【2025年6月26日追記】Windows 11「24H2」でネット接続できない不具合|原因と対処まとめ

2025年6月、Windows 11の大型アップデート「バージョン24H2」を適用した一部のユーザーから、インターネットに接続できなくなるという深刻なトラブルが報告されています。

Wi-Fiには接続されているのにWebページが開かない、VPNを使うと通信が途切れる、再起動のたびに接続が切れるなど、状況はユーザーごとに異なり、単なる一時的な不具合ではなく、アップデートに起因する広範な通信トラブルとみられています。

この記事では、2025年6月現在の最新状況に基づき、原因とされる要素や、実際に効果があった対処法、注意すべきポイントなどを詳しくご紹介します。

なぜ起きる?ネットワーク不具合の背景

Windows 11「24H2」は、AI支援機能やセキュリティの強化を含む重要なアップデートですが、その影響で一部のネットワーク関連の設定やドライバーとの互換性に問題が生じているようです。

特に、以下のような要因が報告されています。

  • ネットワークアダプターのドライバーが新バージョンと非互換
  • デフォルトDNSが正常に機能せず、名前解決ができない
  • VPNソフトとの競合(NordVPN、ProtonVPNなど)
  • 特定のルーター機種(NEC、Buffaloなど)との相性

このように、ハード・ソフト両面で環境依存の要素が強いため、「うちは大丈夫だった」「急に使えなくなった」など、症状にバラつきがあるのが特徴です。

Step1:まだの人はアップデートを保留

まず最初に強調したいのは、「24H2をまだ適用していない方」は、意図せず自動更新されないよう、アップデートを一時停止するのが安全だということです。

【手順】

  1. 設定 → Windows Update
  2. 「更新を1週間停止する」→ 最大5回まで繰り返せば35日間停止可能
  3. 詳細オプション → 「機能更新プログラムのインストールを延期」を設定(表示されていれば)

とくに仕事用PCやリモート勤務環境では、ネットワーク不安定が業務に直結します。情報が落ち着くまでは保留がベストです。

Step2:接続済みでもネットが使えないときは「ネットワークのリセット」

「Wi-Fiに接続されているのにページが開けない」「アイコンはつながってるのに通信できない」といった場合は、ネットワークアダプターの設定が内部的に乱れている可能性があります。

【操作手順】

  1. 設定 → 「ネットワークとインターネット」
  2. 一番下の「ネットワークのリセット」→「今すぐリセット」を選択
  3. パソコンを再起動

この操作をすると、Wi-Fi設定やVPN構成などが初期化されるため、再設定の手間はかかりますが、高確率で改善される例が多数報告されています。

Step3:DNSサーバーをGoogleやCloudflareに手動で変更

意外に多いのが、「自動設定されたDNSが原因で通信できない」というパターンです。とくに企業ネットワークや地域によっては、Windowsの初期設定DNSでは安定しないことがあります。

【おすすめ設定】

  • Google DNS
     優先:8.8.8.8、代替:8.8.4.4
  • Cloudflare DNS
     優先:1.1.1.1、代替:1.0.0.1

【変更手順】

  1. 設定 → ネットワークとインターネット
  2. 接続中のWi-Fi(またはイーサネット) → プロパティ
  3. 「DNSサーバーの割り当て」→ 編集 → 「手動」に切り替え、IPv4をオンに
  4. 上記のDNSを入力 → 保存

これにより、ページ読み込みの遅延や、突然繋がらなくなる症状が改善する可能性があります。

Step4:ネットワークドライバーの更新またはロールバック

特定のドライバーと「24H2」がうまく連携できていないことも多く、Intel Wireless-ACやRealtek LANなどのドライバーが原因のこともあります。

● 最新版に更新する手順

  1. スタート右クリック → デバイスマネージャー
  2. ネットワークアダプター → 使用中のアダプターを右クリック
  3. 「ドライバーの更新」→「自動検索」

● 古いバージョンに戻す(ロールバック)手順

  1. 上記と同じくアダプターを右クリック
  2. 「プロパティ」→「ドライバー」タブ
  3. 「ドライバーを元に戻す」が選択可能なら実行

※グレーアウトしている場合は履歴が残っていないため、手動で旧バージョンをダウンロードする必要があります。

PCにUSB画認識しなくて困っている男性

Step5:どうしても直らないなら「復元ポイント」で元に戻す

もしアップデート後から明らかに不具合が出た場合は、「システムの復元ポイント」を使って24H2適用前に戻すこともできます。

【復元手順】

  1. スタート → 「復元ポイントの作成」で検索
  2. システムの復元 → アップデート前の日付を選択
  3. 指示に従って進める(個人ファイルには影響なし)

※復元ポイントが自動作成されていない場合、この方法は使えません。

※設定で「システムの保護」を有効にしておくと、次回から復元可能になります。

▼追記:さらに安心のためにできる対策

ここまでご紹介した対処法でも改善しない場合や、より安定したネット環境を維持したい方は、以下の補足策も併せて試してみてください。

① DNSキャッシュのリセット(Flush DNS)
ネットワークが不安定な原因の一つに、「DNSキャッシュの破損」があります。以下の手順で、不要なキャッシュをクリアしてみましょう。

【手順】
スタートメニューで「cmd」と入力 → 右クリックして「管理者として実行」
以下のコマンドを入力してEnter

ipconfig /flushdns

これにより、DNSの不整合が原因だった接続不良が解消されることがあります。

② トラブル別の早見表で対応を再確認
以下のような表を参考に、ご自身の状況と照らし合わせて、最も適切な対処法を選びましょう。

症状考えられる原因推奨対処法
Wi-Fi接続済みだがネットが使えないDNSエラー/ドライバ不具合ネットワークリセット、DNS変更
VPN使用時だけ途切れるVPNとアップデートの競合VPNソフト更新、無効化検証
再起動後だけ繋がらないプロファイル設定の破損ローカルアカウントで検証

③ 復元ポイントの自動作成をスケジューリング
タスクスケジューラを使えば、週1回など定期的に復元ポイントを自動で作成することも可能です。今後のアップデートで再び不具合が起きても、すぐに巻き戻せる環境を作っておきましょう。

その他のチェックポイント

  • ルーターの電源を5分間抜いて再起動
  • VPNソフトを一時的にオフにする
  • セーフモード+ネットワーク起動で問題の切り分け
  • 新しいローカルアカウントを作成して試す(プロファイル破損の可能性)

これらのチェック項目は、一見すると単純な操作に思えるかもしれませんが、実際にはネットワーク環境の初期化や、競合ソフトの影響除去に非常に有効です。

特に「セーフモードでの検証」や「新しいローカルアカウントでの再確認」は、Windowsのユーザープロファイルや常駐ソフトに問題がある場合に役立ちます。問題の切り分けがしやすくなり、「何が原因でつながらなかったのか?」という判断材料になります。

また、VPNソフトを使用している方は、「いったん無効化してみる」「ソフトを最新版にアップデートする」といった対処も非常に重要です。24H2以降、通信制御に関する仕様が一部変更されており、古いバージョンのVPNクライアントでは正しく動作しないことがあります。

よくある誤解と注意点

①「Wi-Fiのアイコンが出ていれば問題ない」と思い込まない
 → 接続済でもDNSエラーやプロトコル破損で通信できないケース多数。

②「更新したから安全」とは限らない
 → 自動ドライバー更新で逆に不安定になることもある。

③企業用PCやVPN接続中は慎重に
 → 会社で使っているセキュリティポリシーやDNS制限と競合しやすい。


このように、「ネットが切れた」と一言で言っても、実際にはアイコン表示と内部の通信状態が一致しないことも多く、表面的な挙動だけでは原因を特定できないことが少なくありません。

また、Windowsの更新は“セキュリティのために必要”という印象が強い一方で、最新にすれば必ず安定するわけではないという点にも注意が必要です。

特に「24H2」は機能追加の多い大型アップデートであるため、個人ユーザーよりも企業ユーザーの方が深刻な影響を受けているケースも目立ちます

そのため、トラブルが発生した際は以下のような冷静な判断が重要です。

PCトラブルで困っている男性

再発を防ぐためにすべきこと

Windowsアップデート後のネット接続トラブルは、環境やタイミングによって誰にでも起こり得る問題です。とはいえ、次回のアップデートでまた同じことが起きないように、事前にできる対策を講じておくことがとても重要です。

以下に、ネットワーク不具合の再発を防ぐためにおすすめのポイントをまとめました。

● システムの復元ポイントを有効にしておく

アップデート前の状態に戻せるよう、「復元ポイントの自動作成」を有効にしておきましょう。

  1. スタートメニューで「復元ポイントの作成」と検索
  2. 「システムの保護」タブ → 「保護設定」→「有効」にする
  3. ディスク使用量を5〜10%程度に設定して保存

これにより、万が一不具合が起きた際にも、アップデート前の正常な状態へ巻き戻すことができます。

(注意・メーカーによって、システムの保護タブに「保護設定」が入っていない場合があります)

● Windows Updateは“様子を見てから”適用する

Microsoftの大規模アップデートでは、不具合が報告されてから数週間後に修正パッチが配信されることもあります。更新情報をチェックしながら、安定報告が出るまでは「延期」や「一時停止」設定で待機するのが安心です。

● ドライバーは自動ではなく手動管理も視野に

とくにネットワークアダプターのドライバーは、Windowsによる自動更新が逆効果になるケースがあります。PCに詳しい方は、メーカーサイトから信頼性の高いドライバーをダウンロードして、手動で管理するのも一つの方法です。

● VPNやセキュリティソフトは最新に保ち、相性情報も確認

VPNやファイアウォール系のソフトは、Windows更新との相性問題を起こしやすい分野です。定期的にアップデートを確認し、公式サポート情報や互換性のアナウンスにも目を通しておくと安心です。

● 自分の環境に合った対処法を記録しておく

一度トラブルが発生すると、同じ操作を何度も試すのは大変です。今回のような対処法を、メモやスクショで記録しておくことで、再発時の対応が早く、確実になります。

ネットワークの不具合は、日常生活や業務に大きな支障をきたすだけでなく、ストレスの原因にもなります。だからこそ、「事前の備え」と「焦らず対処できる知識」が再発防止には欠かせません。

まとめ

Windows 11「24H2」へのアップデートにより、ネットワークが繋がっているようで通信ができないという現象が、2025年6月時点でも多数報告されています。

特にVPN環境や企業ネットワーク、古いドライバーとの組み合わせでは問題が起きやすいため、アップデートは慎重に判断する必要があります。

この記事で紹介した対処法を順に試しながら、Microsoftの次回の修正パッチ配信にも注目しましょう。

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