妄想が生活を支配する「妄想性疾患」・愛する人を理解するガイド

妄想性疾患という病気をご存知ですか?妄想性疾患は、精神障害の一種で、主に長期にわたる妄想が特徴です。(ここでいう妄想とは、現実に根ざしていない強固な信念のことを指します。)

妄想性疾患の症状

妄想性疾患の患者は、しばしばその妄想を本当のものと確信しています。この病気は他の精神病的症状(幻覚や思考の混乱など)がほとんどまたは全くないことが特徴です。次に具体的な症状を紹介します。

妄想性疾患の具体的なタイプ

迫害妄想

迫害妄想とは他人に迫害されているという妄想をする事です。
・個人が自分が他人によって迫害されている
・不当に扱われている
・陰謀に巻き込まれている

などと信じ込む状態を指します。

この種の妄想は非常に現実的で具体的であり、患者は自分の信念に非常に強い確信を持っています。

例えば、迫害妄想を持つ人は以下のような信念を持つかもしれません

・自分が監視されていると感じる
・自分の個人的な情報が他人によって収集され、悪用されていると感じる。
・職場や社会で陰謀があって自分が標的にされていると考える。

など、これらの妄想は、患者の日常生活に深刻な影響を及ぼすことがあり、しばしば恐怖や不安、孤立感を引き起こします。

重要なのは、これらの信念が現実には根拠のないものであっても、患者にとっては非常にリアルであるということです。その結果、社会的関係や職業生活に悪影響を及ぼします。適切な治療やサポートを必要が必要です。

誇大妄想

自己の重要性、能力、知識、アイデンティティ、特別な関係(例えば有名人や神との関係)に関する過大評価の妄想です。

身体的妄想

自分の身体に異常があるという妄想を持つのが身体的妄想です。

身体的妄想(somatic delusion)は、自身の身体に関して不合理かつ根拠のない信念を持つ状態を指します。
実際には存在しない身体的な問題や異常に対して、強い確信を持つことを意味します。

例えば、身体的妄想を持つ人は以下のような信念を持つことがあります

自分の体に重大な病気があると信じ込む・・(実際には医学的には何も問題がないにも関わらず)
体の一部が変形している、または異常な形や大きさになっていると感じる。

体内で何か異常なことが起こっていると感じる・・(例えば寄生虫がいると信じる)

これらの妄想は、実際には医学的な根拠がないにも関わらず、個人が非常にリアルに感じるものです。

患者は自分の体に関するこれらの不合理な信念に深く固執し、医師や家族の安心を拒絶することがよくあります。このような状態は、個人の生活に深刻な影響を及ぼし、心理的なストレスや不安を引き起こすことがあります。早期の適切な治療とサポートが重要です。

被愛妄想

特定の人物によって愛されているという根拠のない妄想です。よく芸能人から自分だけが愛されていると思い込んでいる人がいますが、ひどい場合は当てはまるかもしれません。

嫉妬妄想

配偶者や恋人が不貞を働いているという妄想です。

妄想性疾患の薬物治療について

治療には、通常、薬物療法(抗精神病薬など)と心理療法が用いられます。

しかしながら、治療への応答は個々によって大きく異なり、一部の患者にとっては長期にわたる支援が必要になることもあります。

妄想性疾患の患者は自分たちの信念に深く固執しているため、治療の受容が難しい場合もあります。

妄想性疾患に対する薬物治療は、症状の管理に有効であることがありますが、完全に「治る」かどうかは個人差が大きく、症状の程度や患者の全体的な健康状態によって異なります。

薬物治療も治療方法のひとつにあげられますが、薬物治療は症状を和らげることはできるものの、妄想性疾患は通常、複合的なアプローチが必要だと考えられています。

複合的なアプローチとは、心理療法やカウンセリング、家族療法、社会的支援が含まれることが多いです。治療計画は患者一人一人のニーズに合わせてカスタマイズされるべきで、長期的なフォローアップと調整が必要になる場合が多いです。

薬物治療が効果的であるかどうかは、症状の種類、その他の精神的・身体的健康状態、そして患者が治療にどの程度協力的であるかに依存します。全ての患者が薬物治療に良い反応を示すわけではないため、適切な治療法を見つけるためには、医療専門家との継続的な対話が重要です。

周囲への負担

妄想性疾患を持つ人の周りの人々には、大きなストレスがかかることがあります。

この症状を持つ人々は、自分の妄想を周囲の人々に強く主張することがあり、そのために家族や友人との関係は
悪化しがちです。

また、彼らの症状を理解し、適切に対応するのは難しい場合もあります。

とりまく課題

これらの症状が出始めると、周囲にとっても多くの課題が出てきます。

症状の理解と対処方法の学習。
患者とのコミュニケーションやサポート。
時には不合理かつ困難な行動に対処すること。
患者との関係において感情的なストレスや疲労感。

これらの課題に対処するために、家族や周囲に対してもサポートが必要です。
周囲の人たちの精神的健康を維持し、ストレスを管理するために、以下のようなサポートが有効です

・精神健康の専門家による教育やアドバイス。
・サポートグループや他の家族とのネットワーキング。
・必要に応じた自己ケアやリラクゼーションの実践。
・定期的なブレイクや自身の趣味・興味の追求。

など、患者本人だけでなく、彼らをサポートする家族や友人も、適切なケアとサポートを受けることが重要です。これによって、彼ら自身の健康を守りつつ、患者への適切なサポートを継続することが可能になります。

まとめ

妄想性疾患は、長期にわたる不合理かつ根拠のない妄想を特徴とする精神障害です。
患者はその妄想を現実のものと強く信じていますが、幻覚や混乱などはほとんどありません。

なので「ただの個性的な人」と受けとられている方も多いと思います。

しかし、妄想性疾患は複雑で、患者個人だけでなく周囲の人々にも影響を与えることを考慮に入れることが重要です。

病院や専門家によるサポートを受けながら、双方にとってよりよい治療法を探すしかありません。

もし困った事があれば、それらのサポートを得ながら治療を進めていきましょう。た

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