「でも、私はすでに巻き込まれてしまったよね。それなら、最後まで一緒に解決しないといけないでしょう?」
瞬は驚きの表情を浮かべたが、あかりの決意に満ちた眼差しに押されるようにうなずいた。
「わかりました。でも、これから先は危険です。僕が力を使うたびに、魔物はもっと強く、そして凶暴になるかもしれません。」
「あの魔物が私たちを襲ってきた理由は、瞬さんが力を使い続けているからなの?」
「そうかもしれない。だけど…もしかしたら、それだけじゃない。詳しい事は何もわからないんです。すみません。でも…」
瞬は、何かを言いかけて口を閉じた。
「何か他に思い当たることがあるの?」
あかりは瞬を見つめ、言葉を待った。
瞬はしばらく考え込んでから、ようやく話し始めた。
「あの老人に会った後、僕はしばらくその力を使わないようにしていました。普通の生活を送りたかったんです。でも、ある日、僕の家族に不幸が訪れてしまった。僕がその力をもっと早く使っていれば、防げたかもしれなくて…。」
「…何があったの?」
あかりは瞬の話に深く引き込まれていた。
「妹が事故に遭い半身不随になってしまったんです。」
瞬は苦しげに言った。
「妹が事故に遭う事は…もちろん僕にはわかっていたのに、あの頃の僕は自分の事ばかり優先していて、大切な妹を守れなかったんです。
それ以来、僕はこの力を封印せず、必要な時には使うように決めたんですが…」
「でも、妹の事故から何かが変わってしまいました。あの魔物が頻繁に現れるようになったのも、あの事故からなんです。」
あかりは瞬の言葉に、目を伏せた。