「つまり、魔物は妹さんの事故と何か関係があるのかもしれない、ってこと?」
「そうかもしれません…あの老人が僕に言っていたんです。『力を使うことが、未来を変えることになるかもしれない』って。だけど、その未来が良いものになるか悪いものになるかはわからない、と。」
あかりはしばらく考え込んでから、決然とした口調で言った。
「それなら、私たちでその未来を良いものにしましょう。このまま放っておいたら、あの魔物はますます強くなって、瞬さんだけじゃなく、周りの人たちまで危険に晒されてしまう。」
「でも、どうやって?」
瞬はあかりの言葉に一瞬希望を見出しつつも、その方法が見つからないことに戸惑っていた。
「まずは、その老人について調べる必要がありそうね。」
あかりは立ち上がり、決意を固めたように言った。
「その老人が何者なのか、そして何故そんな力を瞬さんに与えたのか。その答えが見つかれば、きっと魔物を退ける手がかりが掴めるはずだよ。」
瞬は彼女の提案に少し驚きつつも、納得した。
「確かに、あの老人が鍵を握っているのかもしれない。」
そう言いながら、2人は頷きあった。