
2026年8月12日、Windows 11向けの月例セキュリティ更新プログラム「KB5121003」が配信されました。
今回の更新はWindows 11 24H2・25H2が対象で、セキュリティ修正に加えて、エクスプローラーやWindows検索、電源設定、Windows Updateなどの改善も含まれています。
また、パソコンによっては「KB5120708」という更新プログラムも同時に表示されます。こちらは、Windows上のさまざまなアプリで使われる「.NET Framework」に関するセキュリティ更新です。2つ表示されても異常ではありません。
この記事では、KB5121003とKB5120708の主な更新内容、インストール後のOSビルド、2026年8月24日時点の不具合情報、インストールできないときの対処法を分かりやすく解説します。
盆休み明けなど、しばらく使っていなかったパソコンでは複数の更新プログラムがまとめて表示され、完了まで時間がかかることがあります。仕事を始める直前ではなく、更新と再起動に時間を取れるときに実行しましょう。
KB5121003とKB5120708は何の更新?
今回配信された「KB5121003」と「KB5120708」は、どちらもWindowsの安全性や安定性を保つための更新プログラムです。
ただし、それぞれ更新する部分が異なります。
| 更新プログラム | 主な内容 | 対象 |
|---|---|---|
| KB5121003 | Windows 11のセキュリティ修正と機能改善 | Windows 11 24H2・25H2 |
| KB5120708 | .NET Framework 3.5/4.8.1のセキュリティ更新 | Windows 11 25H2 |
KB5121003は、Windows 11本体に関する月例のセキュリティ更新です。インターネットに接続しているパソコンを安全に使うためにも、基本的にはインストールしておきましょう。
KB5120708は、Windows上で動く一部のアプリに必要な「.NET Framework」を更新するものです。普段は意識することの少ない機能ですが、アプリの安全性を保つために使われています。
Windows Updateの画面に2つ表示されても、更新が重複しているわけではありません。それぞれ別の部分を更新するため、両方が表示されている場合は基本的にインストールして問題ありません。
インストール後のOSビルド
KB5121003をインストールすると、OSビルドは次のように更新されます。
| Windows 11のバージョン | インストール後のOSビルド |
|---|---|
| Windows 11 25H2 | 26200.9168 |
| Windows 11 24H2 | 26100.9168 |
現在のバージョンやOSビルドは、次の手順で確認できます。
- 「設定」を開きます。
- 「システム」を選択します。
- 「バージョン情報」を開きます。
- 「Windowsの仕様」を確認します。
キーボードの「Windowsキー+R」を押し、「winver」と入力して確認する方法もあります。
KB5121003の主な更新内容
KB5121003には、セキュリティ修正のほか、2026年7月28日に配信されたプレビュー更新「KB5101684」の改善内容も含まれています。
主な変更点は次のとおりです。
エクスプローラーが見やすくなる
エクスプローラーの「詳細」表示で、ファイルサイズがKBだけでなく、容量に応じてKB・MB・GBで表示されるようになります。
また、次のような改善も行われています。
- フォルダーを中央クリックして新しいタブで開ける
- ホーム画面を開いたときの灰色のちらつきを改善
- おすすめ欄のサムネイルを見やすく表示
- ホーム画面が勝手に上まで戻る問題を改善
ファイルの容量や内容を確認しやすくなる、実用的な変更です。
Windows検索の精度を改善
インストールされているアプリを検索するとき、アプリ名を少し間違えて入力した場合や、名前の一部だけを入力した場合でも見つけやすくなります。
設定画面の検索結果も改善され、目的の設定項目が上位に表示されやすくなっています。
電源やバッテリー設定を改善
画面を消すまでの時間やスリープ、休止状態、電源ボタンなどの設定が、すべての電源プランに正しく反映されるよう改善されました。
省エネ機能を有効にするバッテリー残量の基準も、設定画面から再び変更できるようになります。
Windows Updateの表示と動作を改善
Windows Updateの進行状況が、これまでより正確に表示されるよう改善されています。
さらに、更新後の不要なファイルを整理する処理も見直され、アップデート直後のパソコンの動作改善につながる可能性があります。
アプリの起動や操作が速くなる可能性も
今回の更新では、「Low Latency Profile(LLP)」と呼ばれる仕組みの対象が、一部のWindows機能だけでなくアプリにも広げられました。
LLPは、アプリの起動など短時間だけ高い処理能力が必要になる場面で、CPUの動作を素早く調整する仕組みです。
すべてのパソコンで大幅に速くなるわけではありませんが、海外では「右クリックメニューやエクスプローラーの反応が速くなった」と感じる利用者もいます。
この改善も段階的に提供されるため、KB5121003をインストールした直後から、すべてのパソコンで同じ変化が現れるとは限りません。
【関連記事】
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スタートメニューやタスクバーを改善
スタートメニューで選択した表示方法が、正しく保持されるようになりました。
タブレットとして使用している場合に、タスクバーの通知領域が正常に表示されないことがある問題も改善されています。
なお、これらの変更は段階的に配信されるものを含みます。KB5121003をインストールしても、すべての機能がすぐに反映されるとは限りません。
KB5120708は何のための更新?
KB5120708は、「.NET Framework 3.5」と「.NET Framework 4.8.1」に関するセキュリティ更新プログラムです。
.NET Frameworkは、Windows上でさまざまなアプリや業務ソフトを動かすために使われる仕組みです。普段の操作で直接開くものではないため、「使った覚えがない」と感じる方も多いかもしれません。
今回の更新では、外部から不正な処理を実行される可能性がある脆弱性や、情報が漏れるおそれのある脆弱性などが修正されています。
そのため、Windows Updateに表示された場合は、基本的にインストールしておくことをおすすめします。
ただし、海外では更新後に特定の業務ソフトの画面が正しく表示されなくなったという個別報告があります。現時点ではMicrosoftが認めた一般的な不具合ではなく、特定のソフトとの組み合わせで発生している可能性があります。
なお、Windows 11向けのKB5120708は、主にWindows 11 25H2が対象です。Windows 11 24H2では、環境に応じて別の.NET Framework更新プログラムが表示されることがあります。
※実際に、海外では動物病院向け業務ソフト「Covetrus ImproMed」の印刷画面が空白になるという報告が出ています。海外の個別報告
2つの更新が表示されても問題ない?
Windows UpdateにKB5121003とKB5120708が同時に表示されても、不具合や更新の重複ではありません。
- KB5121003:Windows 11本体を更新
- KB5120708:.NET Frameworkを更新
このように更新する部分が異なるため、同じ日に複数の更新プログラムが配信されることがあります。
インストールの途中や完了後に再起動を求められた場合は、作業中のファイルを保存してから再起動しましょう。更新状況によっては、再起動が複数回行われることもあります。
KB5121003の不具合情報
2026年8月20日、MicrosoftはKB5121003の既知の問題として、一部のゲームが正常に動作しなくなる不具合を公表しました。
現在の調査では、RGB照明機能に対応した周辺機器やパソコン内部の部品を使用している一部の環境との関連が示されています。これらの機器とともにインストールされる「inpoutx64」に似た名前のドライバーやソフトウェア部品が、不具合に関係している可能性があります。
すべてのWindows 11パソコンで発生する問題ではありませんが、該当するゲームを利用している方は注意が必要です。
主に報告されている症状は次のとおりです。
- 一部のゲームが応答しなくなる、突然終了する、エラーが表示される
- パソコンが予告なく再起動する
- 更新に失敗し「変更を元に戻しています」と表示される
- 一部のAMD X470環境で、USB関連のブルースクリーンが発生する
- 複数ディスプレイの一部が認識されなくなる
- 更新後にアプリアイコンや切り取りツールなどが正常に動かなくなる
- 設定画面や表示状態が不安定になる
Microsoftによると、現在この問題が報告されているゲームには「ARC Raiders」「MARVEL Tōkon: Fighting Souls」「THE FINALS」があります。
ゲームが応答しなくなる、予告なく終了する、「EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION」と表示される、パソコンが突然再起動するといった症状が報告されています。
Microsoftは、RGB照明機能に対応した周辺機器やパソコン内部の部品が導入する「inpoutx64」に似た名前のドライバーとの関連を調査しています。
なお、RGB対応のキーボードやマウスなどを使っているだけで、必ず不具合が起きるわけではありません。
詳しくは、Microsoft公式のKB5121003に関する情報をご確認ください。
一部ゲームが起動しない場合の暫定的な回避策
Microsoftは、問題が発生している場合の暫定的な回避策として、Windowsのレジストリで「inpoutx64」ドライバーを一時的に無効にする方法を案内しています。
ただし、レジストリの変更を誤ると、Windowsや周辺機器が正常に動作しなくなるおそれがあります。また、ドライバーを無効にすると、周辺機器のRGB照明や専用ソフトが利用できなくなる可能性もあります。
問題が発生していないパソコンでは、この操作を行う必要はありません。ゲームが起動しない場合も、まずゲーム、RGB機器の制御ソフト、関連ドライバーに更新がないか確認してください。
レジストリ操作に慣れていない方は、自分で変更せず、Microsoftやパソコン・周辺機器メーカーから正式な修正が提供されるのを待つほうが安全です。
Microsoftは現在も原因を調査しており、今後追加情報を公表するとしています。
また、AMD X470搭載パソコンで、USBコントローラーに関係する「DRIVER_POWER_STATE_FAILURE(0x9F)」が発生したという技術的な報告もあります。Microsoft Community Hubの報告
ただし、これらは特定のゲーム、ドライバー、機器構成に限られた報告も含まれています。現段階で「KB5121003を入れると必ず不具合が起きる」という状況ではありません。
更新後に問題が発生した場合は、まずパソコンを再起動し、グラフィックドライバーやチップセットドライバー、問題が起きたアプリに更新がないか確認してください。
仕事で使用するパソコンの場合は、更新直後に業務ソフト、プリンター、USB機器、外部ディスプレイが正常に使えるか確認しておくと安心です。
KB5121003はインストールしても大丈夫?
KB5121003は、Windows 11の月例セキュリティ更新です。Microsoftは一部ゲームが正常に動作しなくなる問題を公表していますが、RGB関連の特定のドライバーが導入された一部の環境で報告されているものです。
今回の問題に該当しない一般的なパソコンでは、重要なセキュリティ修正を適用するため、基本的にはインストールしておくことをおすすめします。
今回の更新には、すでに悪用が確認されている脆弱性を含む重要なセキュリティ修正が含まれます。不具合報告が心配だからといって長期間更新を止め続けるのではなく、バックアップと作業時間を確保したうえで適用するのが現実的です。
ただし、仕事で使用する重要なパソコンや、特定の業務ソフト・周辺機器を使用している場合は、念のため次の点を確認してから更新すると安心です。
- 作業中のファイルを保存する
- 必要なデータをバックアップする
- 更新と再起動に使える時間を確保する
- ノートパソコンは電源に接続する
- Cドライブの空き容量を確認する
更新の途中で電源を切ると、Windowsが正常に起動しなくなる可能性があります。「更新しています」などの画面が表示されている間は、強制終了せずに待ちましょう。
KB5121003をインストールする方法
KB5121003は、Windows Updateから自動的にダウンロード・インストールされます。
手動で確認する場合は、次の手順で操作してください。
- スタートボタンをクリックします。
- 「設定」を開きます。
- 「Windows Update」を選択します。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 更新が表示されたら「ダウンロードとインストール」をクリックします。
- 完了後に「今すぐ再起動する」をクリックします。
更新履歴には、次のような名前で表示されます。
「2026-08 Windows 11 Version 24H2(または25H2)の累積更新プログラム(KB5121003)」
KB5120708も対象となるパソコンでは、.NET Frameworkの累積更新プログラムとして表示されます。
再起動する前に、WordやExcel、ブラウザーなどで作業中のデータを保存しておきましょう。
正しくインストールされたか確認する方法
更新が完了したかどうかは、Windows Updateの更新履歴から確認できます。
- 「設定」を開きます。
- 「Windows Update」を選択します。
- 「更新の履歴」をクリックします。
- 「品質更新プログラム」を確認します。
一覧にKB5121003が表示され、「正しくインストールされました」となっていれば更新は完了しています。
また、「Windowsキー+R」を押して「winver」と入力すると、現在のOSビルドも確認できます。
- Windows 11 25H2:26200.9168
- Windows 11 24H2:26100.9168
更新履歴に表示されていてもOSビルドが変わっていない場合は、再起動が完了していない可能性があります。一度パソコンを再起動してから、もう一度確認してください。
KB5121003をインストールできないときの対処法
KB5121003のダウンロードが進まない、インストールに失敗する場合は、次の方法を順番に試してください。
パソコンを再起動する
一時的なWindows Updateの不具合であれば、再起動するだけで改善することがあります。
作業中のファイルを保存してパソコンを再起動し、もう一度「更新プログラムのチェック」を実行してください。
インターネット接続を確認する
Wi-Fiの接続が不安定だと、ダウンロードが途中で止まることがあります。
Webサイトが正常に開けるか確認し、通信が不安定な場合はルーターも再起動してみましょう。
VPNを使用している場合は、一時的に切断すると更新できることもあります。更新完了後は、必要に応じてVPNを再接続してください。
Cドライブの空き容量を確認する
空き容量が不足していると、更新プログラムをインストールできません。
「設定」→「システム」→「ストレージ」の順に開き、Cドライブの空き容量を確認してください。
空き容量が少ない場合は、ごみ箱や一時ファイルなど、不要なデータを整理してから再度更新します。
Windows Updateのトラブルシューティングを実行する
Windows Updateの問題を自動的に診断できる場合があります。
- 「設定」を開きます。
- 「システム」を選択します。
- 「トラブルシューティング」を開きます。
- 「その他のトラブルシューティングツール」を選択します。
- Windows Updateの「実行する」をクリックします。
診断が終わったらパソコンを再起動し、もう一度更新を確認してください。
それでも失敗する場合は、画面に表示されたエラーコードを控えておきましょう。「0x800~」から始まるコードによって、必要な対処法が異なります。
よくある質問
KB5121003とKB5120708は両方必要ですか?
両方がWindows Updateに表示された場合は、基本的にどちらもインストールして問題ありません。
KB5121003はWindows 11本体、KB5120708は.NET Frameworkを更新します。それぞれ役割が異なるため、更新が重複しているわけではありません。
更新後に再起動は必要ですか?
更新を完了するために、再起動を求められることがあります。
作業中のファイルを保存し、時間に余裕があるときに再起動してください。更新状況によっては、完了までに複数回再起動する場合もあります。
インストールに時間がかかっても大丈夫ですか?
パソコンの性能や通信環境によっては、ダウンロードやインストールに時間がかかることがあります。
進行状況の数字がしばらく変わらなくても、内部では処理が続いている場合があります。パソコンが動作しているようであれば、すぐに電源を切らずに様子を見てください。
KB5121003をインストールしたのに変更が見当たりません
今回の改善には、段階的に提供される機能が含まれています。
同じKB5121003をインストールしていても、パソコンによって新しい表示や機能が反映される時期が異なる場合があります。すぐに変化が見られなくても、更新に失敗したとは限りません。
更新後に不具合が出た場合はどうすればよいですか?
まずパソコンを再起動し、Windows Updateに追加の更新が残っていないか確認してください。
特定のアプリやゲームだけで問題が起きる場合は、そのアプリや関連ドライバーの更新も確認します。USB機器や外部ディスプレイが使えない場合は、いったん取り外して再接続する方法も試してください。
それでも改善せず、仕事や日常の利用に大きな支障がある場合は、更新プログラムを一時的にアンインストールする方法があります。
ただし、KB5121003やKB5120708には重要なセキュリティ修正が含まれています。問題が起きていないパソコンで、念のためという理由だけで削除する必要はありません。
まとめ
KB5121003は、2026年8月に配信されたWindows 11 24H2・25H2向けの月例セキュリティ更新です。
セキュリティ修正に加えて、エクスプローラーやWindows検索、電源設定、Windows Update、アプリの応答性なども改善されています。
同時に表示されることがあるKB5120708は、.NET Framework 3.5/4.8.1のセキュリティ更新です。更新する部分が異なるため、2つ表示されても重複ではありません。
2026年8月24日時点で、MicrosoftはKB5121003の既知の問題として、一部ゲームが正常に動作しなくなる不具合を公表しています。RGB照明に対応した機器が導入する「inpoutx64」関連のドライバーが影響している可能性があり、Microsoftが引き続き調査しています。
このほか、特定のUSB環境でのブルースクリーンや、業務ソフトの表示不具合なども個別に報告されています。ただし、すべてのWindows 11パソコンで発生する不具合ではありません。
広い範囲に影響する重大な障害は確認されていませんが、仕事で使うパソコンでは、更新後に業務ソフト、プリンター、USB機器、外部ディスプレイが正常に動作するか確認しておきましょう。
盆休み明けなど、しばらく起動していなかったパソコンでは更新に時間がかかることがあります。作業中のファイルを保存し、再起動まで待てる時間を確保してから実行してください。

