[2025年5月最新]Windows11「24H2」アップデートのネット接続トラブル
Windows 11の最新アップデート「24H2」では、インターネット接続の安定性に関する問題が報告されています。特に、Wi-Fiや有線接続の両方で、ネットワークが認識されても実際にインターネットにアクセスできないといった症状が見られます。
この問題は、再起動後に発生するケースが多く、ネットワーク設定のリセットやドライバーの更新では解決しない場合が多いとされています。

2025年5月時点でも、このネットワーク接続の不具合は継続しており、Microsoftからは未だ恒久的な修正パッチや詳細な説明は提供されていません。
SNSやフォーラムでは、
「再起動後に接続が切れる」
「Wi-Fiはつながっているのにネットが使えない」
といった声が相次いでいます。さらに、
「VPN使用中にネットが不安定になる」
「特定のルーターで通信が切れる」
といった報告もあり、ユーザー環境によってはかなり深刻な影響が出ています。
4月末に出たパッチ「KB5036980」で改善できたのか?
2025年4月末に配信されたパッチ「KB5036980(プレビュー)」にも、この問題に関する明確な修正は含まれておらず、多くのユーザーが解決策を見出せずにいます。
そのため、現段階で有効とされているのは、以下のような暫定的な対策です。
Windows Updateの保留
まだWindows 11 バージョン24H2を適用していない場合は、意図せず自動アップデートが進んでしまわないように「一時停止」または「インストールの延期」設定を行うことが大切です。
以下の手順で、一時的に更新を保留できます。
- [設定]→[Windows Update]→「更新を1週間停止する」をクリック(最大5回まで繰り返すことで最長35日間の停止が可能)
- [詳細オプション]→「機能更新プログラムのインストールを延期」の項目が表示されている場合は、日数を選んで延期設定を行う
これにより、24H2が自動的にインストールされるのを防ぎ、ネットワーク不具合などの報告が落ち着いてから適用することができます。特に業務用PCなど、ネット環境が安定しないと困る環境では意図的な保留がリスク回避につながります。
ネットワークアダプターのリセット
ネットワークが不安定な場合や、Wi-Fiはつながっているのにインターネットにアクセスできないといった状況では、ネットワークアダプターの設定を一度リセットすることで改善することがあります。
以下の手順で操作できます。
- 画面左下の「スタート」ボタンをクリックし、[設定]を開く
- [ネットワークとインターネット]を選択
- 画面下の方にある[ネットワークのリセット]をクリック
- 表示された画面で[今すぐリセット]をクリック → 再起動
この操作を行うと、使用中のWi-Fiや有線LANの設定がすべて初期化されます。再接続の際には、Wi-Fiのパスワードなどが再入力が必要になりますのでご注意ください。
それでも改善しない場合は、別の対策(ドライバーの更新やDNSの変更など)も検討しましょう。
DNSの手動設定(Google Public DNS や Cloudflare DNS に変更)
DNS(ドメインネームシステム)は、インターネットの住所録のようなものです。Windows 11 24H2では、デフォルトのDNSが原因で通信が不安定になるケースがあるため、手動で高速かつ安定したDNSに切り替えることで改善が期待できます。
以下の手順で設定を変更できます:
- [スタート]ボタン → [設定]を開く
- [ネットワークとインターネット]をクリック
- 接続中のネットワーク(例:Wi-Fi)の右側にある[プロパティ]をクリック
- 「DNS サーバーの割り当て」の[編集]をクリック
- 「手動」を選び、IPv4を「オン」にする
- 「優先DNS」に 8.8.8.8(Google DNS)、
「代替DNS」に 8.8.4.4 を入力 - または、Cloudflare DNSを使う場合は、
「優先DNS」に 1.1.1.1、
「代替DNS」に 1.0.0.1 を入力 - 保存をクリックして終了
この設定変更により、一部の接続トラブルやページの読み込み遅延が改善する可能性があります。ただし、職場や企業ネットワークでは独自のDNSを使用していることがあるため、自己判断で変更が難しい場合は、ネットワーク管理者に相談してください。
手動ドライバー更新(ネットワークアダプター)
ネットワークの不具合が出ている場合、ネットワークアダプターのドライバーが古かったり、Windows 11 24H2と相性が悪い可能性があります。手動で最新のドライバーに更新することで、接続トラブルが改善することがあります。
以下の手順で操作できます。
- 画面左下の[スタート]ボタンを右クリックし、[デバイスマネージャー]を選択
- 一覧から[ネットワークアダプター]を展開
- 使用中のアダプター(例:Intel Wireless-AC、Realtek など)を右クリック
- [ドライバーの更新]を選択
- 「ドライバーを自動検索」を選び、インターネット上の最新ドライバーを検索・更新
自動で更新されない場合は、PCメーカーやアダプターメーカー(Intel、Realtek など)の公式サイトからドライバーをダウンロードし、「参照して手動でインストール」を選ぶことで更新することも可能です。
※注意:ドライバーの更新後は、一度再起動することで変更が確実に反映されます。
前のバージョンに戻す(23H2へダウングレード)
Windows 11 24H2にアップデートした後に不具合が続く場合、前の安定したバージョン(23H2)へ戻すことができます。ただし、アップデートから10日以内でないとこの機能は使えません(※期間が過ぎていると「前のバージョンに戻す」オプションが表示されません)。
以下の手順で操作します。
- [スタート] → [設定]を開く
- [システム] → [回復]をクリック
- 「復元オプション」の中にある[前のバージョンの Windows に戻す]を選択
- 表示される案内に従って進める(理由の選択などが出ます)
- 最終確認の後、パソコンが再起動され、以前のバージョンに戻ります
この操作では、通常ファイルはそのまま保持されますが、念のため事前に大事なデータのバックアップを取っておくことをおすすめします。
また、期間が過ぎてしまった場合や、ボタンが表示されない場合は、クリーンインストールでのダウングレードしか方法がなくなりますので、早めの判断が重要です。
他に試せる方法
ルーターの再起動
ルーターの電源を入れ直すことで、ネットワーク接続が回復する場合があります。
ネットワークドライバーのロールバック(以前のバージョンに戻す)
Windows Updateやドライバー更新のあとにネットワークが不安定になった場合、新しいドライバーとパソコンの相性が悪いことが原因かもしれません。その場合は、ネットワークアダプターのドライバーを「以前のバージョン」に戻す(ロールバック)ことで改善することがあります。
以下の手順で操作します。
- [スタート]を右クリック → [デバイスマネージャー]を開く
- [ネットワークアダプター]を展開し、使用中のアダプターを右クリック
- [プロパティ]を選択 → [ドライバー]タブをクリック
- [ドライバーを元に戻す]ボタンをクリック
- 理由を選択し、案内に従って進める
ロールバック後は、必ずPCを再起動して設定を反映させてください。
※このボタンがグレーアウトしていてクリックできない場合は、ドライバーの更新履歴がなく、戻せるバージョンが残っていない状態です。その場合は、手動で古いドライバーをダウンロードしてインストールする方法を検討する必要があります。
Windows Updateトラブルシューティングの実行
Windows Updateで「更新が進まない」「エラーが出る」などの問題がある場合は、標準搭載されているトラブルシューティングツールを使って、自動的に問題の検出と修復を試すことができます。
以下の手順で操作します。
- [スタート]ボタン → [設定]を開く
- [システム] → [トラブルシューティング]をクリック
- [その他のトラブルシューティングツール]を選択
- 「Windows Update」の欄にある[実行]ボタンをクリック
- 指示に従って、検出と修復を進める
ツールが問題を自動的に修正してくれる場合もありますが、原因が複雑なときは「修正できませんでした」と表示されることもあります。その場合は他の方法(ドライバー更新やネットワークリセット)も試してみてください。
システムの復元(復元ポイントを使って元に戻す)
Windows 11では、アップデートや設定変更によって不具合が起きたときに、「復元ポイント」という機能を使って、過去の正常な状態に戻すことができます。
これにより、24H2アップデート前の安定していた状態にシステム全体を巻き戻すことが可能です(※個人のファイルには影響しません)。
手順は以下の通りです:
- [スタート]をクリック → [システムの復元]と検索 → [復元ポイントの作成]を選択
- 「システムのプロパティ」画面が開いたら、[システムの復元]ボタンをクリック
- 「別の復元ポイントを選ぶ」を選択し、アップデート前の日付を選んで進む
- 画面の案内に従って復元を実行
※復元ポイントが自動的に作成されていない場合は、この方法は利用できません。
復元後はPCが再起動され、元の状態に戻ります。24H2適用直後に不具合が出た方は、この方法も有効です。
復元ポイントの自動作成を有効にする方法
今後のアップデートやドライバー変更によるトラブルに備えて、Windowsが自動で復元ポイントを作成するよう設定しておくことをおすすめします。
以下の手順で有効化できます。
- [スタート]ボタンをクリック → 「復元ポイントの作成」と検索 → 選択
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開いたら、システム保護タブを選択
- 「保護設定」の一覧から、Windowsがインストールされているドライブ(通常はC:)を選択
- [構成]をクリック → 「システムの保護を有効にする」にチェック
- ディスク使用量のスライダーを調整(推奨:5〜10%)→ [OK]で保存
これで、Windowsが自動的に復元ポイントを作成するようになります。特にアップデート前やアプリのインストール時などに自動保存されるようになるため、将来のトラブルに備えるための「保険」として非常に有効です。
ただし、これらの方法もすべての環境で効果があるわけではなく、個別のハードウェアやネットワーク構成によって改善しないケースも多く見られます。
まとめ
2025年5月現在、Windows 11 24H2アップデート後に、ネットワーク接続に関する問題が報告されています。Microsoftからの正式な修正はまだ提供されていませんが、記事で紹介されている対策や上記の補足情報を参考に、問題解決を試みてください。今後のアップデート情報にも注目しましょう。
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