あかりは、これ以上自分の力を使いたくないと思っていたが、
悪霊たちが次々と瞬に襲いかかることを避けることはできなかった。
悪霊が瞬を襲う頻度が増え始め、あかりは次第に
自分の力がどれほどの責任を伴うものであるかを痛感し始めていた。
確かに瞬が芸能活動を休止しなければならない理由はわかりすぎる。
あの悪霊に襲い掛かられて平常でいられるわけもなく、
そう理解したあかりは瞬に呼ばれると、悪霊たちを一つ一つ退治していった。
あかりは瞬とのテレパシー通信が頻繁になるものの、妙に恋愛感情など親密な気持ちはわかなかった。
それよりも
「これより大きな悪霊が来たら、どうやって倒せばいいのか・・」
という思いの方が強かった。
瞬も
「どうして自分にばかり悪霊が来るのか」
という疑問で頭がいっぱいだった。
しかし周りは、頻繁に2人でいるあかりと瞬が恋に落ちたのだと思い、2人を引きはなそうと企んでいた。瞬は今をときめくアイドルであり、恋愛の噂がたつ事は支障でしかないのだ。
『マスコミに2人の事を取り上げられる前に、手を打つ必要がある』
と彼らの上層部の意見は一致していたが、ただひとりその話に困惑している女性がいた。