あかりは、自分の言葉がその場の空気をさらに重くしたのではないかと感じて、少し後悔してしまった。
だが、瞬は意外にもその沈黙を壊そうと、穏やかな表情で口を開いた。
「そっか…人に興味がない、か。なんか、わかる気がするよ。」
「え?わかるってどういうこと?」
と、あかりは少し驚いた。
「僕もね、周りからはいつも注目されてるけど、本当は誰とも深く関わりたいと思ったことがないんだ。誰かと親しくなるほど、自分を隠さなきゃいけない気がしてさ。」
瞬は一瞬、遠くを見つめた。その言葉には、普段の無邪気さとは違う、重みがあった。
「それって…やっぱりアイドルだから?」あかりは自然に聞き返した。
「うん、たぶんね。いつも完璧な自分を演じなきゃならない。だから、誰かに本当の自分を見せるのが怖いんだと思う。」
瞬の言葉に、あかりは少し胸が痛んだ。
彼が抱えている孤独が、なんとなく自分の感じているものと重なって見えた。