第六章:告白
あかりは目覚めると、知らないベッドに横たわっていた。
全身が重く感じられ、腕を上げることもできなかった。
昨夜の戦いで、あかりの体力は限界まで消耗していたのだ。
「ここはどこ?」
目だけで周りを見渡すと、どこかのホテルの一室の様だった。
「目が覚めましたか?」
どこからともなく声が聞こえ目をやると、一人の女性が氷の入った水を持って部屋に入ってきた。
あかりは見知らぬ人が部屋に中に居たことに驚いて
「えっ?あのっ」
と話しだすと同時に、その女性が
「今回の事は瞬から全て聞きました。私は瞬のマネージャーです。」
と切り出した。そして
「瞬も自分の立場を理解しているので、私があなたをここへ連れてきました。安心して下さい」
と言いながら、あかりに微笑みかけた。
あかりはそれ以上力を入れることができず
『信じるも信じないも、動けないんだもん。どうしようもない・・』
と半ば諦めの感情のまま、ベッドに身体を沈めた。
本当は
『瞬がどうなったのか?』
『なぜ瞬が悪霊に取り憑かれれいるのか』
あかりは知りたかった。
しかし、この女性がどこまで瞬のことを知っているのかわからない。
しかもこの人に聞く事で、瞬の芸能活動に支障をきたす可能性があるかもしれない。
そんなことを考えながら、あかりは何も言えず目を閉じていると
「瞬は元気です。悪霊が取り憑く原因はわかりません」
と女性があかりに聞こえるように語りかけてきたのだ。
「えっ?」
あかりは驚きを隠せなかった。
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