Windows 10で「システムの復元」ができないときの原因と対処法【2025年最新版】

パソコンの「システムの復元」ができずに困っている女性のイラスト。エラーマークが表示されたノートパソコンと、涙マーク付きで悩む表情の女性が描かれている。

「パソコンの調子が悪い…」

「昨日まで普通に動いてたのに!」
そんなときに役立つのが、Windows 10の「システムの復元」機能です。

ところがこの機能、いざ使おうとしたら動かない・復元ポイントが無い・途中で止まるなど、肝心なときにトラブルになることも少なくありません。

この記事では、Windows 10で「システムの復元」がうまく使えないときの代表的な原因と対処法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
後半では、2025年時点での注意点や、システムの復元だけに頼らないバックアップ方法も紹介します。


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「システムの復元」とは?

「システムの復元」は、PCの設定やシステムファイルを過去の正常な状態に戻す機能です。

  • アプリやドライバの更新でトラブルが起きたときに元に戻せる
  • 文書・写真などの個人データには基本的に影響なし
  • 復元ポイントが無いと使えない(これが「できない」原因になることも多い)

✔ 復元ポイントは自動作成されることもありますが、環境によっては作成されていない場合もあります。
これが「復元しようと思ったらポイントが1つも無かった」というトラブルの第一要因です。

基本の復元手順(標準的な方法)

まずは、通常どおりに「システムの復元」を実行する基本手順をおさらいしておきましょう。

ステップ1:Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開く
ステップ2:sysdm.cpl と入力して【OK】をクリック
ステップ3:「システムのプロパティ」が開くので、「システムの保護」タブをクリック
ステップ4:【システムの復元】をクリック → 復元ポイントを選択 →【次へ】→【完了】を押す
ステップ5:PCが自動で再起動し、復元が開始される

復元直前の画面で【影響を受けるプログラムの検出】をクリックすると、
・アンインストールされるアプリ
・再インストールされるドライバ
などを事前に確認できます。

「システムの復元」ができないときの対処法

1. 復元ポイントが見つからない場合

症状:「復元ポイントがありません」と表示される/選択できるポイントがゼロ

主な原因:「システムの保護」が無効になっている、または復元領域がゼロに近い

対処:「システムの保護」を有効化して、復元ポイントを作成できるようにします。

  • sysdm.cpl で「システムのプロパティ」→「システムの保護」タブを開く
  • 復元したいドライブ(通常は C:)を選択し、「構成」をクリック
  • 「システムの保護を有効にする」にチェックを入れる
  • 「ディスク領域の使用量」を5~10%程度に設定し【OK】

設定後、同じ画面にある【作成】ボタンから手動で復元ポイントを1つ作っておくと安心です。

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2. 復元が途中で止まる・フリーズする場合

症状:進捗バーが途中から動かない/かなり長時間「復元しています」のまま変わらない

対処:「セーフモード」から復元を実行してみます。通常起動時に読み込まれるドライバや常駐ソフトが邪魔している場合、セーフモードならうまく実行できることがあります。

  • 「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「今すぐ再起動」(PCの起動をカスタマイズする)
  • 青い画面が出たら「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→【再起動】
  • 再起動後、「4(セーフモード)」または「5(ネットワークありのセーフモード)」を押す
  • セーフモードで起動したら、再度 sysdm.cpl から「システムの復元」を試す

3. 復元後にエラーが出る・Windowsが起動しない場合

症状:復元後に「復元は完了しませんでした」と表示される/Windows自体が立ち上がらない

対処:「Windows回復環境(WinRE)」から復元を実行します。通常のデスクトップが開けない場合でも、回復環境から復元できるケースがあります。

  • 電源ボタン長押しで強制終了 → 起動を3回繰り返すと「自動修復を準備しています」が表示されることが多い
  • 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」を選択
  • ログインアカウントを選び、パスワードを入力 → 復元ポイントを選択して復元

4. SSD搭載PCで復元がうまくいかない場合

近年はほとんどのWindows 10 PCがSSD搭載になり、高速化ソフト・クリーンアップソフト・セキュリティソフトなどとの相性で復元が失敗するケースも報告されています。

具体的には、

  • 常駐ソフトが復元中のファイルをロックしてエラーになる
  • クリーンアップソフトが復元ポイントを勝手に削除してしまう

といったトラブルです。

対処の例

  • 復元前に、サードパーティ製セキュリティソフトや「高速化・クリーンアップ系ソフト」を一時的に無効化する
  • それでもダメな場合は、こうしたソフトをアンインストールしてから再度復元を試す
  • あわせて、古い復元ポイントしか残っていない場合は、別途バックアップ方法への切り替えも検討する

どうしてもシステムの復元が不安定な場合、古くからある「バックアップと復元(Windows 7)」など、イメージバックアップ系の機能を併用しておくとより安全です(※レガシー機能のため、今後廃止される可能性もあります)。

最終手段:初期化(リセット)を行う前に

どうしてもシステムの復元がうまくいかない場合は、Windowsの初期化(このPCを初期状態に戻す)を検討します。ただし、その前に必ずデータのバックアップBitLocker回復キーの確認を済ませておきましょう。

【初期化の手順(Windows 10)】

①「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」
②「このPCを初期状態に戻す」の【開始する】をクリック
③「個人用ファイルを保持する」または「すべて削除する」を選択
④ 画面の指示に従って進める

⚠ 注意:BitLocker が有効なPCでは、リセット後の再セットアップ時などに「回復キーの入力」が求められることがあります。

▶ 回復キーの確認方法は、Microsoft公式の解説がわかりやすいです。
Microsoft公式:BitLocker回復キーの確認

バックアップは外部ストレージに!

「システムの復元」だけではカバーしきれないトラブルも多いため、大切なファイルや設定は外付けSSDやUSBメモリに定期的にバックアップしておくことを強くおすすめします。

特にSSD搭載PCでは、復元が失敗したり、Windows自体を初期化せざるを得ないケースもあります。
「写真や仕事のデータが消えた…」という事態になる前に、信頼性の高い外付けドライブでしっかり備えておきましょう。

▶ 外付けSSDのおすすめを見てみる

復元ポイントは自動で作られる? 自分で作成できる?

システムの復元を成功させるには、そもそも復元ポイントが存在しているかどうかが重要です。Windows 10 では、ドライバのインストールや一部のWindows Update適用時に自動で作成されることもありますが、常に作られるとは限りません

そのため、トラブルを避けるには、普段から「手動で復元ポイントを作る」習慣を身につけておくのがおすすめです。

復元ポイントを手動で作成する方法

sysdm.cpl を実行し、「システムの保護」タブを開く
② 保護が有効になっているドライブ(通常 C:)を選択
③【作成】ボタンをクリック
④ 任意の名前(例:アプリ導入前/ドライバ更新前など)を入力して【作成】

数十秒で終わる作業なので、新しいアプリやドライバのインストール前・大きな設定変更前には、こまめにポイントを作っておくと安心です。

また、自動作成がうまく機能していない場合、次のような原因が考えられます。

  • 「システムの保護」が無効になっている
  • ディスク空き容量が不足している(復元領域が確保できない)
  • セキュリティソフトやクリーンアップソフトが古い復元ポイントを削除してしまう

定期的に、

「復元ポイントが残っているか確認する」→「なければ手動で作成する」

というサイクルを回しておくと、いざというときに大きな助けになります。

▶ ちょっとした裏ワザ
バッチファイルを使ってワンクリックで復元ポイントを作成する方法もあります。「Windows 復元ポイント 自動作成 バッチ」などで検索すると手順が紹介されていますが、上級者向けのため、最初は手動での作成に慣れてからの利用をおすすめします。

【2025年補足】最近の注意点

  • Windows Update直後に復元ポイントが見当たらないことがある
     → 安定動作しているタイミングで、自分で復元ポイントを作っておくと安心です。
  • 一部のサードパーティ製セキュリティソフトが復元を妨げるケース
     → 復元時だけ一時停止したり、Windows標準の「Microsoft Defender」への切り替えを検討するのも一案です。
  • BitLocker利用PCでは、復元や初期化後に回復キーが必要になる場合がある
     → 普段からMicrosoftアカウントや紙に控えておくなど、「どこにあるか」を把握しておくことが大事です。
  • SSD環境では、システムの復元だけでなくイメージバックアップの併用が安心
     → 外付けSSDにシステムイメージを作成しておくと、より確実に元の状態へ戻せます。

こうした背景から、2025年時点では「システムの復元だけに頼らず、手動バックアップと組み合わせて使う」ことが重要になっています。

安定しているときに、

  • 復元ポイントを手動作成しておく
  • 外付けSSDなどにファイルやシステムイメージをバックアップしておく

という二段構えにしておくことで、万が一のトラブル時も落ち着いて対処できるようになります。

まとめ

「システムの復元」は、Windows 10でトラブルが起きたときに頼りになる機能ですが、

  • 復元ポイントがそもそも存在しない
  • 途中で止まる・エラーになる
  • 復元後も症状が改善しない

といった「うまく使えない場面」も多いのが実情です。

まずは、復元ポイントとシステムの保護設定の確認から始めて、必要に応じてセーフモードや回復環境、初期化などの手順に進んでください。

そして、2025年現在は、定期的な復元ポイントの手動作成外付けSSDへのバックアップをセットで行うことが、トラブルからPCと大事なデータを守る一番の近道です。ぜひ今日から、少しずつ「戻せる環境づくり」を始めてみてください。

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