
Windows 11 24H2 適用後に、Intel AX201/AX211 搭載機で通信の途切れ・接続不良が続く報告があります。MicrosoftのRelease healthにも24H2の既知事象が随時反映されるため、更新前後の判断材料として確認を推奨します。また、KB5060829(OS Build 26100.4484)はプレビュー更新であり、適用後でも症状が残る例があるため、当面はOEM配布の安定版ドライバに固定/一段ロールバックが有効です。(参考:Microsoft 公式の 24H2 Release health、KB5060829 サポート情報、Intel/MS コミュニティの事例)。
はじめに
Windows 11 の大型アップデート 「24H2」 の適用後、一部環境で「Wi-Fiに繋がっているのにページが開かない」「VPN時だけ切れる」「再起動のたびに繋がらない」といったネットワーク不具合が報告されています。本記事では、原因候補と実際に効果があった対処法を、環境依存の違いにも配慮して整理します。
なぜ起きる?ネットワーク不具合の背景
24H2 ではセキュリティや内部仕様の変更が入り、ドライバや既存設定との相性が表面化しやすくなっています。よくある要因は次のとおりです。
- ネットワークアダプターのドライバ非互換/品質差(特に AX201・AX211 での事例)
- 自動割り当てされたDNSの不調(名前解決の失敗)
- VPNクライアントの相性(一部製品で24H2適用後の接続不良→最新版で改善事例あり)
- 特定ルーター・セキュリティ製品との設定競合(環境依存)
Step1:まだの人はアップデートを保留
業務用PCや在宅勤務環境では、安定報告が出るまで一時停止が安全策です。
- 設定 → Windows Update
- 「更新を1週間停止する」→ 最大5回で最長35日停止
- [詳細オプション]に「機能更新プログラムの延期」があれば設定
Step2:ネットワークのリセット(高確率で改善)
「接続済みなのに通信できない」場合、内部設定の破損が疑われます。
【操作手順】
- 設定 → 「ネットワークとインターネット」
- 一番下の「ネットワークのリセット」→「今すぐリセット」
- PCを再起動(Wi-Fi・VPN設定は再構成が必要)
Step3:DNSサーバーを Google / Cloudflare に手動変更
自動割り当てのDNSが不安定なケースは意外と多め。下記に変えると改善する例があります。
- Google DNS:
8.8.8.8
/8.8.4.4
- Cloudflare DNS:
1.1.1.1
/1.0.0.1
変更手順:設定 → ネットワークとインターネット → 接続中の回線 → プロパティ → 「DNSサーバーの割り当て」を手動にし、IPv4をオン → 追加 → 保存。
Step4:ネットワークドライバの更新/ロールバック/OEM版固定
Intel AX201 / AX211を中心に、ドライバの枝(バージョン系列)で安定度が変わる事例があります。まずはメーカー(OEM)配布版を優先し、症状が出る枝なら一段下へロールバック→固定が効果的です。
【更新手順】
- スタート右クリック → デバイス マネージャー
- [ネットワーク アダプター]→ 対象を右クリック
- 「ドライバーの更新」→「自動検索」
(改善しない場合は、PCメーカーのサポートページからOEM版を入手し手動導入)
【ロールバック手順】
- デバイス マネージャー → 対象を右クリック →「プロパティ」
- [ドライバー]タブ →「ドライバーを元に戻す」が有効なら実行
- グレーアウト時は、OEMサイトの一つ前の安定版を入手して手動インストール
補足:症状の切り分けには、イベント ビューアのNetwtw* 系ログ(Intel Wi-Fiドライバのソース名)も参考になります。頻発するエラーがある場合は、クリーン再インストールやバージョン変更の判断材料に。
外付けUSB Wi-Fiアダプターを一時利用して回避できるケースもあります(本体チップに依存しないため、アップデート直後の不安定回避に有効)。
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- スタート →「復元ポイントの作成」と検索
- 「システムの復元」→ アップデート前の日付を選択
- 指示に従って進める(個人ファイルには影響なし)
※復元ポイントがない場合は、次回に備えて「システムの保護」を有効化しておきましょう。
▼さらに安定させる補足策
① DNSキャッシュのリセット(Flush DNS)
管理者権限のコマンド プロンプトで次を実行:ipconfig /flushdns
② 早見表で原因を素早く特定
症状 | 考えられる原因 | 推奨対処 |
---|---|---|
接続済みだが通信不可 | DNSエラー/ドライバ不整合 | ネットワーク リセット、DNS変更 |
VPN時だけ途切れる | VPNクライアントとOSの相性 | VPNの最新版導入、いったん無効化で検証 |
再起動後にだけ落ちる | プロファイル破損/自動更新の影響 | 新規ローカルアカウントで検証、ドライバ固定 |
その他のチェックポイント
- ルーターの電源を5分抜いて再投入
- VPN・セキュリティソフトは最新版へ
- セーフモード(ネットワークあり)で再現するか確認
- 新しいローカルアカウント作成でプロファイル破損を切り分け
- Windows Updateの履歴から 24H2 向け更新(例:KB5060829 など)の適用状況を確認
- イベント ビューアでNetwtw*やミニポート関連のエラー確認(頻発時はドライバ枝の見直し)
再発を防ぐために
- 「システムの保護」を有効にし、復元ポイントを定期作成
- 大型更新は数週間様子見してから適用(Release healthで既知事象を確認)
- ネットワーク ドライバは自動任せにせず OEM版で固定も選択肢
- VPN/セキュリティ製品は常に最新・互換情報を確認
- 効果があった自分の手順をメモ化(次回の時短に)
Windows 11 24H2 不具合まとめ
24H2 適用後、「接続表示なのに通信できない」といった現象が点在しています。特に AX201/AX211 など一部ドライバの組み合わせ、VPNクライアント、企業ネットワークのポリシー環境では影響が出やすいため、更新の延期・ドライバの固定・復元ポイントの用意を基本戦略としつつ、上記の手順を順に試してみてください。MicrosoftのRelease healthでの続報や累積更新の内容も随時チェックしましょう。
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