウンロードサイトも存在します。知らないサイトからダウンロードするとウイルス感染やマルウェアの危険もあるので注意しましょう。
まとめ
今回紹介した手法を、わかりやすいよう簡単にまとめてみました。
方法 | 難易度 | 特徴 |
---|---|---|
Rufusなど専用ツール | ★ | 簡単・初心者向け・定番 |
手動レジストリ変更 | ★★ | 少し中級者向け |
オフラインバイパス | ★ | MSA強制回避にも使える |
Microsoftは24H2正式リリース後も、ブロック要件を追加する可能性があります。
公式サポート外の方法ではありますが、どうしても24H2を体験したい方にとっては現時点で有効な手段です。
ただし、バイパスはあくまで自己責任で行ってください。重要なデータは必ず事前にバックアップを取りましょう。
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